刑事弁護コラム

刑事弁護コラム

当事務所では来所いただく前に電話相談を無料で受け付けています。気になることがある方はお気軽にご相談ください。
なお、上記フリーダイヤルは受付専用となっております。お名前とお電話番号をお伺いして、後ほど弁護士から折り返させていただきます。そのため、折り返しのための情報を頂けない場合には対応できませんので、ご了承ください。

誠意とお金の話

刑事弁護の相談でいらした方に、私が最初に必ず言うことがあります。それは、「被害者がいる場合には、誠意をもって謝るとともに、損害を賠償することが一番大切です。お金が十分に無いのならば、弁護士を頼むのを止めても、被害者にお金を払う方が良いですよ」ということです。実際、100人の有能な弁護士を付けるよりも、被害者に賠償した方が、はるかに弁護活動としての意味は大きいのです。被害者に賠償するときに、「金さえ払えばいいんだろう」などという態度をとっては、まとまる話もまとまらなくなることは言うまでもありません。誠意をもって謝る必要があります。しかし、いくら誠意をこめて謝っても、それをお金という形で現わさなくては、被害者に誠意が届かないことも事実だと思います。ただ単に「謝りたいので会って下さい」などといわれても、被害者としては良い迷惑に思うだけです。損害を賠償し、金銭面でお詫びの気持ちをあらわすことによって初めて、被害者としても会って話を聞いても良いかなという気持ちになるのです。お詫びを受け入れても良いかなと思うのです。この辺のことは、世間智のある人なら、当然分かっていることだと思うのですが、意外なことに弁護士でも分かっていない人がいるようです。「誠意とお金は車の両輪」というのは、刑事弁護覚書の最初に持ってきても良い教訓だと考えています。

勾留の話

私は刑事弁護を多く手がけていますので、 勾留されている被疑者の起訴前弁護も良く依頼されます。

例えば、夫が痴漢や傷害で逮捕された奥さんなどからの 依頼が十数件ありました。 弁護士なら誰でも知っているとおり、 勾留が認められるには、勾留の理由が必要です。 住居不定、罪証隠滅の恐れ、 逃亡の恐れの3つの理由が法律で規定されています。 ところが、現実の運用ということになりますと、 この規定は99%無視されているんですね。 一流企業に勤めていて、家族のある男性が、 たまたま電車で近くにいた女性に痴漢をした場合でも、 なぜか罪証隠滅の恐れあり、逃亡の恐れありということで、 勾留されてしまいます。 ここまでは、特に異論の無い現状認識だと信じます。

問題は、何故そのような法律無視の運用が なされているのかという理由と、そういう中で 弁護士としてどの様な対応をするのかという点です。 法律無視の運用がされている理由として、 権力は悪であり、国民を苦しめ人権侵害をすることを 目的にしているからだ、という説があります。 裁判官や検察官も、悪の権力に取り込まれ、 魂を売ってしまい、このような人権侵害行為に 加担するようになるそうです。 権力が、そういう悪いことをすることによって、 どういうメリットがあるのかは不明です。 一般の人には冗談に思えるかもしれませんが、 恐らくこれが弁護士の多数説です。

これに対して、私の考えは違います。 大多数の一般市民は、逮捕勾留について、 ①悪い人を懲らしめるため、②閉じ込めて、 これ以上悪いことをさせないため、 ③警察がしっかりと取り調べるため、 のものだと考えています。 これは、新聞などの論調や、私自身が一般の人と 話した経験からまず間違いないものと思います。 つまり、一般市民の考えと、法律の規定の間に、 非常に大きな開きがあるのが現状です。 その開きを、法律の運用ということで埋めているのが、 検察官、裁判官だと考えます。 世論の後押しを無意識にでも感じているからこそ、 明らかな法律違反でも平気で行えるのだと思います。

さあ、それならどうすれば良いでしょうか、 というのが次の問題です。 現在多くの弁護士によって採られている対応は、 勾留に対して準抗告や勾留理由開示をして、 その違法性、不当性を争うというものです。 残念ながら、ほとんどの場合、 成功しているとは言えないと思います。

