調書の話
私は刑事事件を多く手がけている関係で、警察や検察作成の調書を良く読むんですが、これがなかなか面白い。調書の内容を漏らしたということで、最近大問題になった事件もあることですので、当たり障りないことだけ書きます。
警察の調書のなかに、「うまいなあ」と感心するようなのがたまにあるんですね。娘を殺された母親の調書で、娘の思い出を淡々と述べた調書がありました。「幼いとき、私の手を握ってきた娘の手の感触を忘れられません。小さな、暖かい手でした。」といった感じで終わってるんです。声高に犯人を弾劾されるよりも応えます。
少年事件の調書で、「お腹がすいたので、夕食代わりにコンビニで「うまい棒」を15本買って食べました。」なんていうのもありました。私もジャンクフードが大好きで、子供が食べている「うまい棒」を一緒に食べたりしますが、15本買って食べようとは思いませんね。その少年の普段の生活が目に浮かんでくる気がします。
私の意見ですと、警察の調書は町の定食屋さんの料理ですね。凄く美味しいものもある一方、しょうもないものも沢山あります。それに対して、検察の調書の方は、ファミリーレストランの料理でしょうか。味は標準化されていますが、それほど面白いものもないような気がします。


