Twitterでわいせつ画像を投稿して逮捕!どのような犯罪が成立する?

目次

1.事件の概要と背景

2.Twitterにわいせつな画像を投稿することはどのような犯罪に該当する?

3.デジタルデータもわいせつな画像といえるの?

4.どのようなものが「わいせつ」なの?

5.ツイートを消したら大丈夫?

6.Twitterのタイムラインに流すことは「公然と陳列」?鍵付きだと大丈夫?

7.逮捕されることはどのくらいあるの?

8.逮捕されると実名・住所が出る?

9.逮捕をさけるためには、どうするのがよい?

 

1.事件の概要と背景

 2018年6月10日午前4時15分ごろから約17分間、自ら撮影した自身の下半身の画像を4回にわたり、Twitterに投稿したとして、2018年11月28日、大学生が逮捕されました。
 報道によると、岡山県警サイバー対策課からの情報で、ボランティアの学生のサイバーパトロールで発覚したとのことです。

 

2.Twitterにわいせつな画像を投稿することはどのような犯罪に該当する?

Twitterに、下半身の画像などのわいせつな写真を投稿することは、刑法175条1項の中の「わいせつ電磁的記録公然陳列罪」という犯罪に該当します。

 

 刑法

 (わいせつ物頒布等)

 

 第百七十五条 わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、又は公然と陳列した者は、二年以下の懲役若しくは二百五十万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も、同様とする。

 

 2 (省略)

 

 

3.デジタルデータもわいせつな画像といえるの?

 刑法175条1項の「電磁的記録」とは、「電子データ」のことをいいます。携帯電話の画像データは、厳密にいえば、デジタルデータなので「0」と「1」しかない文字列です。しかしながら、各自のパソコン等で誰でも閲覧可能な状態に構成できるものであれば、それは「わいせつな画像」と考えて、規制対象としているのです。

 

4.どのようなものが「わいせつ」なの?

 実は、法律でも、裁判例でも、「わいせつ」の定義は明確にはされていません。警察が公然わいせつなどで捜査対象とするのは、セックスなどの露出・画像のばらまき、陰部の露出・画像のばらまきがほとんどです。キスの画像等では、通常警察は捜査しません。
 なお、適切な範囲にモザイクがかかっているような場合、現在のところ、「わいせつ」だとして規制対象になることはないです。
 端的にいえば、無修正の性交・陰部の画像をばらまくことが、「わいせつ電磁的記録公然陳列罪」の捜査対象に該当するかどうかがポイントです。

 

5.ツイートを消したら大丈夫?

 この犯罪は、投稿した段階で成立します。そのため、その後ツイートを消したり、鍵アカウントにしたとしても、犯罪は成立し、消えることはありません。

 

6.Twitterのタイムラインに流すことは「公然と陳列」?鍵付きだと大丈夫?

 その画像を誰でも見ることができる状態におくことを「公然と陳列」したといいます。過去、サーバーコンピュータにホームページを開設し、わいせつな画像データを見れるようにした件で、「公然と陳列」したと認定されています(最決平成13年7月16日刑集55-5-317)。
なお、鍵付きのアカウントの場合、誰でも見ることができるわけではないので、「公然と陳列」とはいえないように思います。
 ただ、鍵付きの場合、フォロワーに対して頒布したと考えられ、「頒布」したということで、同じく175条1項違反となる可能性があります。

 

7.逮捕されることはどのくらいあるの?

 従来は、公然わいせつ系の犯罪は、現行犯でないと逮捕されないと言われていました。これは、目撃証言しかなく、逮捕状を取得するのが難しかったからだと言われています。
 しかしながら、近年は、データ通信という証拠の残るやりとりでわいせつな画像を交換していることから、昔に比べて逮捕される可能性は高まっているように思います。
(路上の露出の案件も、監視カメラの画像から、後日逮捕されているものがあります。)
 上記の報道の件もそうですが、サイバーパトロールに見つかってしまった場合、逮捕の可能性はそれなりにあると考えていただいたほうがよいでしょう。

 

8.逮捕されると実名・住所が出る?

 逮捕されると、原則として、逮捕された人の名前などは報道機関に情報提供されます。そこから報道機関が、報道するかどうかを決めることになります。
 このような案件は、社会的な影響も大きいことから、逮捕されたとき、実名報道がされる可能性が高いと思われます。
実際に、上記の案件も、住所と氏名・年齢・職業が報道で明らかにされていました。
 もし逮捕されてしまった場合、その記録は今後残り続けることになり、一時の興味で行ってしまったことで、人生を棒に振るということも考えられます。

 

9.逮捕をさけるためには、どうするのがよい?

 逮捕を避けるためには、自首をするのが望ましい案件といえます。弁護士をともなって警察に自首し、警察の資料として残してもらえれば、逮捕までされることは、ほとんどないです。
 もし、Twitterなどで、下半身の画像などを出してしまった場合は、弁護士に相談してもらうのがよいでしょう。

 

(文責:杉浦智彦 令和元年6月7日)

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