児童ポルノ単純所持の自首同行を行った事例
罪名:児童ポルノ単純所持罪
年始早々のご相談
「2018年1月1日の児童ポルノの単純所持の報道をみて、自分も許されないことをしてしまったと非常に後悔しました。
ただ、かなり前のことで記憶も曖昧ですし、今は家族との関係や、仕事のことは何とかしたいと思う気持ちがあります。できる限りのことはやっておきたいと思い、相談しました。」
といったご相談でした。正直、まだ事務所も年始休業中だったのですが、ご不安な気持ちが強かったので、急遽ご相談を受けることとしました。
事案の悪質性
今回のご相談は、
・警察が捜査対象にしているタイトルと一致するものの
・所持し、削除した時期が、10年近く前、
という事案でした。
児童ポルノの単純所持は、2015年7月から、処罰されるようになりましたから、今回のご相談では、相談者様のお話を前提にすれば、違法となり、処罰されるものではありませんでした。
万が一に備えての自首(自発的出頭)
今回のご相談では、法的に罰せられるものではないので、その旨を説明し、物理的破損により破損したPC機器も残存していたので、仮に警察から連絡がきてもその物証を基に説明すれば良いとご相談では回答しました。
ただ、いつ警察から連絡がくるかと思うと耐えられない、家族もいるし、自分のやったことが罪になるとしても、けじめをつけたい、という相談者様のご意向が強かったので、
それなら、もともとリスクは低いけれども、警察に自発的に申告して、一区切りつけましょう、ということで、法的には「自首」というわけではないですが、警察に行って正直に話しましょう、ということになりました。
予想を超える警察の厳しい体制
今回の件は、本人の供述前提ですが、所持罪適用前の話ですし、すでに破損済み、その物証もありというケースですから、ほとんど「安心感」「精神的な区切り」のための出頭なので、警察も簡単な注意をして終わりだろうという見通しをもっていました。
ただ、現在、児童ポルノの単純所持に対しては、非常に厳格な体制で臨んでいるようで、かなり厳しい聴取がなされました。
とはいえ、流石に今回の件は、10年以上前の購入、物理的破損の物証ありというケースですから、最終的には、今後は決して児童ポルノを購入、所持しないという誓約書を書いて終わりになりました。
弁護士からの一言
実際に出頭してみて感想としては、警察は、児童ポルノ単純所持に対する捜査をかなり本気で取り組んでいるんだなということです。
7200人という名簿の多さからすると、「全員に捜査が入るのかな?」と思いますが、時間をかけてでも徹底的にやるつもりなのかもしれません。
特に、証拠が新しいので購入の新しい人から力を入れるのか、時効の関係もあるから昔の人から力を入れるのか、そのあたりも読みきれません。
ただ、今回経験して言えることは、甘く見ずに、そのとき出来る限りの事をやっておくのが肝要だなと感じました。
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