感染対策用のアクリル板を破壊した疑いで、男性が逮捕されたとの報道!?

1 器物損壊罪の容疑で逮捕の報道

2021年7月19日、北海道警察が、器物損壊罪の容疑で49歳の男を逮捕したとの報道がなされました。

報道によると、容疑者は、ホテルのフロントに設置されている感染対策用のアクリル板を床に叩きつけて破壊したとの事実関係のようです。

その行為の前に、容疑者は、ホテルのビュッフェで食事をしていたとのことです。ビュッフェ会場に入る際従業員から「食事券はありますか」と呼び止められ「部屋に忘れた」と返答しており、従業員が確認を行っている間に食事を済ませたとのことです。なお容疑者は、酒に酔っていたそうです。

 

2 器物損壊罪が成立すると?本件では詐欺罪の可能性も?

器物損壊罪の法定刑は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料です(刑法261条)。

初犯であれば罰金又は科料となることが多いですが、被害額が大きいなど悪質性次第では懲役刑の可能性もゼロとはいえません。

なお本件では器物損壊罪での逮捕がなされていますが、事実関係からすると、容疑者は朝食代を支払うつもりがなかった可能性があるのではないかと推測されます。

実際にどうだったのかはこの報道からはわかりませんが、もしそうだとすれば、器物損壊とは別に、いわゆる無銭飲食として詐欺罪が成立する可能性もあります。

 

3 器物損壊罪が成立してしまった場合にできること

まずは、被害者様に真摯に謝罪することが重要です。本件で言えば、被害者であるホテルの責任者への謝罪が必須です。

それに加えて、被害弁償、すなわち壊してしまったものの代金を弁償することも必須です。本件で言えば、壊してしまったアクリル板の代金である約8000円の弁償が必要でしょう。

さらには、上記のような被害弁償に加えて謝罪金をお受け取りいただくことが重要となります。また、本件では、器物損壊罪と直接の関係があるわけではありませんが、おそらく支払っていないと思われる食事代の支払いも必要となると思います。

上記の一連の行動はいわゆる「示談」と言いますが、この示談が成立し、かつ担当検察官と交渉することにより、刑を軽くし、さらには不起訴処分(何らの刑罰も受けない処分)を獲得できる可能性も出てきます。

 

4 弊所でお手伝いできること

上記のような示談交渉や検察官との交渉は、もちろんご本人が行うことも可能です。もっとも、被害者様は普通容疑者との連絡は受け付けてくれませんし、検察官との交渉も法的知識が必要です。さらに本件のように逮捕されて留置場に入れられてしまっている場合、本人がこのような活動を行うことは事実上不可能です。

そこで、弁護士の出番となるわけです。
弊所ではこれまでも多数の器物損壊事件で不起訴処分を獲得してきております。

器物損壊事件を起こしてしまって警察からの呼び出しが来てしまった方や、ご家族が逮捕されてしまっている方は、まずは今すぐにご相談ください。

 

 

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