交通手段の調整など、丁寧な示談交渉で不起訴となった痴漢事件
最終処分:不起訴
解決までの期間:4か月
1 痴漢事件の示談交渉
痴漢事件の示談交渉は、強制わいせつや強姦に匹敵するものがあります。
やはり、身体を触られたという精神的、肉体的な苦痛は非常に強いからです。
また、電車内での痴漢の場合、被害者としては、今後再度遭遇するのではないかといった点も非常に心配ですから、これらに対するケアも非常に重要になります。
2 交渉のきっかけ
この事件も、電車内での通勤時間帯の事件でした。
当初は示談交渉を拒否していましたが、検察官に取次ぎを依頼する際に、謝罪だけでなく遭遇する可能性を減らすこともできる、といった話をしっかりと伝えるように依頼しました。
それがきっかけになったかは分かりませんが、最終的に交渉に応じてもらうことができました。
3 示談交渉の結果
経路調整をする際に問題となるのは、現実的に使える電車の本数も限られるという点です。
引越しという選択肢がある場合ももちろんそれも検討しますが、ほとんどの場合、そこまではなかなか難しいものがあります。
また、駅や電車を特定してしまうと、被害者に、被害者情報が特定される不安感を与えてしまうこともあるのです。
この場合、こちらの時間帯や車両を特定したり、駅や路線についても、ある程度幅を持たせることで、調整を行います。
この場合も、依頼者側の乗車時間帯と乗車位置を調整することで、最終的に示談が成立しました。
被害者が何を求めているか、しっかりと考え、誠意をもって交渉していくことが、示談には不可欠といえるでしょう。