基礎知識

刑事事件の手続に関する質問6

質問1

私は9年前に詐偽で懲役1年半の判決で刑務所に服役した過去があります。

今回、詐偽で一万2000円と義理の実家に合鍵を使って住居侵入罪、窃盗で起訴され本日、結審し求刑2年6ヵ月と言われました。

執行猶予の可能性は有りますでしょうか。被害弁償は済みです。証言人兼、身元保証人として内縁の夫が出てくれました。

回答

実刑といっても9年前ですし、一応被害弁償も済んでいますので、可能性としてはあると思います。

国選弁護人が選任されていると思いますので、正確な見通しについては、国選弁護人とよく相談してください。

 

質問2

ホームページを拝見致しました。私は主人からお金をぬすまれたり、騙され続けてきた酷い結婚生活を訴えたいと考えております。刑事事件として、訴える側の立場でもご相談にのって頂けるのでしょうか?

回答

弊所では、被害者側の相談も行いますが、相談の事情で訴えられるかは事情によります。

 

質問3

交通違反の件でお聞きしたいことがあります。

私は前歴3   去年人身事故を起こしてしまいました。罰金も払い終わりました。その時前歴2がついています。そしてその数ヶ月後に右折禁止で3点とられ、前歴3で90日免停を起こしてしまいました。累計が14点です。またその一ヶ月後に一般道スピード違反で45k超過で6点取られてしまい。  累計20点になります。このスピード違反はまだ簡易裁判所からの赤キップだけもらい、違反の時に警察に免許を渡しております。 簡易裁判所は来月罰金を収める形になっております。この累計と違反で免許取り消しの覚悟はしておりますが、かすかな望みで減免は厳しいのでしょうか?

回答

かなり前科前歴が多い状況ですから、減免等は難しいでしょう。

 

質問4

H26に彼氏の元嫁の家から覚醒剤の道具等発見されそれを彼氏の所持とされ12月に逮捕、起訴されH27.に1年6月(猶予三年)言われ、納得いかず控訴しています。発見されル前から彼氏は実家に戻っていました。そしてやけになり使用でH27に逮捕、起訴されました。H28に元嫁の家に住居侵入、窃盗したとして再逮捕されてます。このような場合刑はどうなるのでしょうか。

回答

相談いただいた概要だけで、刑の見込みをお話しするのは難しいです。

 

質問5

先日、駐車禁止エリアで、車から5分くらいその場を離れた間に駐車禁止をとられてしまいました。車に戻ったとき、緑色の服を着た取り締まり員が作業を終えたところでした。

取り締まりを受けた車両は公用車(私は地方公務員です) です。会社に知られたくないと思い翌日に出頭しようと思いましたが、2点が加算されると聞き、その2点が加算されると6点の累積となり免許停止となりまずいと思いました。

そこで安易な気持ちで翌日妻に警察へ行ってもらってしまいました。

警察で妻は職場や誰の車か等を聞かれ職業は主婦、車は友人の車と答えたそうです。

妻は違反点数2点が加算されましたが、後でネットで色々調べたら刑罰が適応されると分かり恐ろしくなりました。

前置きが長くなりましたが、公用車を主婦が運転している事の矛盾から肩替わりがばれて逮捕されることがありますか?また会社に確認の電話等が入ることはありますか?

違反金は月曜日に納付予定です。

回答

逮捕される可能性は十分あります。公用車とのことで、車の持ち主は違っており、その点は調べれば分かります。

会社の車なら職場に連絡行く可能性ありますが、それは、事が発覚すれば、逮捕の有無にかかわらずあるでしょう。

 

質問6

主人が公務執行妨害で逮捕され、10日間の勾留が決定しました。

主人は警察官が先に胸倉をつかんだので、つかみ返したと供述をしているようです。(警察官は軽傷です。)主人はお酒を飲んでいました。

私はどちらから先にという問題ではなく、警察官の胸倉をつかみ怪我させているのは事実ですから、反省の気持ちを述べてほしいと思ってます。

このまま犯行を否認し続けると勾留期間はのびるのでしょうか?

回答

一般論として、相手や関係者と供述が食い違っていると、やはり身柄拘束の期間は長くなるでしょう。

公務執行妨害は国選弁護人がつきませんので、早期の釈放を求めるのであれば、一度、お近くの弁護士にご相談いただいた方がよいと思います。

 

質問7

先日友達が知り合いの貿易商から 手数料を(換金で得た現金の500分の1)渡すので 10㎏の金(地金)を指定の金換金所(国が認めている正規の換金所)で換金してもらえないか、と言う依頼がありました、このことに関して法律的に 何か罪になる様な事ってあるのでしょうか?

罪になるとしたら、どのような罪になるのでしょうか?

また国税局から何か問題のようなことが発生するのでしょうか?

回答

所得の秘匿のために換金する目的で、それを知っているなら、法人税法違反になります。

また、金の入手経路が窃盗や詐欺に関わって、それを知っているなら、盗品等有償処分あっせん罪になる可能性もあります。

なお、税金のことについては、お近くの税務署にお問い合わせください。

 

質問8

8月に、車を出す時に人にあてて逃げた友達をかくまってしまいました。(本人は覚えがないと言っています。)

何度かお金を貸していたのですが、お金を振り込んだことがあり、11月に警察の方が私の家に訪ねてこられました。

そのあと、参考人として調書を取りに警察に行き、警察の方から大した怪我ではないけど2人にあてて逃げていることをきき、今度連絡があったら警察に行くように言う事と、連絡があった事を警察に言うように言われました。

その後、連絡があったので、警察に行くように言ったり、一緒に出頭しかけたりはしたのですが、結局、出頭まではいきませんでした。

その間に、私のお金を盗んで姿を消してしまいました。

その事を、警察に被害届けを出す時に、実は参考人で呼ばれたあと連絡があり、何度か会い一度家に泊まった事を自分から話しました。

その後、被疑者として警察に呼ばれて、調書を取りました。犯人蔵匿です。

友達が捕まってから刑が決まると言われたのですが、どういう流れなのでしょうか?

いきなり裁判所などからの手紙で呼び出されるのですか?

それから、私はだいたいどのくらいの刑になるのでしょうか?

前科、前歴はありません。

あと、もしまだ逃げている友達(どこにいるかわかりません)が、何か他に罪を犯した場合、私の罪はどうなるのでしょうか?

回答

一般的な流れとしては、警察で取り調べを受けた後に、検察という機関で起訴するか不起訴にするか判断され、その後、裁判所で処罰結果が決まるという手続きになります。

犯人蔵匿罪の法律上の刑罰は「2年以下の懲役又は20万円以下の罰金」ということになっていますが、具体的にどの程度の刑罰が課されるかは、事案の詳細な状況、情状等によって変わってくる部分がございます。

逃げた友達の行為が悪質なものになれば、情状において、不利になるということもあるかもしれません。

いずれにせよ、具体的な状況を加味して、アドバイスを受けたほうがよいケースと思いますので、弊所か、お近くの弁護士へとご相談ください。

 

質問9

昨日、犯人蔵匿で質問したものです。

犯人蔵匿でも起訴されない事もあるのでしょうか。

回答

起訴、不起訴というのは、事件類型だけでなく、証拠関係など具体的な状況によっても左右されます。

ご不安だと思いますので、お近くの先生にご相談にいってください。

弊所では遠方対応もしておりますので、お近くの先生で刑事専門という方が見つからず不安な場合は、再度、弊所にご連絡ください。

 

質問10

H25年に運転免許証を更新したのですが、うつ病治療中でH21年に立ちくらみから意識を失う事が2度ほどあり、正直に書くと免許剥奪になるかと思い、虚偽の記載、報告をしてしまいました。車はH24年に売却し所持してませんし、運転もしていません。かかりつけの精神科医は運転していない事を知っているので何も言いません。障害年金生活のなか、30万円を貯めて罰金を支払うためにがんばってますが、あと2年弱かかります。今の手持ちは20万円ほどで、月1万貯金してますが、健康保険税や、部屋の更新で出費があるし、貸してくれる家族友人知人もいません。うつは長引きそうなので、しばらく運転はしませんが、治れば仕事をするために購入し運転するつもりなので運転免許証は持っていたいです。クレジットカードで借金してでもすぐ罰金を払うべきか、30万貯めてから一括で払うべきかどうすればよいのでしょうか。かかりつけ医に相談すると検察に報告されてしまいそうで相談していません。

回答

周囲の方とご相談のうえ、罰金の支払い方法を考えてください。

 

質問11

夫が逮捕、留置されています。少しでも早く釈放されるため、告訴を取り下げてもらうためにはどうすればよいでしょうか。よろしくお願い致します。

昨日朝9時頃、夫が駅で窓口のパネルを拳で叩いてヒビを入れてしまいました。駅長が告訴するとのことです。警察のお話では、スイカの時期不良で改札通れず、再発行を依頼したら一日かかると説明受けたところ、今日使えない事に腹を立て叩いたそうです。

