「神待ち」警察見てます! 全国初、家出誘う投稿に警告との報道
1 報道の概要
愛知県警は、中高生らを誘い出そうとするツイッターの投稿を探し、書き込み主に警告する取り組みを始めたとの報道があった。対象となるのは宿泊先の提供などを持ちかけ、家出を誘発するような投稿。警察官が直接返信し、「未成年者誘拐となる可能性がある行為です」などと警告する。
県警はほかにも、詐欺グループの募集や児童買春につながる投稿にも警告メッセージを送っていると報道されている。
この報道から、法的にポイントとなる点を説明していきます。
2 警察の防犯活動
警察は、発生した犯罪を捜査するだけでなく、犯罪が起こらないように、防犯活動も行っています。その一環として、今回行われたのが「神待ち」といわれる未成年の誘拐行為の事前防止策です。
家出を希望し、住む場所を求めている未成年者が、住居を提供してくれる「神」を探して、ツイッターなどに投稿します。
逆に、そのような未成年者を、住居提供を餌に、誘うような投稿をする成年者もいます。そのような成年者が、未成年者に住居を提供するだけで、誘拐罪が成立します。さらに、未成年者と性的な関係を持つ可能性も非常に強く認められます。
そのような犯罪が起こる前に、対応しようというのが今回の取り組みです。
3 刑事事件としての捜査の可能性
今回は、警告のメールを出すだけで済んでいます。しかし、このような未成年者を勧誘するようなメッセージを出している人は、現実に未成年者に住居を与えている可能性も非常に高いと言えます。今は、メールでの警告にとどまっていても、将来的には警察が捜索活動に乗り出すなど、捜査活動が開始する可能性も否定できません。
その結果、児童を住まわせていたことが判明すれば、逮捕勾留、マスメディアでの報道などの不利益を受けたのち、有罪判決が出て前科が付く可能性は非常に高いと言えます。
その意味では、捜査を始めずに、メールでの警告をしてくれる警察は、とても親切と言えるかもしれません。
4 どの様な犯罪となるのか?
神待ちの事案で、未成年者に住居を提供した場合は、未成年者の誘拐罪が成立します。これは、たとえ本人同意があっても影響しません。未成年者を保護する親の権利が侵害されると、誘拐罪が成立するからです。
さらに、神待ちの事件では、住居を提供する側は、児童と性的な関係を持つことが普通です。そうなりますと、児童買春や青少年保護育成条例違反という罪にも問われます。非常に深刻な事態が予想されます。
5 神待ち関連の事件を起こしてしまったかもと不安な方は、すぐにご相談ください
弊所では、これまでも、児童福祉法違反や児童買春など、非常に多くの児童が関与する事件に関しても、弁護活動を行ってまいりました。
自首の同行、被害者との示談交渉、贖罪寄付、再犯防止のための措置、検察官との交渉まで、あらゆる面でサポートをさせていただきます。
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