青少年保護育成条例違反についての解説

青少年保護育成条例は、青少年の健全な育成など目的とした、都道府県や市町村が定めている条例の統一名称です。

本稿では、よくご相談いただく、青少年に対する淫行・みだらな行為の禁止(ここだけをもって、いわゆる「淫行条例」などともいわれています。)について解説いたします。

 

目次

1.「淫行」「みだらな行為」とは?

2.「わいせつ行為」とは?

3.刑罰は?

4.逮捕・実名報道の可能性は?

5.弁護活動

6.不起訴の獲得・刑罰を下げるための弁護活動

 

1.「淫行」「みだらな行為」とは?

都道府県あるいは市町村ごとに定めているものですので、名称や内容に若干の違いはありますが、概ね共通しているものは次のとおりです。

 

①対象

まず、対象となるのは、青少年、つまり18歳未満の未婚の者に限られます。

18歳「未満」ですので、18歳の者は対象に含まれません。

 

②禁止行為
青少年に対する「淫行」「みだらな行為」です。

「淫行」と「みだらな行為」はほぼ同義で使われております。

裁判例や実務では、以下の行為をいうと考えられております。

 

ⅰ 青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為

ⅱ 青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような性交又は性交類似行為

 

婚約中の青少年や、真摯な交際関係にある場合は除かれます。

ただ、婚約中であることや真摯な交際関係というのは認定が難しく、本人たちがそうだと言い張っているだけでは認められないことがほとんどです。

以上を簡単にまとめると、青少年との「性交」や「性交まではいかなくてもそれに類似した行為(例えば陰部を触るなど)」は、「淫行」「みだらな行為」にあたる可能性が高いということになります。

 

2.「わいせつ行為」とは?

似たような言葉で「わいせつな行為」というのがあり、例えば神奈川県青少年保護育成条例では、「みだらな性行為」と同様に「わいせつな行為」も禁止しております。

神奈川県青少年保護育成条例では、「わいせつな行為」とは、「いたずらに性欲を刺激し、又は興奮させ、かつ、健全な常識を有する一般社会人に対し、性的しゆう恥けん悪の情をおこさせる行為」とされています。

ただ、対象が青少年であっても、実務上は、下着の中に手を入れて体に触れた場合は強制わいせつ罪(刑法176条)、下着の上から体に触れた場合は迷惑行為防止条例違反に該当するため、青少年保護育成条例だけが適用される場面は少ないと思われます。
 

3.刑罰は?

正確には各都道府県や市町村ごとの青少年保護育成条例を確認していただく必要がありますが、「東京都青少年の健全な育成に関する条例」と「神奈川県青少年保護育成条例」では、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金が課されます。

 

4.逮捕・実名報道の可能性は?

青少年保護育成条例は、逮捕されるリスクが非常に高く、逮捕されてしまえば、報道される可能性も十分にあります。公務員(特に教員)や芸能人などは報道のリスクは特に高く、よく報道されているイメージも持たれていると思います。

 

5.弁護活動

もともと青少年保護育成条例が青少年の健全な育成を目的としているため、必ずしも金銭的な解決になじまないケースもあります。

被害者やそのご家族に金銭を受け取っていただいたからといってそれが青少年の健全な育成に繋がるのかという問題点があるからです。

そうはいっても、やはり多くの場合、青少年本人やその保護者との間で示談交渉をすることになります。

金銭的な解決になじまないケースや示談できない場合には、本人の反省をどれだけ伝えることができるかというのが重要となりますので、法テラスなど公的機関へ罰金相当額以上の「しょく罪寄付」を行い、しょく罪と反省の意思を表示することにより、検察庁や裁判所へ有利に評価してもらうこともあります。

 

6.不起訴の獲得・刑罰を下げるための弁護活動

当該青少年あるいはその保護者と示談をすることが優先ですので、まずは弁護士を介して示談交渉を行うことになります。

もっとも先ほどのとおり必ずしも金銭的な解決になじまないケースもあるため、担当検察官とも処分方針について協議や交渉を行い、最適な方法での不起訴あるいは刑罰を引き下げるための弁護活動を行う必要があります。 

 

当事務所は、それぞれの事案、依頼者のご要望に即して対応してまいります。まずは、当事務所までお問い合わせください。

 

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