事件当日より一週間ほど前から私が遠方の実家に子供達と帰省していたため、当日は夫が実家まで迎えに来て一緒に自宅へ帰る予定でした。事件の詳細を知ったのが午後7時頃で、警察からもし明日釈放された場合のため昼頃までには自宅へ戻って来ておいてくださいと言われたのですが、不安でその後子供達と自宅へ向かいました。午前1時頃でしたが、帰宅する前に現場の駅へ行きお詫びをしましたが、駅長不在でした。担当の警察署(担当者不在)へも行き、今後どうしたらよいか聞きましたが、今は待つしかないです。48時間は警察の持ち時間のため(公開捜査?しないためとか)駅へのお詫びは明日以後にしてください。とのことでした。

今日、書類送検されますが拘留されてしまうのでしょうか。拘留されてしまうと夫の会社への出欠連絡はメールのため私にはできず無断欠勤で解雇されてしまうのではないかと不安で仕方ありません。

夫は、私の知る限りでは前科無いはずです。

回答

結論を申し上げますと、弁護士に依頼して、最善の活動をしてもらうべきです。

釈放については、検察官や裁判官に、勾留請求や勾留をしないように、意見書を出したり、交渉をすることになります。

告訴関連については、駅長と弁償の上、示談交渉するこたになります。

このように、弁護士に依頼すべきようお近くの弁護士に相談すべきです。なお、弊所では、休日でも、相談対応しておりますし、早期の身柄解放は幾つもしております。もし、お力添えが必要であれば、その旨ご連絡くださいませ。

 

質問12

私は被害者ですが事件を一度取り下げたものをもう一度訴えることが出来ますか?相手はもう別の件で逮捕されています。

回答

親告罪(強制わいせつなどのように、被害者が告訴をして初めて処罰される犯罪)の場合は、告訴を取り下げてしますと、もう一度告訴することはできません。

しかし、例えば傷害罪のように親告罪でない犯罪の場合は、被害届など取り下げても、また処罰を求めることは可能です。別件で逮捕されているなら、刑罰の内容を心配しているはずです。いまなら、「許す」という代わりに、現金で相当の賠償金を得ることができるかもしれません。

 

質問13

無免許運転で運転してた人の車にたまたま乗ってただけなのに、パトカーに、職質された、運転してた人のが、前科があったのたで私まで警察署まで連れて行かれ、4時間以上拘束され出さないと逮捕状請求して強制採尿すると脅された場合どうなりますか?

回答

違法捜査の可能性はあります。

具体的事件として、近くの弁護士に相談してください。

 

質問14

先日 アダルト動画をメーカーに無断でFC2に動画をアップロードしたしとして

刑事たちにダサ入れを受け 所持していたアダルトDVDディスクすべて パソコン キャッシュカード 銀行の通帳などを押収されました。

今のところ身柄拘束はされていません 現在自宅におります。(このメールは、兄のパソコンからの送信です。)

この場合 今後どういう展開になるのでしょうか?

やはり逮捕~拘留~裁判~判決という流れになるのでしょうか?

回答

逮捕される可能性は少ないはずです。

会社側に謝罪し、損害賠償など支払えば、不起訴の可能性も残っています。

 

質問15

警察への出頭命令通知が自宅へ届きました。

本日、警察へ連絡をしようと思いますが、どのような対応をとればよいのかと、困惑しております。

こちらからは、0120へ電話連絡できませんので、お電話いただけますと、幸いです。

回答

どのような対応と言っても、嘘をつかず、覚えていること、知っていることを話すとしかいうことはありません。

なお、電話番号の記載がないので、電話はいたしかねます。

 

質問16

あるインターネットのアカウントを作ったのですが、削除出来ずに困っています。

アカウント名を打倒⚪︎⚪︎塾とかいて、投稿内容としては、この塾に不満がある方はこちらで発散しましょう!講師でも生徒でも歓迎ですと書いてしまいました。

この投稿が罪になるのではないかと思い自首を考えています。

自首した方が良いのでしょうか?

回答

民事上の損害賠償は生じるかもしれません。しかし、刑事事件になることはまず考えがたいと思います。

従って、特に自首する必要までは感じません。

 

質問17

前科は中学生の時にバイクパクリで家裁で保護観察がついたことと、原付2ケツを車で引いた事故で家裁にいっています。 今年19です。今回恐喝未遂で捕まったのですか、示談は成立し、お金も払っています。 この後審判があるのですが、釈放になるのでしょうか?

回答

前歴が複数あるので、少年院送致かどうか微妙なケースだと思います。

もっとも、示談までできているのであれば、釈放され保護観察に留まるケースもあり得ると思います。【山村暢彦】

 

質問18

男子高校生です。Twitterに自分の自慰行為を撮影したものをアップロードしてしまい、他県の警察の方が家宅捜索で自宅に来ました。その際に、スマートフォンを押収され、調書を書く為に自宅に近い警察署に行きました。

その2週間後に、TwitterのDMでのやり取りについて、追加で調書を書く為に他県の警察署まで行きました。

そこで、取り調べは終わり、学校へ連絡はしないと言ってくださいました。その際、家庭裁判所からは連絡がある場合とない場合があると説明されました。

それから2週間が経過しますが、家庭裁判所からの通知等はありません。 ・家庭裁判所で審判不開始、もしくは不処分とされた場合、どのようにして連絡、処分がされるのでしょうか。 ・家庭裁判所から学校(私立高校)への連絡はあるのでしょうか。

回答

審判の場合には自宅に呼び出し連絡が来るのが普通です。

ただ、不開始だと連絡がこないケースもあるように思います。裁判所、警察にご確認ください。

審判を行う際には成績の取り寄せ等があるので、小中高と連絡が入ります。【山村暢彦】

 

質問19

もし未成年が児童ポルノの容疑で審判不処分や保護観察の処分になった場合、罰金などはあるのでしょうか?こちらからはお金は一切はらわないで良いのでしょうか?

回答

少年審判が済んだのであれば、そのあと刑事処分はありません。【石﨑冬貴】

 

質問20

運転中の携帯通話で青切符を切られました。赤信号での停止中でも違反だということで、青切符にサインして反則金の納付書を受け取りました。

しかし、ネットで調べると停止中は問題ないのではないかとのことで、後で警察署に行き、否認の意志表示をしてきました。 ただ、その場では興奮していて警察署に乗り込んで否認をしましたが、冷静になると確かに停止前に電話を取っていた気がしています。パトカーのドライブレコーダーにも映っている可能性があるため、はやり大人しく反則金を払うつもりでいます。 警察署で否認をしましたが、まだ期限内の納付書で反則金を納めれば終わるのでしょうか? 一度でも否認の意志を示したらもう反則金の支払いは出来ずに、裁判になってしまうのでしょうか?

回答

警察署に行って否認したからといって何か事態が変わるというわけではないと思います。

もっとも、改めて警察に行って、反則金を納めるという意思は伝えた方が無難かと思います。【佐山洸二郎】

 

質問21

8年前に郵便局勤務の旦那と離婚し、こども3人の養育費を毎月6万円、夏冬ボーナス時に各18万を20なしで20年支払ってもらう公正証書を作成しました。そのかわり、慰謝料をなくしました。そして 現在まで支払ってもらっていましたが、三年前にお互い再婚をし、元旦那はうつ病の嫁さんをもらったことで 本人もうつ病となり、仕事を辞めたと連絡がありました。本当かどうかは分かりません。私は新しい旦那との間に四人目を授かりました。現在の旦那は自営業で土木の仕事をしています。旦那だけの給料では赤字もありきびしいので私は年収200万ほどの販売の仕事をしています。この場合 公正証書通りの養育費を改定することになるのでしょうか?また、どのような改定となるのかを教えてもらいたいです。

回答

金額等の条件を変更されるのであれば、相手の方と話し合い、再度公正証書を作成するか、調停などの法的手続きによることが考えられます。 新しいご主人とお子さんたちとの間に養子縁組をしていれば、元のご主人に対しては養育費は請求できなくなります。【下田和宏】

 

質問22

海外ダイエットサプリの個人輸入代行についてです。

私は海外ダイエットサプリを複数の個人輸入代行業者様から注文し、購入しました。 しかし、そのサプリを検索すると成分が危険だということを知り、法に抵触してしまうのではないかと不安です。

税関は通過して、何の問題もなく手元に届いたのですが、通過してしまうと罪になるというケースも見つけました。

私は逮捕されてしまうのでしょうか。

回答

輸入が禁止されているものでしたら、場合によっては税関や警察から話を聞きたいと言われる可能性はあります。

【下田和宏】

 

質問23

子供がタバコで警察に補導されました。警察官に「このタバコはどうしたの?」と聞かれたところ、「親に買ってもらった。」と子供が嘘をつきました。その事から自分も警察に呼ばれ話を聞かれたのですが、子供の話に合わせるように嘘をついてしまいました。今度、生活安全課に呼ばれて行きます。

嘘をついたことをとても心苦しく思ってるんですが、改めて本当の事を話すとどうなるでしょうか?

何か罪に問われるのでしょうか?

