覚せい剤を誤って摂取した可能性を示して不起訴を勝ち取った事例
罪名:覚せい剤取締法違反
結果:勾留延長後不起訴
解決までの期間:約20日
尿から覚せい剤が検出された!
本件の被疑者は、尿からの覚せい剤検出により逮捕されたものです。 通常、覚せい剤が身体から出てきた場合、覚せい剤の使用を争うことは非常に困難です。 (キムチやコーラで覚せい剤が出るなどという都市伝説も取りざたされていましたが、現状では全く問題にされていません。)
つまり、尿から覚せい剤が検出された時点で、まず間違いなく有罪となってしまうのです。
覚せい剤や吸引具は見つからなかった
一方本件被疑者の場合、自らの所持品や、職場、家庭のいずれからも、覚せい剤や吸引具は見つかりませんでした。 身体から覚せい剤が出た場合、警察は覚せい剤等を見つけるために捜索を行います。 それにもかかわらず、本件では何も発見されなかったのです。 そういう中、被疑者は一貫して、覚せい剤の使用を否定していました。
覚せい剤を間違って摂取した可能性
本件の場合、覚せい剤が間違って身体の中に入ってしまったという、合理的な可能性を示すことが必要になります。 そこで、これまでの被疑者の生活をすべて思い出してもらい、覚せい剤が身体に入った可能性がある場面を数点ピックアップしました。 そして、それらを詳細な報告書の形にして検察官に提出したのです。
結果として不起訴に
日本の検察は、ほぼ100%確実に有罪となる事件しか起訴しません。 だからこそ、非常に高い有罪率を維持しているわけです。 それだけに、たとえ尿から覚せい剤が出たとしても、それが間違って体に入ったことを示す合理的な可能性を示せれば、覚せい剤や吸引具が出てこなかったことと相まって、不起訴となるチャンスはわずかに残っていると考えていました。 本件は、まさに首の皮一枚で不起訴になった事案と言えます。