私は、違法な実務の運用がここまで固まった以上、 それを是正するには立法によるしかないと思います。 国民の世論を味方につけて、勾留を取り調べのためや、 懲らしめのために使ってはいけないのだと 明確に規定しない限り、 この問題は解決しないと思うのです。

しかし、そのためには、普段は「人権」のことなんて 考えていない一般市民の人たちに、 一から説明する必要があります。 自分達弁護士の考えが、 市民から支持されていなかったのだという現実に向き合い、 それを乗り越える必要があります。 そんな大変なことをするよりも、「国民は被害者。 悪いのは権力者。僕らは弁護士正義の味方!」 という夢を見ながら昼寝をしていたいというのが、 弁護士業界の現状ではないでしょうか。

ちなみに私の場合、痴漢や傷害などで勾留されている 被疑者や家族には、勾留の規定と現実の運用について 説明した後、何とか被害者にお詫びし、 損賠賠償を受けていただき、許してもらうことで、 早く釈放してもらう方向を提案します。 「自分の娘が被害者だとしたら、 犯人を閉じ込めておいて欲しい。」と言うはずです。 法律がどうであれ、被害者に許してもらうことで、 早く出して貰えるようお願いします」というのが、 大多数のお客様の声でした。

安心感の話

刑事弁護を行う中で、弁護士ならほぼ全員、こんなことをやってもほとんど意味がないな、という弁護活動があります。また、家族の方への連絡についても、何の進展もない場合など、連絡しても意味がない場合もあるわけです。このようなときに、そういった客観的には意味のない活動を行わない弁護士もいます。正直なところ、私も全く無意味だと思われることをやるのは、気が進まないこともあります。しかし、お客さんの立場からすると、何が何だか良くわからない状況の中で、考えられることは何でもやっておきたい。万分の1の可能性でもあれば、それにかけてみたいと思うのは、当然のことでしょう。本人や家族にとって、安心感を与えるという意味では、どんな弁護活動も決して無意味なものなどありはしないのだという信念をもって活動していかなければと思っています。

反省していない被告人の話

裁判で、罪を認めている被告人の弁護をするときには、必ず「被告人は十分に反省しております」と言います。しかし、中には、弁護士の立場から見ても、本当に反省しているのだろうかと、疑問に思う人もいるわけです。私が弁護した事件で、一番あきれたのは、お酒を飲んで裁判所に来た被告人です。その裁判というのが、酔っ払い運転の事件ですから、まったく反省していないといわれても、返す言葉がありません。被告人の為に、「被告人は十分に反省し、2度とこのようなことはしないと決意しております」と弁論したんですが、自分でも気恥ずかしくて、下を向いてしまいました。

2ヶ月単位の話

法律自体にも、法律の教科書にも載っていないので、普通の人はあまり知らないことですが、懲役刑の長さなど、2ヶ月単位で長くしていく裁判官が多いそうです。たとえば、懲役8ヶ月の次は、9ヶ月ではなくて10ヶ月なんですね。私が修習をしていたとき、裁判官が、懲役8ヶ月にすべきか、10ヶ月にすべきかで悩んでいる事件がありました。そんなことを悩まないで、懲役9ヶ月にすれば良いじゃないですかと、進言したのですが、奇数の月数には普通しないものだと教えてもらいました。なんだか、あんまり意味のない慣習のような気がするのですが。最もその後、奇数の月数の判決をもらったこともありますから、この辺の慣習も少しずつ変わってきているのかもしれません。

刑事裁判こぼれ話

疑問点等がある方は、ご遠慮なくメールで質問して下さい。
匿名でこの欄に掲載するという条件の下、直接返答致します。

・裁判員制度の話.
・調書の話
・警察の話
・暴力団の話
・検察示談の話
・説明不足の話
・国選弁護の話
・勾留の話
・誠意とお金の話
・安心感の話
・反省していない被告人の話
・2ヶ月単位の話
・マスコミに取材される話
・通貨偽造の話
・被告人から年賀状をもらった話
・無罪主張の話
・裏を取らなかった話
・力のある弁護士の話