回答

あなた自身、未成年者喫煙禁止法で科料という罰則を受けます。

ただ、それよりも、お子さんの監督能力がないということで、お子さんに厳しい処分がなされる可能性が高まるほうが悪影響かと思います。

早めに正直に話をしてもらって、弁護士に依頼してお子さんの監督計画を考えるべきでしょう。【杉浦智彦】

 

質問24

コンビニを経営しております。未成年者への酒・タバコの販売が発生しました。購入者が12歳の低年齢であったことと急性アルコール中毒で重症という点から、よくあるケースとは異なり「重大な事件」として捜査を進めると警察から告げられました。既に販売した従業員に対して聴取が始まっておりますが、「送検します」と最初に言われたそうです。行政処分としても最も重いものが想定されます。つまり酒免許取り消しです。販売管理者としての責任を免れるつもりはありません。刑は素直に受けたいと考えます。ただし、免許取り消しだけはどうしも避けたいということが今回相談申し上げたい第一です。店を失い、家族も巻き込みます。
従業員はショックと疲労で当日の記憶がなくなりつつあります。警察に言われるままの調書にならないか心配です。
事態が悪い方向に進むと本部(セブンイレブン)は一定のところで店を見捨てます。

回答

残念ながら、当該未成年者に酒・タバコを販売したという事実自体を否定できない限りは、処分を軽くするのは難しく、弁護士が入ったとしても、出来ることは限られるかと思います。
警察に対しては、わからないことや覚えていないことはその通りはっきり伝えるようにとアドバイスしていただければと思います。【佐山洸二郎】

 

質問25

背景
逮捕後・罰金刑で罰金納付後、
5年以上経過し、その間、逮捕もされていない場合、刑の消滅がされるとおもいます。

質問
刑の消滅後、犯罪経歴書には前科・前歴は記載されますか?

回答

捜査機関や専門機関にある犯罪人名簿等からは、五年経ったとしても消されることはありません。【佐山洸二郎】

 

質問26

和解について。示談には応じず、告訴は取り下げない、でも20万払えば和解します。と言われて、払うか迷っています。この、示談ではないけど和解というので、少しでも不起訴になる可能性はあがりますか?
名誉毀損で、警察に検挙されています。この和解については、相手が、弁護士無料相談を利用して、その事務所からの手紙なので、相手の連絡先はこちらはわかりません。
振り込み確認次第、領収書を送ります、何日までに確認できなければ民事訴訟をおこします。とのことでした。
相手からの手紙はとってるし、こちらから、今後一切金銭の要求をしない、家族にもかかわらない、と提示した手紙のコピーもあります。振り込んだ後に通帳記帳をすれば支払った証明も残りますが、和解の内容、お互いの自書、押印のある書面はありません。
もし万が一、支払ったあとにさらに金銭の要求があった場合に、和解してるとみなされないのでは?と不安です。
こちらから和解書を作成して送りたいのですが、連絡先がわからず、期限もあるため、このまま振り込みして大丈夫なのか困っています。弁護士を頼むのが一番なのはわかっていますが、金銭的余裕がありません。

回答

まさに、このような状況に対応するには、相談者様の側でも弁護士を入れるのが間違いないです。
可能であれば、1万円の相談料がかかっても、合意書をもって近くの法律相談で、その相手弁護士からの文面を見せて相談するのが良いです。

ただ、それも難しいなら、不起訴の可能性が高まることもありますし、示談に応じる他ないかと思います。【山村暢彦】

 

 

医師など資格保有者の方、公務員の方へ

『前科があるとどうなるの? 職業毎に前科の影響は違うの?』

 

1.前科があるとはどういうこと?

刑事事件で「有罪判決により刑を言い渡されたことがある」ということです。逮捕や勾留されただけでは前科は付きません。あくまでも、裁判所での判決があって初めて前科が付くことになります。

刑の種類には、死刑、懲役、禁錮、拘留、罰金、科料、没収があり、これを受けた場合、前科があるということになります。 ※執行猶予付きの判決も含まれます。

また、略式起訴で罰金刑を受けた場合(例えば、スピード違反などで罰金刑になった、など)も、前科ありとなります。

 

2.前科が付くと、他人に知られてしまうの?

前科が付いても、戸籍などに載ることはありません。また、現在は個人情報の取り扱いが厳しく規制されているので、前科が付いていることが簡単に他人に知られることはありません。

ただ、就職や資格取得の場合に、例えば前科がないことの証明書を要求されることが有ります。拒否することが出来たとしても、それ自体事実上、前科があると認めているようなものです。

また、いまはネット社会ですから、ネットに残っていた前科についての情報が、いつ人の目に触れるかもしれないということもあります。

 

3.一度前科が付くと、一生付いて回るの?

前科が付いたという事実自体は消えません。その意味では、前科の事実は一生付いて回るということになります。

ただ、前科に伴う法的効果ということですと、一定の期間が経てば消えることになります。

たとえば、犯罪人名簿への記載とか、前科に伴う一定の権利制限(選挙権の制限等)などは、一定期間の経過でなくなります。

 

4.前科が付くと、海外には行けないの?

懲役刑になると、パスポートの取得が出来なくなるなどの制限はあります。一方、パスポートがあるなら、日本国としては海外に行くことを認めていると考えられます。問題は、渡航先の国が、日本での前科をどのように考えるかです。

渡航ビザを必要とする場合には、犯罪を犯していない証明を求められることが有ります。この場合は、前科があるとビザを取るのは困難となり、従って海外に行くのは難しいでしょう。

短期の海外渡航の場合は、それほど厳しいことはありません。特に前科があることなどかくして海外に行っている人が相当数いることも事実です。ただ、一定の犯罪の場合は、他国に個人情報が開示されるますので、その場合は入国が許されないこともあります。

 

5.前科がついてしまったら、仕事はどうなるの?

国家資格には、前科を理由として、その資格を喪失するといった欠格事由が定められている場合があります。

また、一定種類の刑罰を受けた場合や、懲役以上の刑を受けた場合には、資格が喪失するなどの場合もあります。

そのため、職業によっては仕事を続けられなくなる場合もあります。

詳しくは以下参照

 

6.これから就職する場合はどうなるの?

職業によっては、刑事事件の状況により、資格受験時期、登録時期をずらすといった対応が必要になるケースがあります。

詳しくは以下参照

 

また、履歴書の賞罰欄の「罰」とは、「確定した有罪判決」と判断された裁判例があり、基本的には前科を記載しないといけません。

もし後々発覚した場合、勤務先から解雇されるなどケースもありえます。

職業別の影響例 ※順次掲載予定

医師

対象刑罰等:罰金以上

 制限内容:1.免許を与えないことがある(医師法4条3号)
      2.免許を取消すことがある(同法7条2項3号)
      3.医業の停止(3年以内)をすることがある(同項2号)

 

歯科医師

対象刑罰等:

 制限内容:

 

獣医師

対象刑罰等:

 制限内容:

 

 

保健師、助産師、看護師(準看護師)

対象刑罰等:1.罰金以上
      2.保健師、助産師、看護師又は准看護師の業務に関し犯罪又は不正の行為があつた者

 制限内容:1.免許を与えないことがある(保険師助産師看護師法9条)
      2.免許の取消し又は3年以内の業務の停止の処分をすることができる(同法14条1項、2項)

 

薬剤師

対象刑罰等:1.罰金以上
      2.薬事に関し犯罪又は不正の行為があつた者

 制限内容:1.免許を与えないことがある(薬剤師法5条)
      2.免許を取り消し,又は3年以内の業務の停止の処分をすることができる(同法8条2項)

 

学校の校長・教員

対象刑罰等:

 制限内容:

 

一般職の国家公務員(※人事院規則による例外あり)

対象刑罰等:1. 禁固刑以上
      2. 人事院の人事官又は事務総長の職にあつて、第百九条から第百十二条までに規定する罪を犯し刑に

        処せられた者

 制限内容:1. 官職に就く能力を有しない(国家公務員法38条)
      2. 失職(国家公務員法76条)

 

地方公務員(※都道府県条例により例外あり)

対象刑罰等:1. 禁固刑以上
      2. 人事委員会又は公平委員会の委員の職にあつて、地方公務員法に規定する罪を犯し刑に処せられた者

 制限内容:1. 職員となり、又は競争試験若しくは選考を受けることができない。(地方公務員法16条)
      2. 失職(地方公務員法28条4項)

 

取締役

対象刑罰等:

 制限内容:

 

公認会計士

対象刑罰等:

 制限内容:

 

税理士

対象刑罰等:1.国税若しくは地方税に関する法令又はこの法律の規定により禁錮以上の刑に処せられた者で、

        その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しないもの
      2.国税若しくは地方税に関する法令若しくはこの法律の規定により罰金の刑に処せられた者又は

        国税通則法、関税法(昭和二十九年法律第六十一号)(とん税法(昭和三十二年法律第三十七号)

        及び特別とん税法(昭和三十二年法律第三十八号)において準用する場合を含む。)若しくは

        地方税法の規定により通告処分を受けた者で、それぞれその刑の執行を終わり、若しくは執行を

        受けることがなくなつた日又はその通告の旨を履行した日から三年を経過しないもの
      3.国税又は地方税に関する法令及びこの法律以外の法令の規定により禁錮以上の刑に処せられた者で、

