香川県の僧侶が児童買春の容疑で逮捕されたとの報道!?
1 報道の概要
SNSで知り合った女子高校生に現金を渡してみだらな行為をしたとして、児童買春・ポルノ禁止法違反の疑いで32歳の僧侶の男性が逮捕されました。
警察によりますと、男性は、高松市内のホテルで、香川県に住む女子高校生(当時15歳)が18歳未満だと知りながら現金数万円を渡してみだらな行為をした疑いが持たれています。
警察が女子高校生から話を聞いて事件が発覚しました。男性は事実を認めています。
2 児童買春の捜査、刑事処分等
児童買春に関する刑罰は、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」に規定されており、児童買春をした場合の法定刑は、5年以下の懲役または300万円以下の罰金です。同法には、単純な児童買春のほか、児童買春の周旋や、児童ポルノ関係の罪も規定されています。
法定刑からも分かるように、現在、児童買春は非常に重い犯罪と認識されており、立件された場合は、多くの例で逮捕されています。ただ、被害児童との関係性によって、勾留については争う余地があります。
最終的な刑事処分については、立件されたものが1件で、前科がない場合、罰金で留まることが多いですが、100万円近くに至ることが多いと思われます。
また、悪質性は、被害児童の年齢、件数や経緯(どちらから誘引したか、対価はいくらかなど)によって判断されますが、複数件が立件されれば、初犯でも正式裁判となる可能性が高まります。
実際に、3件の児童買春が立件された事案で、検察官が略式命令を請求したところ、裁判所がこれを認めず、正式裁判となったこともありました。
3 弁護活動
事実関係について認めている場合、令状に基づく通常逮捕であっても、相手とインターネットで知り合っている場合、相手との連絡手段の削除(本件のようにSNSであればアカウントの凍結、連絡先の削除など)、同居人による監督の誓約などにより、勾留を阻止できる場合もあります。
本件も、SNSで知り合った関係性のようですから、被害児童の個人情報を知らなければ、早期の釈放も認められる可能性が高いでしょう。
また、通常の被害者がいる事件では、被害者との示談が非常に重要ですが、児童買春事件では、被害児童または保護者との示談は決定的な意味を持たないと言われています。被害者は元から性交等に同意していること、法律が児童の保護を目的にしていることなどが理由です。一般的に、被害児童自身が被害届を出すことはほとんどなく、その保護者が被害届を出しますが、保護者との間の示談も、これらの理由から、刑事処分に対して決定的ではないことも多いと言えます。
しかしながら、検察官によっては、それでもなお、一定の慰謝の措置ということで考慮する場合もありますので、慰謝の措置の必要性についてよく協議すべきです。被害者側への直接の措置があまり意味をなさない場合は、性犯罪被害者支援を目的とした贖罪寄付を行う場合もあります。
加えて、常習的な場合には、専門医療機関への受診も重要です。地方都市の場合、「性犯罪専門」のような医療機関はありませんが、心療内科など、相談自体を受けてくれる医療機関やカウンセラーはありますので、まずは電話で問い合わせてみましょう。
初期の身柄解放活動も含めて、お早めにご相談ください。
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