前科を付けたくない

逮捕されたり、逮捕まではされなくても警察から捜査対象としての連絡が来てしまった場合に、前科を付けないようにするためには、起訴されないようにすることが大切です。

現在の日本の刑事事件では、一旦起訴されれば、99.9％の確率で有罪となってしまいます。

前科がついてしまうと、海外に出張となった際に、就労ビザが取得出来ない場合があるといった支障が生じることがあります。また、一定の資格の取得や就職に制限が生じることもあります。

前科を付けないようにするためには、起訴されないように、被害回復を行ったり、捜査機関に反省を示す必要があります。例えば、被害者がいる事件の場合、弁護士を通じて被害者に謝罪し、謝罪金を受け取ってもらうなど、いわゆる示談に応じてもらえるよう働きかけます。

また、再犯防止のための具体的な対策（依存症専門クリニックへの通院、引っ越し、家族の協力など）を行う必要もあります。これらの活動を、弁護士のサポートの上出来るだけ早いタイミングで行い、起訴前のタイミングで弁護士から検察官に伝えた上で起訴しないよう働きかけることが重要です。

その一方で、事件の犯人ではないのに捕まってしまい、その上逮捕後に勾留され、最大２３日間も留置場で身柄が拘束されてしまうことがあります。

自分が犯人であることを否定する否認事件の取調べは過酷なものになりやすく、早く留置所から出たいという気持ちから、事実とは異なる供述をしてしまう方がいらっしゃいます。

しかし、一度認めた事実があると、後で「事実ではない供述をした」と言っても、信用してもらえず、起訴されてしまう可能性が高くなってしまいます。自分が犯人ではなく、そのことを徹底的に争う場合には、絶対に認めてはいけません。

不当な取調べを受けるリスクを回避するためにも、弁護士のサポートを受けるべきでしょう。弁護士は、事件の犯人ではない証拠を集めたり、面会（接見）に行き、今後の見通しや、ご家族の状況を伝えたり、外部とのパイプ役となり、精神面のサポートも行います。

「犯人ではない」ということをしっかり述べ続けた結果、他に被疑者が犯罪を行った客観的な証拠がないとして、嫌疑不十分で不起訴や処分保留で釈放されることもあります。

自分の罪を認める場合でも否定する場合であっても、いずれにしても、前科を付けないようにするためには、早期に弁護士に相談してください。