        その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から三年を経過しないもの

 制限内容:欠格事由(税理士法第4条4号、5号、6号)
      登録の取り消し(第26条4号)

 

司法書士

対象刑罰等:禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつてから三年を経過しない者

 制限内容:欠格事由(司法書士法第5条1号)
      登録の取り消し(第15条1項4号)

 

一級建築士

対象刑罰等:1.禁固以上
      2.建築士法違反
      3.建築物の建築に関する罪

 制限内容:・刑から5年以内の場合
       免許を与えない(建築士法7条3項又は4項)

      ・それ以外の場合
       免許を与えないことがある(同法8条1項又は2項)
       ※なお、同法9条(取消事由)も参照

 

      
      

 

 

遠方からご相談をご希望の方へ

関東圏以外からのご依頼を希望の方へ

「近くで刑事事件を専門にしている先生が見つからなくて・・・」
「同じ案件をたくさん扱っているので先生にお願いしたい。」
「遠くても信頼できる先生にお願いしたい。」

このようにおっしゃっていただいて、南は九州から北は北海道まで、遠方からご相談にきてくださる依頼者の方もいらっしゃいます。

刑事事件で「困った。」ということも、人生で一度あるかないかという方がほとんどです。そういうとき、遠方であっても信頼できる人に頼みたいとおっしゃっていただくことも一度や二度ではございません。

私たちの事務所でも、いつでもどこでもというわけにはいきませんが、このようなご希望に対し、できる限り応えていきたいと考えております。

直接会うことが難しい分、メール、電話などを頻繁に行いできる限りのコミュニケーションをとるように心掛けております。示談など、現場に赴かなければいけない場合には、なんとか日程を調整し、現場に赴き事務所近くの事件と変わらぬ弁護活動を行っております。

雪の中、飛行機で現場に向かい接見に赴くということもございました。

遠方である以上、近くの事件の場合と異なり難しい面もございますが、私たちを信頼してご相談に来てくださる方の信頼に応えます。

「遠方だから、電話を掛けてもお時間とらせるだけじゃないかな・・・」という場合も、一度電話でご相談ください。できる限りお力になります。

一生に一度の問題です。心残りのない選択ができるように、我々もできる限りお応えいたします。

相談から解決までの流れ

関東圏以外の方が、私たちの事務所に依頼したいという場合には、以下のような流れになります。

1、来所しての相談

原則として、私たちの事務所に来所していただきご相談していただくということになっています。
一度お会いしてお話しすることが、信頼関係をきずくなど、事件解決に向けて協力するために重要であるからです。

また、対面でお話しすることが、重要な事実などについても、そのニュアンス等細かく聴取することができるので、綿密な弁護活動を行う上でも重要といえるからです。

仕事などで平日に相談できないという方もご安心ください。土日祝日でも私たちは、対応致しますし、優先的に日程を調整致します

(*)どうしても、来所相談の日程が調整できない場合

ご相談次第では、どうしても調整できない、それを待っていると事件が進行してしまい、充分な弁護活動ができないという場合には、まずは電話相談で詳しく事情を聴き、依頼を受けるという場合もございます。

来所が難しいという方でも、まずはご相談ください

2、関東圏以外の場合の弁護活動

① 日常の連絡

基本的な連絡は、メール、電話、郵送、FAXなどで行うので、これは関東圏の方と何ら変わりはありません。むしろお会いする機会が少ない分、メール、電話等のコミュニケーションは密にとっています

② 弁護士が現地に行く必要のある活動

示談交渉で被害者の方のいる場所、逮捕勾留されている方への接見(面会して話しを聞く)のために、実際に飛行機に乗って活動していることも1度や2度ではございません

このように、遠くても私たちの事務所で依頼したいという方の信頼に応えるために、遠隔地であっても、スケジュールを調整し、充分な弁護活動のため、現地へと駆けつけます。

関東圏以外の方の弁護士費用

関東圏以外の在宅案件は、下記の料金となります。

①身柄を拘束されていない事件(在宅事件)の原則(自首からの事件も含む)

着手金 50万円
報酬金 50万円
接見0円 着手金に含まれています/回数制限もありません
示談交渉費用0円 着手金に含まれています
※ただし、被害者にお支払する金額はご負担いただきます
身柄解放活動費用
(勾留阻止、保釈)
0円 着手金に含まれています
※ただし、保釈金は負担いただきます(裁判終了後返還されます)
日当0円 着手金に含まれています
交通費・宿泊費などの実費0円 着手金に含まれています
消費税0円 着手金に含まれています
裁判0円 着手金に含まれています
当事務所では、着手金・報酬金以外の弁護士費用はいただきません。

 

初犯の痴漢(迷惑防止条例違反)、盗撮、窃盗、暴行事件の場合

着手金 30万円
報酬金 60万円
接見0円 着手金に含まれています/回数制限もありません
示談交渉費用0円 着手金に含まれています
※ただし、被害者にお支払する金額はご負担いただきます
身柄解放活動費用
(勾留阻止、保釈)
0円 着手金に含まれています
※ただし、保釈金は負担いただきます(裁判終了後返還されます)
日当0円 着手金に含まれています
交通費・印刷費などの実費0円 着手金に含まれています
消費税0円 着手金に含まれています
裁判0円 着手金に含まれています
当事務所では、着手金・報酬金以外の弁護士費用はいただきません。

警察への自首同行(警察への報告書作成、警察対応含む。ただし、その後の弁護活動は含まない)の場合

一括30万円(着手金・報酬金含む)(なお、その後弁護活動まで依頼される場合は、着手金の50万円から、30万円を控除します。)

解決事例

①帰省先での盗撮が問題となった事案

お住まいは関東圏ですが、帰省先での盗撮が発覚し、帰省先の警察で取り調べされ、ご相談にいらっしゃったケースです。

盗撮案件の情報がHPに充実していた点、遠隔地ではございましたが、帰省先への示談交渉含めて対応できるということでご相談いただきました。

②単身赴任先での破廉恥罪

お住まいは関東圏ですが、単身赴任先が北陸地方で、単身赴任先で、お酒に酔って露出してしまったという破廉恥罪のケースです。

盗撮カメラなどに映像が残っているだろうから、今後、勤務先にばれないように自首含めて検討したいとご相談にいらっしゃいました。

単身赴任先でも相談にいったが、破廉恥罪などの刑事事件に不慣れな様子で、刑事事件の経験が豊富でしっかりと安心して任せられる方に相談したいということで、北陸から相談にいらっしゃいました。

③近畿地方で盗撮が問題となったケース

女性更衣室を建物の外から盗撮し、見つかって逃げたというケースです。
現場を抑えられたわけではないですが、被害届がだされ、問題が大きくなるのが不安で、自首を含めて検討したい。

お住まいの地域では、自首について積極的に取り扱っている事務所が見当たらず、近畿地方から事務所に相談にいらっしゃいました。

④北陸地方の身柄事件

北陸地方で身柄拘留され、その解放及び今後の弁護活動をお願いしたいというケースでした。

遠隔地ではございましたが、スケジュールを調整し、早期に北陸へと接見に赴き、準抗告という身柄解放の活動に入りました。

刑事事件、特に身柄拘留の解放活動を積極的に行っている事務所が見当たらず、弊所への依頼となりました。

遠隔地ではありますが、メール、電話で密なコミュニケーションをとり、北陸へも数度、中には雪の中飛行機で現場へと向かう精一杯の弁護活動の結果、無事に事件解決へと向かいました。

判例 - セクハラに対する出勤停止及び降格の懲戒処分の有効性-

判例 セクハラに対する出勤停止及び降格の懲戒処分の有効性

「最高裁判所平成27年2月26日判決 民集249号109頁」(海遊館事件)

第1 はじめに

 今回は、いわゆるセクハラに対して下された出勤停止という懲戒処分の有効性についての判断を示した裁判例をご紹介させていただきます。
 出勤停止や降格は一般的には「懲戒解雇」に次ぐ重い懲戒処分です。企業側がこのように重い懲戒処分を下すにあたって、当該従業員に対して警告や注意などの措置を講じなかった点をどう考えるかが主な争点となりました。
 結論として、最高裁判所は、出勤停止及び降格の懲戒処分は有効であると判断しています。
 懲戒処分の有効性については事件ごとに細かい事実関係の検討が必須ですが、本裁判例を一つの基準としてご参考にしていただけると幸いです。

 

第2 事案の概要

 管理職に就く従業員Xら(原告、控訴人、被上告人)が、Y社(被告、被控訴人、上告人)から、社内でのセクハラを理由に出勤停止(それぞれ30日と10日)及び降格の懲戒処分を受けた。
 Xらは、Y社に対して、当該懲戒処分は無効だとして、懲戒処分無効確認を請求する訴訟を提起した。
 なお、セクハラを受けた女性従業員Aは退社を余儀なくされている。
 Xらは、Aに対して、1年以上に渡り、下記のような発言を繰り返していた。
 ・「俺のん、でかくて太いらしいねん。やっぱり若い子はその方がいいんかなあ。」
 ・「夫婦間はもう何年もセックスレスやねん。でも俺の性欲は年々増すねん。なんでやろうな。」
 ・(館内の女性客を指して)「今日のお母さんよかったわ…。」「かがんで中見えたんでラッキー。」

