わいせつな行為をした疑いで、マッサージ師の男が再逮捕されたとの報道!?
1 報道の概要
女性客に対して、指圧マッサージと称して、下着の中に指を入れて下半身や胸を触るなど、わいせつな行為をした疑いで、マッサージ店経営者の男性が逮捕されました。逮捕容疑は、準強制わいせつです。この日のうちに、被害者の女性が、「マッサージ店で下半身と胸などを触られた」と通報。当時、店内は容疑者と被害者の女性の2人きりでした。容疑者は、同じような手口で、別の20代の女性客に対してわいせつな行為をしたとして、先月、逮捕されました。
容疑者は調べに対して「やっていない」と容疑を否認しています。警察は、他の女性にも同様の行為を繰り返していた可能性もあるとみて調べています。
以上の事案をもとに、法的に問題となる点を解説します。
2 準強制わいせつとは
強制わいせつ罪というのは、暴力や強迫によって、無理やりわいせつ行為を行う犯罪です。
ただ、本件の場合は、特に暴力などが行われたとは言えないので、強制わいせつ罪は成立しません。一方、準強制わいせつ罪というのは、人が抵抗できない状態であることを利用して行われるわいせつ行為です。本件の場合、マッサージを受けている状況でのわいせつ行為に対しては、事実上抵抗が難しいということで、準強制わいせつ罪とされています。
なお、法律改正により、強制わいせつ罪は、不同意わいせつ罪と名前も変更されます。これなら、本件のように同意なくして行われたわいせつ行為が犯罪であることも、より明確になると言えます。
3 密室の中での犯罪
本件のような密室の中で行われた犯罪の場合、各当事者の証言以外に物的証拠は存在しないのです。このような状況では、犯罪の成立を証明することは簡単ではないです。「疑わしきは被告人の利益に」という、刑事手続きの原則が適用されるからです。
本件では、わいせつ行為を受けた当日、警察に相談しているが、その時点では容疑者は逮捕されていない。他のわいせつ行為で逮捕された後に、本件でも再逮捕されています。同じ容疑で複数の被害者がいるということは、本人がわいせつ行為を行った可能性が高くなることから、再逮捕に踏み切ったものと思われます。
4 本件の弁護活動
本件では、容疑者は犯行を否認しています。そうであるならば、弁護人としてもそれに沿った弁護をする必要があります。ただ、このほかにも被害者が出てきた場合、常識的に考えても否認を続けるのは難しい場合もあります。そういうときには、被疑者とよく話し合い、罪を認めて示談などを行うようにしていくのも、弁護人の重要な活動といえます。
強制わいせつ等性犯罪に関して、当事務所は十分な経験を有しています。無罪を争う場合でも、示談をする場合でも、まずは弁護士への相談をお勧めしたいです。
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