児童買春を仲介した人の罪の重さはどのくらい? これからの捜査はどうなる?
1 報道の概要
2020年8月、東京・豊島区のホテルで、女子高生(当時15)と知人を引き合わせ、児童買春の仲介をした疑いで、大学4年の男性が逮捕されました。
ツイッターに「英語を教えます」などと投稿し、返信してきた少女と知り合ったということで、警視庁の調べに対し、容疑を認めている。
2 どんな罪が成立する?
今回の容疑は、「児童買春周旋罪」というものです。関係者が「児童買春」をする意思で18歳未満の子を紹介してもらうように言って、容疑者が買春を仲介している場合、児童買春・児童ポルノ規制法第5条に定められている「児童買春周旋罪」という罪が成立します。
【児童買春・児童ポルノ規制法】
(児童買春周旋)
第五条 児童買春の周旋をした者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 児童買春の周旋をすることを業とした者は、七年以下の懲役及び千万円以下の罰金に処する。
「業として」行われた場合、つまり、反復継続して、一定の事業規模があるような場合には、刑罰が重くなります。
今回は、一人で行っていたところなので、おそらく「業として」行ったとはされず、児童買春・児童ポルノ規制法の第5条1項の処分が検討されているのではないかと思われます。
なお、関係者に「児童」である認識がない場合は、「児童買春」の周旋ではなく、売春をあっせんした場合である、売春周旋罪(売春防止法)が成立します。
また、事情は分からないですが、もしその被害児童が、その売春に応じるかどうか自由に決められないような場合は、児童福祉法違反に該当する余地があります。
3 刑罰の重さは?
児童買春周旋罪の刑罰の上限は、5年以下の懲役・500万円以下の罰金です。
初犯でも、正式裁判の上で、懲役刑となっていることが多いように思います。被害児童等と示談し、執行猶予を目指していくことになります。
4 これからの捜査はどうなる?
今回の容疑者の余罪が捜査されることになり、繰り返していた場合は、再逮捕がされていくことになるでしょう。
なお、この容疑者のスマートフォン等も押収されているでしょうから、この容疑者から買春のあっせんを受けたような場合は、警察が逮捕しに来ることが十分に予想されます。
もし心当たりがある場合は、早めに弁護士に相談の上、自首を検討されることをおすすめします。