  「好みの人がいたなあ。」
 ・「いくつになったん、もうそんな年になった。結婚もせんでこんなところで何してんの。親泣くで。」

 

第3 下級審の判断

 1 大阪地方裁判所の判断

   原告Xらの請求を棄却する。
   出勤停止及び降格の懲戒処分は有効である。

 

 2 大阪高等裁判所の判断

   控訴人Xらの請求を認容する。

   出勤停止及び降格の懲戒処分は無効である。

 

第4 最高裁判所の判断(確定判決)

 1 結論

   出勤停止及び降格の懲戒処分は有効である。

 

 2 判旨の要約抜粋

    ⑴ 同一部署内において勤務していたAらに対し、Xらが職場において1年余にわたり繰り返した発言等の内容

      は、いずれもAらに対して強い不快感や嫌悪感ないし屈辱感を与えるもので、職場における女性従業員に対す

      る言動として極めて不適切なものであって、その執務環境を著しく害するものであったというべきであり、当

      該従業員らの就業意欲の低下や能力発揮の阻害を将来するものである。

 

    ⑵ Y社では、職場におけるセクハラの防止を重要課題を位置づけ、セクハラ禁止文書を作成してこれを従業員ら

      に周知させるとともに、セクハラに関する研修への毎年の参加を全従業員に義務付けるなど、セクハラの防止

      のために種々の取り組みを行っていた。

 

    ⑶ Aは、Xらのこのような行為が一因となって退社を余儀なくされている。

 

    ⑷ 高等裁判所は、XらがAから明白な拒否の姿勢を示されておらず本件各行為のような言動も同人から許されて

      いると誤信していたなどとして、これをXらに有利に考慮している。しかし、職場におけるセクハラ行為につ

      いては、被害者が内心でこれに著しい不快感や嫌悪感等を抱きながらも、職場の人間関係の悪化等を懸念し

      て、加害者に対する抗議や抵抗ないし会社に対する被害の申告を差し控えたりちゅうちょしたりすることが少

      なくないと考えられるため、高等裁判所のいうような考慮はすべきでない。

 

    ⑸ 高等裁判所は、Xらが懲戒処分を受ける前にセクハラに対する懲戒に関するY社の具体的方針を認識する機会

      がなく、事前にY社から警告や注意等を受けていなかったなどとして、これらをXらに有利に考慮している。

      しかし、Y社では上記⑵のような取組を行っていたことからXらとしてはY社の取組や方針を当然に認識すべ

      きであったし、Xらの行為は第三者のいない場所で行われていたことからそれをY社が認識して警告などする

      機会がなかったため、高等裁判所のいうような考慮はすべきでない。

以上

 

(平成31年1月9日発行 文責:佐山洸二郎)

 

判例 - 求人票記載の労働条件が労働契約の内容と認められた事例

判例 求人票記載の労働条件が労働契約の内容と認められた事例

「京都地判平成29年3月30日労働判例1164号44頁」

第1 事案の概要

 Yは、障がい児童を対象とする児童デイサービスを営む会社である。

 Yは、「正社員、契約期間の定めなし、定年制なし」とする求人票をハローワークに提出し、当該求人票を閲覧したXは、Yの面接を受けた。面接の際、Xは、定年制の有無を質問したが、Y代表者は未定であると回答し、労働契約の期間の定めの有無や、労働契約の始期については、特にやり取りがなかった。この面接後、YはXに採用の通知をした。

 Xは平成26年3月1日に勤務を開始したが、Y代表者は、Xに対し、「1年間の有期雇用、65歳の定年制とする」旨の労働条件通知書を提示して説明した。

 Xは、すでに他を退職してYに就業した以上、これを拒否すると仕事が完全になくなり収入が絶たれると考え、特に内容に意を払わず、その裏面に署名押印した。その後、Xは、27年1月になって、有期労働契約であることや定年制とされていることを認識した。

 Yは、平成27年2月末日限りでXとYとの本件労働契約が終了したものとして取り扱った。

 Xは、Yに対し、雇用契約上の地位の確認と未払賃金の支払等を求めた。

 

第2 結論

 本件は、求人票記載の労働条件を内容とする労働契約が成立しているとしたうえで、採用後にXが署名した労働条件通知書記載の労働条件に変更可能かどうかを、Xの自由な意思に基づく同意があったかどうかを慎重に判断して、否定した事例である。

 

第3 裁判所の判断

(1)本判決は、「求人票は、求人者が労働条件を明示した上で求職者の雇用契約締結の申込みを誘引するもので、求職者は、当然に求人票記載の労働条件が雇用契約の内容となることを前提に雇用契約締結の申込みをするのであるから、求人票記載の労働条件は、当事者間においてこれと異なる別段の合意をするなどの特段の事情のない限り、雇用契約の内容となると解するのが相当である」とした。

 そして、本件での採用過程について事実認定をし、本件の労働契約は、求人票記載の「契約期間の定めなし、定年制なし」として成立したと認めた。

(2)Y代表者が平成26年3月1日にXに対して労働条件通知書を提示し、その裏面にXが署名押印したことを新契約の成立と主張したことについては、本件労働契約の変更を主張する趣旨を含むと解されるとしたうえで、「当該変更に対する労働者の同意の有無についての判断は慎重にされるべきであり、その同意の有無については、当該行為を受け入れる旨の労働者の行為の有無だけでなく、当該変更により労働者にもたらされる不利益の内容及び程度、労働者により当該行為がされるに至った経緯及びその態様、当該行為に先立つ労働者への情報提供又は説明の内容等に照らして、当該行為が労働者の自由な意思に基づいてされたものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するか否かという観点からも、判断されるべきものと解するのが相当である(山梨県民信用組合事件(最二小判平28.2.19労判1136号6頁)とした。

(3)そして、「期間の定め及び定年制のない労働契約を、1年の有期契約で、65歳を定年とする労働契約に変更することには、Xの不利益が重大であると認められる」と指摘し、本件の事情からは、「本件労働条件通知書にXが署名押印した行為は、その自由な意思に基づいてされたものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するとは認められないから、それによる労働条件の変更についてXの同意があったと認めることはできない」として、「XとYとの労働契約は、期間の定め及び定年制のないものであると認められ」、「本件労働契約は現在もなお継続している」とした。

 

(平成30年11月28日発行 文責:下田和宏)

 

判例 -日本郵便(期間雇用社員ら・雇止め)事件最高裁判決-

判決 日本郵便(期間雇用社員ら・雇止め)事件最高裁判決について

「最高裁判所平成30年9月14日判決」

 

第1 事案の概要

 本件は、日本郵便との間で期間の定めのある雇用契約を締結して就労し、その後雇止めされた者が、雇止めが解雇権濫用法理類推適用により無効であることと、当該雇止めが雇用継続に対する合理的期待を違法に侵害し、精神的損害を与えたとして不法行為損害賠償請求を求めた事案である。

 

第2 争点と結論

1 基本的な争点

 ① 旧公社の労働条件を引き継ぐといえるか(上限規定は不利益変更か)

 ② 期間雇用社員の期間更新に年齢による上限を設けることが適法となる要件

 ③ 本件の労働が雇止め時点において実質的に無期労働契約と同視し得る状態にあったか

 ④ 上限条項に基づく更新拒否は雇止めの問題か、別の契約終了事由か

 

2 結論

論点控訴審最高裁
×

本件上限条項の制定により,一定の年齢に達したことのみを理由に雇止めをされることはないという事実上の期待を失うにすぎず,被上告人が期間雇用社員について一定の年齢以降の契約更新を行わないこととすることには,必要性と合理性がある。

本件上限条項は,高年齢者等の雇用の安定等に関する法律に抵触せず,高齢再雇用社員との均衡も取れている。

さらに,各労働組合との間で本件上限条項と同内容の労働協約が締結されていること等を踏まえると,本件上限条項によって旧公社当時の労働条件を変更する合理性が認められる。

そして,本件規則を周知させる手続も実施されている。

本件上限条項は,期間雇用社員が屋外業務等に従事しており,高齢の期間雇用社員について契約更新を重ねた場合に事故等が懸念されること等を考慮して定められたものであるところ,高齢の期間雇用社員について,屋外業務等に対する適性が加齢により逓減し得ることを前提に,その雇用管理の方法を定めることが不合理であるということはできず,被上告人の事業規模等に照らしても,加齢による影響の有無や程度を労働者ごとに検討して有期労働契約の更新の可否を個別に判断するのではなく,一定の年齢に達した場合には契約を更新しない旨をあらかじめ就業規則に定めておくことには相応の合理性がある。

