コンセプトカフェの店員が未成年の客とみだらな行為をして逮捕
コンカフェとはなにか、その店員の立場、客側が巻き込まれやすい犯罪について解説します
1 報道の概要
1月29日、メンズ地下アイドルグループとして活動しているAさん(25)とBさん(22)が東京都青少年健全育成条例違反の疑いで逮捕されました。Aさんの容疑は、2021年3月、渋谷区のホテルで当時15歳の女子高生に対してわいせつな行為を行ったというものです。Bさんの容疑は、2022年6月に当時働いていた歌舞伎町の店舗のVIPルームなどで17歳の少女にわいせつな行為を行ったとのことです。
この記事では、コンセプトカフェに関する事件の取り扱い経験のある弁護士が、コンセプトカフェとはなにか、その店員の立場や、その客が巻き込まれやすい犯罪類型について解説をします。
2 「コンセプトカフェ」とは
「コンセプトカフェ」というのは、ある特定のコンセプトを打ち出した飲食店のことを言います。略して「コンカフェ」という言い方をされることもあります。15年前くらいに流行したメイドカフェなどがその代表例です。
最近のコンカフェ事情ですが、「カフェ」といいながら、ほとんどの店舗で酒類の提供がなされています。ただ、高いボトルなどを入れなければ、一時間飲み放題で2,000~3,000円程度が多く、ホストクラブやキャバクラよりも安い金額設定であることが多いです。
コンカフェでは、飲み物のほかに、店員のチェキ(写真を撮ったその場でプリントが楽しめる、富士フイルム製のインスタントカメラ)が一枚あたり1,000円前後で販売されており、これが収益の一つの基盤となっています。
また、支払額やチェキ数に応じたポイント制を導入しているところが多く、そのポイントによって、店外デートができたり、いろいろな特典が用意されていたりすることが多いようです。
3 メンズアイドルとコンセプトカフェの関係
ここ数年の新宿歌舞伎町では、メンズアイドルが店員をするコンセプトカフェが急増しています。メンズアイドルが仲間に呼びかけることで、スタッフを用意しているようです。
メンズアイドルのコンカフェは、顔が良いスタッフに接客されること、アイドルの卵なので、応援したくなるということもあり、人気が高まっているようです。
コンカフェの店舗自体、ホストクラブに近い内装のところも多く、実態としては、「チェキの撮れるホストクラブ」と言っても過言ではないところがあります。
もちろん、きちんと運営しているところもありますが、その人気にあやかって、有象無象が参入してきており、怪しいところも増えているという印象です。
4 コンカフェの店舗・スタッフの収益構造
コンカフェの収益は、飲食(アルコール)とチェキなどのサービスになります。
店員の時給は、実は最低賃金(東京だと1,072円)に近いことが多いです。しかしながら、それに加えて、販売したものについてのインセンティブ報酬があります。たとえば、シャンパンなどの高級なお酒については一定の割合のインセンティブ報酬が発生しますし、チェキについては3~5割のバックがあるといわれています。
加えて、ポイントが溜まった際のイベント(店外デート)のときにもインセンティブ報酬が発生することがあるようです。
そのため、スタッフ側は、客に対して、アルコールやチェキを売り込もうとしてきます。とくに未成年の客に対しては、一人あたり40~50枚のチェキを販売することも多いようです。
また、客が増加することに関心があるため、スタッフ側も積極的に色恋営業をするインセンティブがある収益構造だといえます。
5 客が巻き込まれやすい犯罪
この事件では、客と店員が関係をもったという案件ですが、ホストクラブと同じく、色恋営業で性的関係を持つということはよくあるようです。未成年相手ということになれば、淫行条例違反となります。
また、それだけでなく、コンカフェの費用捻出のため、パパ活などに手を出す未成年者も多いです。それによって、大規模な児童買春事件が検挙されるということも多いように思います。
6 さいごに
コンセプトカフェは、節度を持って自分の責任で利用するのは問題がないのでしょうが、判断能力が未熟な未成年が行くのはおすすめできないところがあります。親御さんとしては、可能であれば、いかないように指導したほうが望ましいでしょう。