多額の取り込み詐欺事件で執行猶予が付いた事例
罪名:詐欺罪
依頼者:妻
1.夫が逮捕された
始まりは関西在住の女性からの電話でした。
話を聞くと、早朝、神奈川県警の警察官がやってきて、ご主人を逮捕していったとのこと。
罪名は、詐欺罪でした。
2.詐欺罪の特殊性
詐欺罪などの財産犯の弁護活動は非常に悩ましい部分があります。
情状面で最も重要なのは、金銭的な被害を弁償することですが、通常は、そのような金銭的な負担ができる状況にないということです。
分割を含めて対応しますが、それも被害者との間では簡単ではない交渉になります。
3.取り込み詐欺
今回の事案は、いわゆる取り込み詐欺でした。
支払いが困難にもかかわらず、後払いにして商品を買うというものです。
個人が取り込み詐欺で刑事事件になることはあまり多くありませんが、今回は、金額が多額であったため、刑事事件となりました。
話を聞くところによると、いくつかある名義を利用して、多数繰り返しており、買ったものをオークションなどで換金したこともあるとのことでした。
単純ですが、繰り返し行っていることや、その金額から、かなり厳しい判決も見込まれる事案との印象を受けたのを憶えています。
4.弁護活動
弁護人に選任された私は、奥様とも連絡取り、今後の弁済計画を練りました。
また、起訴後、公判期日までを長くしてもらい、保釈も通した上で、すぐに働かせ、少しずつ家計を立て直してもらいました。
少ない金額ですが、頭金も用意することができ、その上で、具体的な弁済計画を説明したところ、被害者との間で、示談が成立しました。
また、その際に、被害者から、「刑事処罰よりも弁済を求める」との意見まで引き出すことができたのです。
5.執行猶予の獲得
微妙な事案と考えていましたが、最終的には執行猶予を獲得することができました。
本人が関西在住であったため、意思疎通が難しい部分もありました。
それでも、示談の際の公正証書作成にも立ち会うなど、できる限り、本人だけでなく、「被害者」からの信頼も得られるように行動したことが、示談に結びついたと考えています。
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