そして,高年齢者等の雇用の安定等に関する法律は,定年を定める場合には60歳を下回ることができないとした上で,65歳までの雇用を確保する措置を講ずべきことを事業主に義務付けているが(8条,9条1項),本件上限条項の内容は,同法に抵触するものではない。

本件規則が記載された冊子は,旧公社又は被上告人の各事業場の職員が自由に閲覧することができる状態で備え置かれていたというのであるから,本件規則については,本件上限条項を含め,その内容をその適用を受ける事業場の労働者に周知させる手続がとられていたということができる。

×
×

 

 〔関連条文〕

  労働契約法7条

  労働者及び使用者が労働契約を締結する場合において、使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者

  に周知させていた場合には、労働契約の内容は、その就業規則で定める労働条件によるものとする。ただし、労働契約

  において、労働者及び使用者が就業規則の内容と異なる労働条件を合意していた部分については、第十二条に該当する

  場合を除き、この限りでない。

  同法9条

  使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業

  規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合

  等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるときは、労働契約の内容である労

  働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによるものとする。ただし、労働契約において、労働者及び使用者が

  就業規則の変更によっては変更されない労働条件として合意していた部分については、第十二条に該当する場合を除

  き、この限りでない。

  同法19条(当時は未施行)

  有期労働契約であって次の各号のいずれかに該当するものの契約期間が満了する日までの間に労働者が当該有期労働契

  約の更新の申込みをした場合又は当該契約期間の満了後遅滞なく有期労働契約の締結の申込みをした場合であって、使

  用者が当該申込みを拒絶することが、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、使

  用者は、従前の有期労働契約の内容である労働条件と同一の労働条件で当該申込みを承諾したものとみなす。

  一 当該有期労働契約が過去に反復して更新されたことがあるものであって、その契約期間の満了時に当該有期労働契

    約を更新しないことにより当該有期労働契約を終了させることが、期間の定めのない労働契約を締結している労働

    者に解雇の意思表示をすることにより当該期間の定めのない労働契約を終了させることと社会通念上同視できると

    認められること。

  二 当該労働者において当該有期労働契約の契約期間の満了時に当該有期労働契約が更新されるものと期待することに

    ついて合理的な理由があるものであると認められること。

 

第3 ポイント

1 非常勤公務員が民営化により有期労働契約によって引き続き雇用された場合、更新に対する合理的期待は公務員関係の

  時期を通算して考えるのが妥当か

 過去の裁判例では肯定例が多かった(広島高岡山支判平成23年2月17日労判1026号94頁など)。その方向に裁判官も肯定的であった(佐々木宗啓ほか『類型別労働関係訴訟の実務』299頁〔遠藤東路〕)。

 しかしながら、本件では、雇い主の法的性格・従業員の法的地位の差、非常勤職員について郵政民営化法の対象外とされ退職させられていることから、引き継ぎはないとしている。

 なお、最高裁も、全く従前の労働条件に配慮していないわけではなく「期間雇用社員の労働条件を定めるに当たり,旧公社当時における労働条件に配慮すべきであったとしても,被上告人は,本件上限条項の適用開始を3年6か月猶予することにより,旧公社当時から引き続き郵便関連業務に従事する期間雇用社員に対して相応の配慮をしたものとみることができる。」という形で言及している。

 

2 合理性の判断方法

 これは、控訴審は、不利益変更の形(11条)で審理し、最高裁は単なる就業規則の周知(7条)で審理していることから差があるようにも思えるが、実質的な審理内容・基準に大きな差はないと思われ、結局、(60歳以上であれば)年齢による上限を肯定する方向で判断している。

 

3 無期と同視できるかの判断

 最高裁は、「上告人らと被上告人との間の各有期労働契約は6回から9回更新されているが,上記のとおり,本件上限条項の定める労働条件が労働契約の内容になっており,上告人らは,本件各雇止めの時点において,いずれも満65歳に達していたのであるから,本件各有期労働契約は,更新されることなく期間満了によって終了することが予定されたものであったというべきである。これらの事情に照らせば,上告人らと被上告人との間の各有期労働契約は,本件各雇止めの時点において,実質的に無期労働契約と同視し得る状態にあったということはできない。」と判断しており、一番のポイントは、年齢の上限を意識できる状況だったのかということをどれほど重視するのかというところといえる。

 

4 雇止めと別の終了事由か

 これは、地裁・高裁は、雇止めとは別の法理を用いて、なんとか契約終了という結論を肯定しようとしていた。

 しかしながら、最高裁は、別の理屈を使うことに批判もあり(篠原信貴「判例批評」ジュリスト1492号227頁)、単に、現行の労働契約法19条1項本文の合理性相当性の処理で統一したものと思われる。

 

第4 まとめ

 本件は、地裁から一貫して、定年類似の雇止めをどのような理屈で肯定するかを考えたものであるといえる。

本件の最高裁判決は、公社の民営化という特殊事情はあるものの、非正規社員の定年近くの期間雇用において参考となる事例判断を示す重要なものであるといえ、とりわけ更新の上限の合理性の判断は、中小企業にとっても参考になるものといえる。

 

(平成30年9月26日発行 文責:杉浦智彦)

判例 -被用者の交通事故につき会社が損害の7割負担した事件-

判例 被用者の交通事故につき会社が損害の7割負担した事件

「佐賀地判平成27年9月11日労働判例1172号81頁」

第1 事案の概要

 本件は、Y社の被用者であるXが、Y社車両を運転し、駐車場で後退させる際、後方確認不十分で、停車中のA車両に衝突させ、Y社車両およびA車両の双方が損傷した物損交通事故(以下、「本件事故」)について、Xが、A車両の所有者に賠償金38万2299円を支払ったことから、同賠償額の支払い(求償)をY社に対して求めた事案(①本訴)と、Y社が、Xが起こした本件事故によりY社が所有する車両(以下、「Y社車両」)が損傷したと主張して、Xに対して修理代金として8万698円およびこれにかかる遅延損害金の支払いを求めた事案(②反訴)である。

 

第2 裁判所の判断

1 本訴について

「被用者がその事業の執行につき第三者に対して加害行為を行ったことにより被用者(民法709条)及び使用者(民法715条)が損害賠償責任を負担した場合、当該被用者の責任と使用者の責任とは不真正連帯責任の関係にある」とし、使用者が責任を負う理由としてはいわゆる報償責任から、「被用者がその事業の執行について他人に損害を与えた場合には、被用者及び使用の損害賠償債務については自ずと負担部分が存在することになり、一方が自己の負担部分を超えて相手方に損害を賠償したときは、その者は、自己の負担部分を超えた部分について他方に対し求償することができる」としたうえで、Xは九州地方でのエリアマネージャーとして雇用されており、(長野県に本拠を置く)Y社の事業拡大を担う立場として業務を行っていたこと、Xの業務は、九州地方における取引先の開拓や野菜の運搬などであり、その性質上、事故発生の危険性を内包する長距離の自動車運転を予定するものであったこと、Xは本件事故発生前後の平成25年4月および5月においても少なくとも8日間を除きY社の業務について稼働するなど業務量も少なくなかったこと、本件事故における過失内容も車両後退時の後方確認不十分であり、自動車運転に伴って通常予想される事故の範囲を超えるものではないこと等の事情を総合すると、「Y社とXの各負担部分は7対3と認めるのが相当であり、D工業に対し損害額全額の賠償をしたXは、その7割についてY社に対し求償することができる」とした。

 

2 反訴について

 事業の執行についてなされた被用者の加害行為によって、使用者が直接損害を被ったり、使用者としての損害賠償責任を負うことになった場合には、「使用者は、その事業の性格、規模、施設の状況、被用者の業務の内容、労働条件、勤務態度、加害行為の態様、加害行為の予防若しくは損失の分散についての使用者の配慮の程度その他諸般の事情に照らし、損害の公平な分担という見地から信義則上相当と認められる限度において、被用者に対し損害の賠償又は求償の請求をすることができる」とする茨城石炭商事事件(最一小判昭51.7.8民集30巻7号689頁)の基準を引用して、「Y社がY社車両の損傷により直接被った損害のうちXに対し賠償を請求できる範囲は、信義則上、その損害額の3割を限度とするのが相当」とした。

 

(平成30年9月5日発行 文責:下田和宏)

 

司法取引(協議・合意制度)の概要

司法取引(協議・合意制度)の概要

第1 概要

平成28年の刑事訴訟法改正、平成30年6月1日から施行

利益誘導すると証拠能力がなくなる、という前提の例外を制度化

 ※『被疑者が、起訴不起訴の決定権をもつ検察官の、自白をすれば起訴猶予にする旨のことばを信じ、起訴猶予になる

  ことを期待してした自白は、任意性に疑いがあるものとして、証拠能力を欠くものと解するのが相当である』

  (最判昭和41年7月1日)

被疑者・被告人が、①特定の犯罪について、②弁護人の同意を前提として、③関連する他人の特定の犯罪に関し、④真実の供述などをした場合、⑤検察官と被疑者・被告人との間で、被疑者・被告人に利益を与える合意をすることができる。

 

第2 法律の解説

 ①特定の犯罪

   強制執行妨害、文書偽造、贈収賄、詐欺、恐喝、横領、組織的犯罪処罰法違反、税法違反・独占禁止法違反・金商法

   違反・特許法違反・貸金業法違反・不競法違反・破産法違反・会社法違反など財政経済関係犯罪、その他の法律違反

   (爆発物取締罰則、大麻取締法、麻薬及び向精神薬取締法、武器等製造法、あへん法、銃刀法、)、犯人隠避、証拠

   隠滅etc.

