丁寧な示談交渉で、不起訴となった児童買春事件
解決までの期間:1か月ほど
最終処分:起訴猶予
依頼者:本人
複数児童相手の買春行為
本件の依頼者は、合計3名の児童を買春したとして、逮捕勾留されました。再逮捕再勾留と続き、1か月以上の身体拘束が続いたことになります。児童買春事件の場合、複数名の相手がいる場合には、公訴提起されて正式裁判となるのが普通です。不起訴としてもらえることは、非常にまれなケースと言えます。
示談を評価しない検察官
通常、被害者のいる犯罪の場合には、被害者側に損害賠償をして、示談ができたならば、検察官にも評価してもらえます。これに対して児童買春事件の場合には、必ずしも示談や損害賠償が評価されるのかがはっきりしません。検察官によっては、いくら賠償金とはいえ、被害児童側にお金を渡すということは、買春行為を助長しているようで望ましくないと考える人も多数います。そのような、担当検察官の考えを確認しながら、弁護活動をしていくことになります。
本件の検察官は、損害賠償を評価してくれた
本件でも、検察官に面会を求め、示談や損害賠償をした場合の処分への影響を確認しました。すると、担当の検察官は、児童の保護者に損害賠償金を支払うのならば、評価してくれるとのことでした。そこで、3名の児童の保護者に連絡を取ってもらい、示談活動を行うことになりました。その結果、2名については示談ができたのですが、残り1名は連絡先さえ教えてもらえませんでした。
賠償金だけでも受け取ってください!
検察官に確認してもらったところ、当該被害者の保護者は、これ以上面倒に巻き込まれるのが嫌だということでした。絶対に許せないので、賠償金も受け取らないというのとは違うようです。そこで、検察官にお願いし、最後にもう一度だけ保護者の方に伝えてもらいました。「示談も必要ないし、会って頂く必要もない。ただ弁護士限りということで口座番号さえ教えてもらえれば、そこに賠償金を振り込ませていただきます。」と。
きわめてまれな不起訴処分
保護者様は、単に口座番号を教えるだけならば、特に面倒にもならないということで、対応してくれました。そこに賠償金を振り込み、検察官と処分について協議しました。なんとか正式裁判だけは免れたいと思っていたところ、最終的に不起訴処分としてもらえました。本人の反省の気持ちに加えて、被害者側への丁寧な謝罪・賠償を評価した結果とのことでした。児童買春事件で不起訴となることは非常に珍しいだけに、感無量の事件でした。
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