警察の話
私は別に人権派!の弁護士のように、警察権力を目の敵にしようなんて考えたこともありません。ただ、警察官は玉石混交といいましょうか、随分と酷い人がいるのは間違いないですよね。被疑者や被告人の話を聞いても、相当強引な取調べをしている警察官が相当数いるようです。私が直接話した警察官にも、どう見ても暴力団の人ではないかと思わせる人もいました。ところが一般市民からは、刑事さんというのは結構信頼されてるんですね。
先日タウンページの広告を見たという方から問い合わせがありました。私が、刑事弁護に経験があるといったことを書いていたのを読んで、何故だか知りませんが、
「刑事をしていた人が弁護士になった。」と思い込んだようでした。「いろいろ弁護士さんがいて、どこにすれば良いのか分からなかったんですけど、刑事の弁護士って書いてあるんで、これしかないって思ったんですよ。やっぱり、刑事さんをしていた方なら信頼できますから。」
まあ、市民の声は天の声ですから、甘んじて受けるしかないでしょう。しかし、どうにも不満なのは、刑事さんたち自身、同じように考えていることなんですね。依頼者のために、暴力団員を告訴した事件がありまして、ある刑事さんに大変お世話になりました。そのとき、その刑事さんに言われたんです。「非常に多くの刑事が、弁護士は金のために悪人の味方をする悪い奴らだって思っていますけど、私は必ずしもそんな風には思っていないので安心してください。」
よっぽど私も、「非常に多くの弁護士が、警察は権力の味方をする悪い奴らだって思っていますけど、私は必ずしもそんな風には思っていないので安心してください。」と言い返したかった。しかし、にっこり笑って、「ありがとうございます。よろしくお願い致します。」とだけ言いました。でも、笑いが少し引きつっていたのでした。


