国選弁護人と私選弁護人との違い
刑事事件で逮捕されてしまった、家族・知人が逮捕されてしまったという場合、弁護士に依頼すると、弁護士は早期に留置所から出られるように働きかけたり、留置所にいる本人に会い、今後の見通しを話したり、被害者と示談交渉をして、不起訴処分となるよう弁護したり、実刑がつくような事件でも、執行猶予を獲得できるように弁護したりと、逮捕された方のために様々なサポートをします。
刑事事件を担当する弁護士には2タイプあり、それが国選弁護人と私選弁護人です。
「国選弁護人と私選弁護人、どちらに依頼すればいいのか」ということを相談者からよく質問を受けますが、逮捕・拘留されている被疑者段階では、法律上は、私選弁護人をつけることが原則となります。ただし、本人に私選弁護人を雇える資産がない場合で、国選弁護人を選任できる事件である場合は、国選弁護人を付けることもできます。
国選弁護人と私選弁護人の違い
国選弁護人 | 私選弁護人 | |
国選弁護人として登録された名簿の中から機械的に選ばれます。 | 選任について | 身柄が拘束されていない場合は、自分で選ぶことができます。身柄が拘束されている場合は家族が選びます。 |
被疑者段階では、一定の重罪犯罪で、現金・貯金が50万円以下の場合は選任できます。 | 選任条件について | 条件はなし。弁護士と自由に契約できます。 |
死刑や無期懲役、長期の懲役3年以上、禁固に当たる事件などの一定の重罪以外は原則起訴後につきます。 | 選任時期について | 自首したい場合や、まだ逮捕されていないが、警察から呼び出しを受けているなど、早期の段階から弁護を開始することができます。 |
私選弁護人のメリット
私選弁護人をつける一番のメリットは、起訴前の捜査段階から弁護が開始できることです。というのも、起訴されてしまった後では、無罪になる可能性が低く、犯罪白書(平成24年度)によると、起訴後の無罪確率は0.1%となっており、ほぼ有罪になってしまいます。一方、不起訴になる確率(起訴猶予率)は63.1%あります。
逮捕されてしまった場合、私選弁護人はまず、勾留されないように働きかけます。勾留が認められてしまった場合は、10日間は警察の留置所から出られない状態になってしまいます。この間、会社を無断欠勤することになり、解雇されてしまう可能性もでてきます。痴漢事件や盗撮事件、万引きなどの事件であれば、家族などの身元引受人がいて、検察官や裁判官に証拠隠滅や逃亡をしないことが証明できれば、その日に家に帰れます。
自宅に帰宅できた場合でも、勾留された場合でも、その後、検察庁で処分が決まります。
不起訴処分を獲得するためには、早期に弁護士をつけて、適切な弁護活動を行うことが肝心です。罪名によって、弁護活動は異なってきますので、各ページにてご確認ください。不起訴処分となり、早期に釈放されれば、勤務先などに逮捕されたことがばれずに、職場に復帰できます。
国選弁護人に関する質問
- 令和6年2月15日に迫った逮捕状・起訴状などの被害者情報匿名化!弁護士が内容や影響を詳しく解説します。
- 中学生に面会を要求した男が逮捕されたとの報道!?
- 窃盗目的で営業所に侵入した無職の男を私人逮捕した事案を解説します
- 痴漢に強い刑事事件の弁護士【加害者専門!示談・不起訴へ】
- 過失運転致死で有罪後に、ひき逃げめぐる裁判で2審は逆転無罪との事案を解説
- 刑事事件の手続に関する質問(2021年12月17日~)
- ジャニーズの性被害問題、新刑法の下ではどんな罪になるのか?
- 16歳未満の少女に対して、わいせつ目的面会要求と不同意わいせつの疑いで、男性を書類送検との報道!?
- 強制わいせつ容疑で逮捕の36歳の男が、18歳未満少女の着替えも盗撮していたとの報道!?
- Twitterで児童ポルノを販売して逮捕!どのような事例で逮捕されるの?弁護士が解説します。