拾ったレシートで商品の代金をだまし取ろうとしたとして、男性が逮捕されたとの報道!?
1 報道の概要
先日、次のような報道がありました。スーパーマーケットの店内で拾ったレシートを使い、返品を装って購入していない商品の代金をだまし取ろうとしたとして、62歳の男性が現行犯逮捕されたとの報道です。
男性は、スーパーマーケット内でレシート1枚を拾い、そのレシートとレシートに記載されていたパン2点を見せ「返したいっちゃけど」と言って199円の返金を装いましたが、女性店員が嘘に気づいたということです。
このスーパーマーケットでは同様の被害を数件確認しており、警察は余罪も含めて調べているそうです。
今回は、この報道が事実であることを前提に、詐欺事件の弁護活動について解説します。
2 詐欺罪とはどんなときに成立するのか?
今回の事件で、男性は、他人のレシートを拾って、女性店員を相手に返品を装いました。
レシートの代金は、199円と、決して大金とは言えないかもしれませんが、男性の行為は、自分が商品を購入したという嘘を言ったことになりますので、詐欺の行為になってしまうのです。
また、女性店員は嘘に気づき、199円を支払わなかったようですが、詐欺罪は未遂であっても罰されますので、男性
「返したいっちゃけど」と言って返品を装った時点で、犯罪が成立してしまいます。
3 どのような処罰が考えられるか?
今回の事件自体は、完遂されたとしても被害額が199円ということもあり、微罪処分で済む可能性もあり得ます。
しかしながら、今回のスーパーマーケットでは同様の被害が数件確認されているとのことです。
もし同様の事件も男性が起こしたものだとするのならば、まとめて起訴されて、検察官から、懲役判決を求められることもあり得るでしょう。
4 詐欺事件の弁護活動
今回の事件では、男性は容疑を認めているようです。容疑を認めている事件であれば、やはり被害店舗や会社に謝罪の意を伝えていき、謝罪金を受け取ってもらうという示談活動が弁護活動としての最善策になります。
今回のような事件ですと、金銭が払われる前に嘘がばれており、現金の被害は確かにありません。
しかしながら、示談でお支払いするお金には、被害弁償だけでなく、謝罪の意味も含まれているので、一定額を被害者に受け取って頂くことが基本になります。
もし同様に起こした事件があるのならば、まとめて示談をしていくことになるでしょう。
示談交渉は、謝罪金という金銭的負担を負うことになりますが、示談が成功すれば、不起訴になって前科が付くことや実刑判決を避けられる可能性が生じますから、なお有意義な活動であると言えるでしょう。
5 詐欺事件を起こしてしまった方は、ご相談下さい
起こした事件が多ければ多いほど、被害額が大きければ大きいほど、降りかかる罰が重たいですから、示談を試みる意義も大きくなります。
相手をだました後に罪悪感にかられ、前科を付けたくないという方もいらっしゃいますが、そのような方にとっても、示談を通して不起訴を目指すということは意義深いです。
弊所は、詐欺事件の示談活動を多数取り扱って参りました。お悩みの方は、まずご相談下さいませ。
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