 

 ②弁護人の同意

   合意には連署による同意が必要

   協議にも弁護人の必要的関与

 

 ③他人の特定の犯罪

   不利益な供述をする対象者に関する罪も、特定の犯罪である必要がある

 

 ④協力行為

   検察官、検察事務官又は司法警察職員の取調べに際して真実の供述をすること。

   証人として尋問を受ける場合において真実の供述をすること。

   検察官、検察事務官又は司法警察職員による証拠の収集に関し、証拠の提出その他の必要な協力をすること

 

 ⑤合意

   不起訴(検察審査会の例外あり) 公訴取消し 軽い罪・事実での起訴(不変更) 

   軽い罪や事実への訴因・罰条の変更 軽い求刑 即決裁判 略式命令

 

 ⑥合意違反・離脱

   最終的に合意が成立しなかったときは、協議の際になした供述が証拠にできない

   合意後、被疑者・被告人が合意に違反した場合(虚偽の事実であることの自白・判明)、検察官は司法取引を破棄で

   き、虚偽供述や偽造について5年以下の懲役(免除あり)

   合意後、検察官が合意に違反した場合、裁判所は公訴を棄却(訴因・罰条の維持についてはその不許可)し、当該証

   拠は証拠にできない(同意すれば可能)

 

第3 事例

 タイの発電所建設に絡み、事業を受注した三菱日立パワーシステムズ(MHPS)の社員らが現地の公務員に現金を渡したという事案で、法人が不正競争防止法違反につき不起訴に

 →本来であれば両罰規定で法人も処罰されることが予測されたが、「会社」(被疑者)が「社内の従業員」(他の被疑

  者)に関して情報を提供した結果(協力行為)、合意に基づき不起訴になった(合意)

  ⇒制度の本来の趣旨と合致しているのかという批判がある

   トカゲのしっぽ切りを防ぎ、親玉を叩くための制度

   利益を得ていた会社が従業員を売って不起訴

   協議・合意前に3年は捜査していて意味がなかったのでは

 

(平成30年8月27日発行 文責:石﨑冬貴)

判例 -給与約75%減の再雇用条件を提示することの適法性-

判例 給与約75%減の再雇用条件を提示することの適法性

「福岡高等裁判所平成29年9月7日判決(労判1167号49頁)」(九州惣菜事件)

 

はじめに

 今回は、従業員が定年を迎えた後、再雇用の際に給与を約75%減額する条件を提示することが適法かどうかという点についての判断を示した裁判例をご紹介させていただきます。

 結論として、福岡高等裁判所は、再雇用の際に給与を約75%減額する条件を提示することは違法であると判断しています。

 もちろん、このような条件の提示があらゆる場合に違法であると判断しているわけではなく、あくまで本裁判例の具体的事情(条件が提示された経緯や、交渉の内容等)を前提とした上での判断となっています。もっとも、経営者の方からすれば、定年と再雇用の話は避けて通れないものだと思います。その際の判断の一助としていただければ幸いです。

 それでは、裁判例をご紹介させていただきます。

 

第1 事案の概要

 従業員X(原告、控訴人)が、Y社(被告、被控訴人)に雇用され定年に達した。その後Y社がXを再雇用するにあたって給与を約75%減額する条件を提示したが、Xがそれを承諾しなかったため、両者の間で再雇用契約は交わされなかった。

 すると、Xが、Y社に対し、下記の請求をする訴訟を提起した。

 

1 主位的請求

  定年後もXとY社との間の雇用契約関係が存在し、その賃金について定年前賃金の8割とする黙示的合意が成立している。

 

2 予備的請求

  Y社が、再雇用条件として、著しく低廉な賃金の提示しか行わなかったことは、Xの再雇用の機会を侵害する不法行為を構成する。

 

第2 福岡地方裁判所小倉支部(第一審)の判断

1 主位的請求について

  棄却(黙示的合意は不成立)

 

2 予備的請求について

  棄却(不法行為は不成立)

 

第3 福岡高等裁判所の判断(確定判決)

1 結論

 ⑴ 主位的請求について

   棄却(黙示的合意は不成立)

 

 ⑵ 予備的請求について(第一審の判断を変更)

   Y社に不法行為が成立し、Xへの100万円の慰謝料支払義務がある

 

2 判旨の要約抜粋

  ⑴ 主位的請求について

    ア 具体的な労働条件を内容とする定年後の労働契約につき明示的な合意は成立していない。

      ∵ Xは定年後の再雇用を希望したが、Y社が提示した再雇用の労働条件を応諾していない。

        条件を応諾していない。

 

    イ 以下のように労働条件の根幹に関わる点について合意がなく、今後合意が成立する見込みがあると認めること

      も出来ない場合においては、黙示的な合意も成立していない。

      ∵ ① 就業規則は、基本給や職能給は、能力・技能・作業内容・学識・経験等を勘案して、各人ごとに決定

          する等としか定めておらず、これにより賃金等のXの労働条件が自ら定まることはない。

        ② 高年齢者雇用安定法9条1項2号の継続雇用制度は、再雇用後の労働条件が定年前と同一であること

          を要求しているとは解されない。

        ③ Xがその労働条件の決定を、就業規則の範囲内であれ、人事権・労務指揮権を有するY社に全面的に

          委ねる意思を有していたと解することはできない。

        ④ 交渉経緯等に照らし、フルタイムかパートタイムか及び賃金の額を当事者の合理的意思解釈により決

          定することは困難。

 

  ⑵ 予備的請求について

    ※ 前提問題として、本判決は、XとY社との間で再雇用契約は交わされていないこと等から、労働契約法20条

      違反は否定している。

    ア 規範部分

      (a) 高年齢者雇用安定法9条1項2号に基づく継続雇用制度の下において、事業主が提示する労働条件の

          決定は、原則として事業主の合理的裁量に委ねられている。

      (b) 高年齢者雇用安定法の趣旨に反する事業主の行為、例えば、再雇用について、極めて不合理であっ

          て、労働者である高年齢者の希望・期待に著しく反し、到底受け入れがたいような労働条件を提示す

          る行為は、継続雇用制度の導入の趣旨に反した違法性を有するものであり、事業主の負う高年齢者雇

          用確保措置を講じる義務の反射的効果として65歳まで安定的雇用を享受できるという法的保護に値

          する利益を侵害する不法行為となり得る。

      (c) そしてその判断基準について、高年齢者雇用安定法9条1項2号の継続雇用制度は、高年齢者の65

          歳までの「安定した」雇用を確保するための措置の一つであり、「当該定年の引き上げ」(同1号)

          や「当該定年の定めの廃止」(同3号)に準じる程度に、当該定年の前後における労働条件の継続

          性・連続性が一定程度確保されることが前提ないし原則である。

      (d) 例外的に、定年退職前のものと継続性・連続性に欠ける(あるいはそれが乏しい)労働条件の提示が

          継続雇用制度の下で許容されるためには、同提示を正当化する合理的な理由が存することが必要。

 

    イ 本件についての判断

      (a) まず、給料が約75%減額されるという労働条件は、定年退職前の労働条件との継続性・連続性を一

           定程度確保するものとは到底いえない(※上記ア(c)の部分)。

      (b) そうすると、給料が約75%減額されるという労働条件の提示が継続雇用制度の下で許容されるため

          には、そのような大幅な賃金の減少を正当化する合理的な理由が必要である(※上記ア(e)の部

          分)。

          しかし、本件ではそのような合理的な理由がない。

          すなわち、①再雇用条件の内容においてXの担当業務の量が大幅に減ったとはいえず、②Y社の店舗

          減少の実績はXの定年退職の前後を通じて1割弱にとどまっており、③Xの担当業務を限定すること

          に必然性はなく、④Xの再雇用においてXの担当する業務量をフルタイム稼働に見合う程度にしてお

          くことも可能だったのであり、⑤Xの賃金が年功序列的な賃金体系によって担当業務に比して高額に

          なっていたというのであればY社においてこれを予め是正するなどしてXに過大な期待を抱かせるこ

          とのないように何らかの方策を執ることが可能であり、また望ましかった。

      (c) したがって、Y社が、給料約75%減の労働条件の提案をしてそれに終始したことは、継続雇用制度

          の趣旨に反し、裁量権を逸脱又は濫用したものであり、違法性があり、Xに対する不法行為が成立

          る。

          よって、Y社は、Xに対して、100万円の慰謝料の支払義務がある。

 

(平成30年8月7日発行 文責:佐山洸二郎)