マスコミに取材される話

放火だとか、殺人未遂といった、 ある程度重大な事件の弁護をすると、 マスコミ取材されることがあります。 「被告人は、なんて言ってるんですか」 などと聞かれるわけですね。 しかし、被告人から得た情報を、本人の許諾なく、 マスコミに話すのは、どうもまずい気がして、 私は一度も回答したことがありません。 よくテレビなどで、重大事件の弁護人が、 被告人の言ったことについて、 詳しく話しているのを見ることがあります。 私なんか、あれはまずいんじゃないかと思うんですが、 特に弁護士会などでも問題になっていないようです。 それとも、本人の承諾を得て、 取材に応じているのでしょうか?

裁判員制度の話

裁判員制度に、色々と問題があることは、多くの弁護士が指摘しています。その多くについて、もっともな指摘だと思います。延期または廃止した方が良いというのも、十分にありえる見解だと思います。しかし、裁判員ということで、一般の人の考えが司法の場に入ってくることは、それはそれでメリットがあると思うんですね。特に、裁判の量刑のところで、世間の常識を裁判に入れるのは意味があるのではと感じています。昨日、子どもを置き去りにして殺した母親に懲役6年の判決が出たというニュースを見ました。これなんか、私の感覚だと軽すぎて信じられないという気はします。親は子どもを自由に「処分」してよいという、浦和充子事件以来の悪しき法曹界の慣習が残っているのではと思わざるを得ません。一方、私が経験した事件で、1万円札をカラーコピー機でコピーして、買物しようとしたが見破られて未遂に終わった、なんていうのがありましたが、これは前科など全く無い人でしたがいきなり実刑でした。国家を転覆させるような「通貨偽造」ではなく、コピー機でちょっと作りましたというのを、いきなり実刑というのは、世間の感覚としてどうなのかと思います。何にしましても、現在の量刑は、単に法曹界の内部で決められているだけで、一般人の常識が反映されていないことは、間違いのない事実だと考えています。それを是正する一助として、裁判員制度にも良い点はあるのではないかと思うんですね。
多くの弁護士が裁判員制度に反対する理由は、自分達が市民のためと主張してきたことが、現実には市民に受け入れられていなかったのだという事実を、明白に突きつけられるのが怖いからだと、私は考えています。多くの弁護士が、それを認めずに反対運動をするものですから、裁判員反対の論調は、常識はずれなものになっているんじゃないかと感じています。

通貨偽造の話

通貨偽造事件の弁護をしたことがあります。通貨偽造というと、大犯罪のようですが、実際に被告人がしたのは、コピー機でお札を両面コピーしたというものです。全部で1万円札10枚程度だったはずです。本人は、他人の保険証をコピーのうえ偽造しようかとも考えたそうですが、手っ取り早くお札をコピーしたようです。本人には、それほどの大犯罪を犯したとの意識は無いようですが、通貨偽造というのは、大変重い罪です。何十万円騙しとっても、前科が無い場合は執行猶予がつく可能性が高いのですが、お札をコピーした場合には、まず間違いなく実刑判決が出ます。昔は、通貨偽造といえば、国家権力に対する組織的な大犯罪でしたから、重い刑で当然でしょうが、お札をコピーしただけの通貨偽造がほぼ必ず実刑というのは、 普通の市民の感覚から見て、重すぎるのではないかと思うんですが、どんなものでしょう。

弁護士にメールで相談

ご質問がある方は、ご遠慮なくメールで質問して下さい。 サイトに掲載するという条件の下、メール相談(無料)を受付けます。
メール相談はこちらのフォームに必要事項を記載し、送信してください。
メール相談への感謝の声をいただきました(いただいた感謝の声はこちら

お気軽にお問合せ、ご相談ください。0120-0572-05

なお、上記フリーダイヤルは受付専用となっております。 お名前とお電話番号をお伺いして、後ほど弁護士から折り返させていただきます。 そのため、折り返しのための情報を頂けない場合には対応できませんので、ご了承ください。

なぜ弁護士選びが重要なのか、なぜ横浜パートナーは刑事事件に強いのか