コートに体液のようなものをかけたとして、男性が器物損壊罪の容疑で逮捕されたとの報道!?

1 報道の概要

JR名古屋駅のホームで、女性(31)のコートに体液のようなものをかけたとして、消防署員の男性(38)が器物損壊罪の容疑で逮捕されたという報道がありました。

報道によれば、被害に気付いた女性が11月22日に被害届を提出。防犯カメラの解析中の23日午前、男性が警察署に出頭したため、逮捕されたとのことです。

今回は、この事件を題材に、器物損壊事件の法的論点を解説します。

 

2 器物損壊罪とはどんな罪なのか

法律は、他人の物を「損壊する」と器物損壊罪が成立するとしており、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金になるとしています。

この「損壊する」には、物を壊す以外の行為が広く当てはまります。

例えば、最近、某有名歌手が救急車を蹴飛ばして救急車をへこませたという事件で逮捕された報道がありました。救急車自体は蹴飛ばされたからといって故障したわけでは無いでしょう。しかし、物に傷をつけたら「損壊」になるのです。

また、壁に落書きをしたり、汚物で服を汚したりすることも「損壊」になります。今回の事件で、男性は、女性のコートに体液のようなものをかけたそうです。これが本当であれば、女性はそのままでコートを使うことは出来なくなってしまうでしょう。ですから、典型的な器物の「損壊」があった事例といえます。

 

3 器物損壊罪の逮捕の可能性

今回の事件のように、器物損壊罪は、逮捕の可能性がある犯罪です。

男性は、自分の罪を認めて警察署に出頭したようですが、そこで逮捕されてしまいました。既に被害者が被害届を出して事件として捜査され、防犯カメラの解析まで進み、犯人の目星がついていたのだと言えます。

そのため、大人しく出頭して罪を告白しても、自首にはならず、捜査機関にも好意的にうけとめてもらえず逮捕されてしまったと考えられます。

 

4 器物損壊事件の弁護活動

男性が逮捕されなくて済んだかもしれない方法があります。それは、事件を起こした後になるべく早く警察署に出頭することです。事件や犯人が発覚する前に出頭すれば、自首として扱ってくれる可能性があります。

今回の男性は、出頭するタイミングが少し遅く、自分から罪を打ち明けたことを積極的に評価してもらえなかったばかりに、逮捕されてしまった可能性が高いです。しかし、すぐに出頭して自首を成立させれば、逮捕の可能性は激減します。

自首は本人だけでもすることが出来ます。しかし、自首する段階から弁護士に依頼をして、報告書などを作成してもらって出頭した方が、より安心して自首することが出来ますし、逮捕のリスクも下げられます。

次に、弁護人は、今回の男性のように逮捕されてしまった方を、なるべく早く身柄を解放できるよう尽力します。そして、男性の処分を軽くする方法もあります。それは、被害者との示談交渉です。今回のケースであれば、コートのクリーニング代やコートそのものの販売価格を被害弁償することが考えられます。

それに加えて、体液をかけられたことで負った被害女性の精神的な傷をカバーして、謝罪金も支払うことが望ましいでしょう。弁護人が、依頼者に代わって被害者とコンタクトをとって解決金をお支払いした上で、被害者の方から許してもらえたならば、示談は成功です。示談が成功すれば、不起訴処分になる可能性も十分あるでしょう。

 

5 器物損壊をしてしまったかもしれないとお悩みの方はご相談下さい

今回の事件のような行為も器物損壊扱いになってしまうのか、と驚かれた方もいるかもしれません。いたずら心でした行為や、かっとなってした行為が、もしかしたら器物損壊罪になってしまうかもしれません。

今回のようなケースの弁護では、財産犯と、性的な犯罪の両方に精通する弁護人に依頼をしたほうが望ましいでしょう。

お悩みの際は、弊所までご相談下さい。

 

 

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