判例 -手当型の固定残業代を有効とした最高裁判例について-

判例 手当型の固定残業代を有効とした最高裁判例について

「最高裁判所平成30年7月19日判決」

第1 事案の概要

薬剤師の残業代請求事件である。

一ヶ月当たりの平均所定労働時間は157.3時間であり、残業時間は、次のとおりであった。

 

 ・30時間以上が3回

 ・20時間代が10回

 ・20時間未満が2回

 

 <従業員に渡していた雇用契約書の賃金の定め>

  賃金月額 562,500円(残業手当含む)

 

 <この従業員の採用条件確認書の記載事項>

  ・月額給与 461,500

  ・業務手当 101,000 みなし時間外手当

  ・時間外勤務手当の取り扱い年収に見込み残業代を含む

  ・時間外手当は、みなし残業時間を超えた場合はこの限りではない

 

 <賃金規程>

  「業務手当は、一賃金支払い期において時間外労働があったものとみなして、時間手当の代わりとして支給する。」

  との記載があった。

 

 <給与明細書表示>

  ・月額給与461,500 業務手当101,000円

  ・時間外労働時間や時給単価を記載する欄があったが、ほぼ全ての月において空欄

 

 <上告人・被上告人以外の各従業員との間で作成された確認書>

  ・業務手当月額として確定金額の記載があった

  ・「業務手当は、固定時間外労働賃金(時間外労働30時間分)として毎月支給します。一賃金計算期間における時間

    外労働がその時間に満たない場合であっても全額支給します。」との記載があった

 

 <労働時間管理方法>

  ・タイムカード利用

   ※出勤時刻と退勤時刻のみ打刻

   ※休憩時間に30分間業務に従事していたことがあったが、管理されていなかった

 

第2 原審

1 結論

 一部容認

 

2 理由

  いわゆる定額残業代の支払を法定の時間外手当の全部又は一部の支払とみなすことができるのは定額残業代を上回る

 金額の時間外手当が法律上発生した場合にその事実を労働者が認識して直ちに支払を請求することができる仕組み(発生

 していない場合にはそのことを労働者が認識することができる仕組み)が備わっており,これらの仕組みが雇用主により

 誠実に実行されているほか,基本給と定額残業代の金額のバランスが適切であり,その他法定の時間外手当の不払や長時

 間労働による健康状態の悪化など労働者の福祉を損なう出来事の温床となる要因がない場合に限られる。

 ⇒ 業務手当の支払を法定の時間外手当の全部又は一部の支払とみなすことはできないから、これとは別に残業代を

   払わなければならない。

 

第3 最高裁判所の判断

1 結論

 破棄差戻し

 

2 理由

 <基準>

  雇用契約においてある手当が時間外労働等に対する対価として支払われるものとされているか否かは,雇用契約に係る

  契約書等の記載内容のほか,具体的事案に応じ,使用者の労働者に対する当該手当や割増賃金に関する説明の内容,労

  働者の実際の労働時間等の勤務状況などの事情を考慮して判断すべきである。しかし,労働基準法37条や他の労働関

  係法令が,当該手当の支払によって割増賃金の全部又は一部を支払ったものといえるために,原審が判示するような事

  情が認められることを必須のものとしているとは解されない

 <基準のもと判断している事実>

  ・本件雇用契約に係る契約書及び採用条件確認書並びに上告人の賃金規程において,月々支払われる所定賃金のうち

   業務手当が時間外労働に対する対価として支払われる旨が記載されていた

  ・上告人と被上告人以外の各従業員との間で作成された確認書にも,業務手当が時間外労働に対する対価として支払

   われる旨が記載されていた

   ⇒賃金体系においては,業務手当が時間外労働等に対する対価として支払われるものと位置付けられていたと

    認定した。ー①

  ・被上告人に支払われた業務手当は,1か月当たりの平均所定労働時間(157.3時間)を基に算定すると,約28

   時間分の時間外労働に対する割増賃金に相当するもの

   ⇒実際の時間外労働等の状況と大きくかい離するものではないと認定した。ー②

   以上①②から、被上告人に支払われた業務手当は,本件雇用契約において,時間外労働等に対する対価として支払わ

  れるものとされていたと認められると判断した。

 

3 解説

 (1)定額手当制をとった固定残業代の争点について

    固定残業代の内容として、具体的には、基本給とは別に支払われる定額手当の支給(定額手当制)と、月に支払わ

   れる賃金の中に、割増賃金の支払い方法として、通常賃金に対応する賃金と割増賃金を併せたものを含めて支払う方

   式の基本給組込みの支給(定額給制)がある。

    裁判例でよく問題となっていた「割増部分との区別ができるか」という明確区分性は、定額給制では争点となる

   が、そもそも分離している定額手当は、別の争われ方がなされていた。

    これまで、①手当の名称や支給条件から、割増賃金支払いの性質を有するか問題視する裁判例、②固定残業代で支

   払われなかった部分の清算合意や清算実態がない場合に有効性を否定する裁判例、③固定残業代の金額に対応する労

   働時間の多さを問題視し、その効力を否定する裁判例がみられた。(佐々木宗啓ほか編『類型別労働事件訴訟の実 

   務』(青林書院、2017)129頁〔佐々木宗啓〕)

   本件は、清算実態がないという争われ方という点で、基本的には②の事件に分類されるものである。

 

 (2)先例:アクティリンク事件(東京地判平成24年3月8日 労判1058号5頁)

    「このような他の手当を名目としたいわゆる定額残業代の支払が許されるためには,①実質的に見て,当該手当が

   時間外労働の対価としての性格を有していること(条件①)は勿論,②支給時に支給対象の時間外労働の時間数と残

   業手当の額が労働者に明示され,定額残業代によってまかなわれる残業時間数を超えて残業が行われた場合には別途

   清算する旨の合意が存在するか,少なくともそうした取扱いが確立していること(条件②)が必要不可欠であるとい

   うべきである。」

 

 (3)先例に対する批判的見解

   (佐々木・前掲133頁以下・128頁以下、白石哲「固定残業代と割増賃金請求」労働関係訴訟の実務117頁)

   ・「清算合意があること」ないし「清算の実態があること」の要件については、議論があるところであるが、支給が

    合意された固定残業代の額を超えて時間外労働が行われた場合に、その超過分について割増賃金が別途支払われる

    べきことは、労基法上当然のことであり、「清算合意」ないし「清算の実態」を独立した要件と解する必要はない

    と解すべきであろう。

   ・「支給時に支給対象の時間外労働の時間数と残業手当の額が労働者に明示されていなければならない」とする見解

    が最高裁判決の補足意見として示されている。そこで、このような明示がなされていることが定額給制の固定残業

    代の合意の有効要件となるか問題となる。割増賃金の支払義務によって残業を抑制しようとする労基法37条の趣

    旨からすれば、同条の割増賃金が支払われているか検証できる程度に労働条件が明示されていることは必要とはい

    えるが、支給時ごとに支給対象となる時間外労働の時間数及び残業手当の額を明示することを要求する必要はな

    く、これを有効要件とする理由はないと考えられる。

 

 (4)原審の判断について

    原審は、これまでの裁判例の判断に沿って、以下の必要性から、基準を立てた。

 

    ・残業把握の取り扱いが確立している必要がある

     ⇒ 定額残業の対応時間の説明と、時間を把握する仕組みを要求

    ・長過ぎる定額残業時間は労働者の健康を害する

     ⇒ 固定残業代とのバランスを要求

 

    本件は、バランスは問題がないが、対応時間の説明等がないことから、「みなし」としての固定残業手当性を

   否定した。

 

 (5)最高裁の判断のポイント

    まず、最高裁は、残業代について、概要、以下のルールを述べている。

 

    ・時間外労働に対しては、その抑制及び労働者への保障のため割増賃金を払わないといけない

    ・割増賃金のルールは、「下回らない金額で割増賃金を払え」というものだけ。

     その他のルールは設定していない。

 

    そのため、そのほかの時間外労働の時間数と残業手当の額が労働者に明示されているかなどの要件は

   要求しなかった。

    その一方で、今回の最高裁の判断では、「残業代の支払いとみなす合意が存在するか」という判断では

   なく、「会社が、その手当を残業代として支払っているか。」というシンプルな弁済の問題を判断している。

    最高裁は①契約書だけでなく、ほかの従業員を含めてどのような賃金の支払いをしているかということも含

   めて、会社側の支払い時の意思の認定をしつつ、②従業員の実際の残業時間を踏まえて、客観的に、それに対

   応する金額を渡しているから、残業代としての支払いの実態があるという解釈をしているものと考えられる。

 

第4 本判決を踏まえた今後の対応

 本判決は、固定残業手当の有効性について、従来の地方裁判所などで判断されていたよりも、広く捉えられることになった。

 しかしながら、結局、雇用契約書の内容などで、手当に対応する残業代の時間を明確しておかなければ危ないといえるし、さらに、実際の時間外労働時間も考慮要素となっていることから、結局は、実際の労務管理も、定額残業手当の有効性に影響するものといえる。

 そのため、手当の内容を明確にしておくことや労務管理の徹底が、リスク管理の上で重要であるといえる。

 

(平成30年7月25日発行 文責:杉浦智彦)

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