児童買春したことをネタに恐喝された自首事案
罪名:児童買春・児童ポルノ禁止法(児童買春)
解決までの期間:半年以上
最終処分:略式起訴30万円
恐喝を受けた人から恐る恐るの電話
うちの事務所では児童買春の事案も、自首の事案も多く取り扱っております。 ですから、問い合わせの電話は珍しいものではありません。
しかし、よくよく話を伺ってみると、恐喝されてお金を30万円ほど脅し取られたということでした。
児童買春を3件行い、最後の1件の後、ヤクザのような男たちに囲まれて30万円を取られたということでした。 詳しい話を聞いたところ、3件めの女の子は2軒めと同じ子なので、目をつけられた可能性が高かったというものです、
児童買春では加害者でも、恐喝では被害者という立場で受任しました。
どのように事件を進めるか
この件は、加害者と被害者両方の側面がある案件です。 しかし、児童買春は逮捕されることが非常に多い案件です。慎重に事件を進めないとなりません。
そこで、まずは児童買春で自首の形をとって、恐喝の点は周辺事情として徐々に説明していくということにしました。 というのも、まずは自首することで逮捕を防ごうとしたからです。
被害金額が大きいこともあり、警察は当方に同情的な側面も多かったです。 但し、恐喝犯人が判明するまで時間がかかるということなので、捜査については時間がかかりました。 そして、ある日、恐喝した側が逮捕されたという情報が入り、事件は進展することになりました。
やる気のない弁護士
本件は解決までに半年以上かかりました。 原因の一つは、恐喝犯人が見つかるまで時間がかかったということですが、 もう一つは、その犯人の一人の弁護士がやる気がなかったということもあります。
示談交渉しようとしても、当方から連絡しても折り返しがない状態で、いつしか音信不通になりました。
他の犯人の弁護士もその弁護士には怒っていて、最終的にはその弁護士だけ外して示談することになりました。
その弁護士は国から雇われた弁護士です。 そういう弁護士の場合、国からの報酬が安いのであまりやる気が無いという弁護士も残念ながらいたのです。
被害者だけどやっぱりいけないこと
相手方と示談できたので、検察に本件を不起訴とするようにお願いいたしました。
しかし、検察官は「被害者的側面もあるが、買春を3件行なったので不起訴にはできないと」という意見でした。 当方から検察官と何度も交渉しましたが、検察官の意見は変わりました。
依頼者としても、「やったことはやはりいけないことなので受け入れよう」ということなので、略式起訴の30万円の罰金となりました。
しかし、児童買春の場合、1件で罰金50万円くらいになるのが目安です。 自首したとはいえ、3件の買春で30万円の罰金となったのは、依頼者の反省の念が検察官にとどいたから届いたということもあるでしょう。