中学生に面会を要求した男が逮捕されたとの報道!?
1 報道の概要
各地で、中学生など16歳未満のものに対して、面会を要求したことによる逮捕が相次いでいます。
たとえば、奈良では64歳の男が、14歳の女性に対して通信アプリのダイレクトメッセージ機能を通じて「こんばんわ明日4時半、奈良、健全でお願いします!」などとメッセージを送付したうえで、女性と面会し、市内のホテルの一室で現金1万5000円を与える約束をしてみだらな行為を行ったことで逮捕されました。
また、山梨でも男性が、お金を出すといったメッセージを送って、16台未満の女性と会った男が逮捕されています。
以上の事案をもとに、法的に問題となる点を解説します。
2 面会要求が犯罪となった
2023年から、16歳未満の女性に、わいせつな目的で会うことを要求するだけで犯罪となりました。
それまでは、現実にあって、わいせつな行為を行って初めて犯罪とされました。
また、わいせつな行為に金銭等がやり取りされていれば、買春防止に関しての国の法律が適用されましたが、金銭などのやり取りがない場合には、各県の青少年保護育成条例などで処分されるに過ぎませんでした。
2023年の刑法改正で、面会を要求するだけで犯罪となることが定められたことにより、買春行為などが早い段階で取り締まれることが期待されています。
3 面会要求罪の内容
16歳未満の者に対する面会強要罪は、まずわいせつな目的がないと成立しません。さらに、面会を要求する行為内容も、規定されています。「威迫、偽計、誘惑によって面会を要求した場合」「拒否されたのに反復して面会を要求した場合」「金銭などの利益を供与したり、その約束をしたりして面会を要求した場合」というのが、法律の規定です。
逆に言えば、これらの要件を満たさない限り、犯罪とはならないはずです。
しかし、具体的にどのような場合に、以上の要件に当てはまらないと言えるのかは、大変難しい問題と言えます。
「健全でお願いします!」というメッセージを送っても、「わいせつ目的」があると認定されるのはある意味当然と言えます。他の事件では、「交通費出します」と、実費のみの負担を約束して面会を要求したものも、「金銭などの利益の供与」にあたるとされています。
そもそも、面会を要求すること自体が「誘惑」であると事実上認定される可能性も高いです。
4 本件の弁護活動
本件のような事案で弁護活動を行うときには、「誘惑していない」「利益供与していない」「しつこくしていない」などと主張しても、あまり意味がありません。
被害者の保護者との示談や、再犯防止策の明示などを考えていくことになります。
5 面会要求や、買春等の事件を起こした方は、すぐにご相談ください
弊所では、多数の児童買春、青少年保護育成関連事案の弁護活動を行ってまいりました。新設された面会要求等の罪についても、対応しております。
被害者との示談交渉、治療としての入院、親族との連絡、検察官との交渉まで、あらゆる面でサポートいたします。
事件を起こした方は、できるだけ早くご相談ください。