刑事弁護の基本用語
警察と検察
警察というのは、犯罪が有ったときに捜査する機関です。 検察の方は、警察から事件の送致を受けて、その犯罪についてどのような処分にするかを決める機関です。 不起訴にするのか、罰金にするのか、正式裁判にするのかは、検察が決めることになります。
勾留
逮捕に引き続きて、長期間(10日から20日)身体を拘束する手続きです。 この間に、捜査機関は、犯罪を起訴して正式裁判とするのか、それとも罰金で終わらせるのかなどを決めます。
私選と国選
私選というのは、私選弁護人のことです。当事者や家族が自分で選んだ弁護士です。 国選というのは、国選弁護人のことです。国がつけてくれる弁護士です。 国選の方が、弁護士費用がはるかに安いというメリットがありますが、弁護士によっても熱心な弁護をしない等の問題もあります。
示談
示談というのは、民事事件を解決する、当事者間の契約です。 従って、刑事事件には直接関係はありません。 しかし、民事事件が解決すれば、被害者がもう良いと言っている以上、それ以上刑事事件も行われないのが普通です。
執行猶予
裁判で、例えば懲役1年の刑が言い渡されたとします。 この場合でも、執行猶予の言い渡し(たとえば3年の執行猶予)がなされると、直ぐには刑務所にいかずに済みます。 さらに、その猶予期間中に、再び犯罪を犯さなかった場合は、もう刑務所に行くことは無くなります。 従って、執行猶予が付くか付かないかで、非常に大きな違いが生じるわけです。
執行猶予と実刑
実刑というのは、現実に刑務所に行く刑です。 執行猶予の場合は、直ぐに刑務所に行くことはありません。 従って、執行猶予つきの実刑ということはあり得ません。
被害届
犯罪被害があったので、犯人を捕まえて欲しい旨の届け出が、被害届です。 警察段階で被害届を取り下げて貰えれば、それ以上の捜査がなされず修了する場合があります。 (もちろん、重い犯罪の場合は、そうは言えません。)
逮捕
逮捕されると、身体が拘束されます。 最長で、72時間(3日間)拘束されることになります。
逮捕と前科
逮捕されても、それによって前科は付きません。 裁判によって、懲役刑や、罰金刑になって、初めて前科が付きます。
逮捕と刑務所
逮捕されると、通常警察署の中に留置されて、取り調べを受けることになります。 いきなり刑務所に行くわけではありません。
逮捕と保釈
逮捕や勾留された場合、保釈は認められません。 保釈というのは、起訴されて正式裁判となった後に認めらるものです。
罰金と前科
罰金というのは、お金を支払う刑罰です。 懲役などに比べると軽い刑ですが、前科であることは間違いありません。
不起訴と無罪
不起訴というのは、検察が起訴しないということです。そもそも裁判にもなりません。 無罪というのは、起訴されて裁判になった場合に、裁判所が無罪と判断することです。
民事事件と刑事事件
民事というのは、当事者間の損害賠償の問題になります。 例えば、人を殴って怪我をさせた事件の場合、相手の人に損害賠償を支払うのは、民事事件の問題です。 これに対して、殴ったことんびついて、国家が刑罰を科すのが、刑事事件です。 民事事件と刑事事件は別のものですが、民事上の損害賠償がなされた場合には、刑事の処分も軽くなるのが通常です。
略式手続
書類だけの裁判によって、罰金刑にするための手続きです。 当人の同意があるときに、認められます。 この場合も、罰金の前科は付きます。
刑事事件や刑事弁護について、分からない言葉があれば遠慮なくメールで質問して下さい。この欄に掲載するという条件の下、直接返答致します。
- 都内メンズエステで「美人局」案件が発生!不同意わいせつとの関係や対応方法について解説します。
- 有名人が逮捕されることなく不同意性交等などで書類送検!有名人だから逮捕されないの?容疑が微妙だから逮捕されないの?弁護士が解説します。
- 13歳以上16歳未満の相手との性行為が厳罰化~刑事弁護の専門家が不同意性交罪の最新動向を解説~
- 児童ポルノ単純所持系で逮捕!どんな場合に逮捕されるのか、弁護士が解説します。
- SNSで知り合った10代後半の女性を連れ回して肉体関係を持ったとして逮捕!「お互い好き同士だからいいと思った」という言い分は通用するの?
- 被害額4000万円超の電子計算機詐欺事件で執行猶予付判決を得たケースについて
- 交際関係にあった女子中学生と性交等を行い不同意性交等で立件!逮捕リスクや刑罰の重さを解説します。
- 投資目的の住宅ローン申し込みで逮捕!弁護士がその危険性を解説します。
- 令和6年の改正法施行で大麻の取り締まりはどう変わる?弁護士が解説
- 「特殊詐欺連合捜査班」が初の検挙!弁護士が特殊詐欺の今後の展開について解説します。