SNSで知り合った10代後半の女性を連れ回して肉体関係を持ったとして逮捕!「お互い好き同士だからいいと思った」という言い分は通用するの?
1 事件の概要
7月16日から19日までの間、10代後半の女性を札幌市北区と中央区内で連れ回し、ホテルで性的暴行を加えたという、わいせつ誘拐・不同意性交の疑いで、男性が逮捕されました。女性の親族が「娘と連絡が取れない」と警察に相談し、事件が発覚したとのことです。
男性は、この女性とSNSで知り合い、「相手のことが好きで会ったり、したりしていた。お互い好き同士でいるんだからいいと思っていた」という争い方をしているとのことです。
このコラムでは、不同意性交について、「好き同士でいるからいいんだ」という言い分が、どのくらい通用するのかということを解説します。
2 不同意性交の要件
昔は強姦とされていた犯罪ですが、成立するための要件は、おおまかには次の2つです。
①一定の行為・事由によって、性的な同意をしない意思を形成したり、それを表現したり、全うできなかったりする状態にして、
②性交等をする
①については、従前のように、暴行脅迫などによって性的同意ができなかったりするものが含まれますが、それ以外にも、経済的・社会的関係の影響で不利益があるような場合も含まれうるところです。
3 「好き同士」の場合、またはそれを勘違いした場合の罪はどうなる?
好き同士の場合は、通常は、性交を行う同意があると判断されることも多いでしょう。
しかしながら、恋人同士であっても、相手を制圧して性交を行った場合は、不同意性交に該当します。
たとえば、SNSでは、体の関係を持つことを想定しておらず、単に旅行をするだけの約束しかしていなかったにも関わらず、車で連れ出して、「もし性交を拒めば家に帰れなくなる」と思わせるような事情が発生した場合には、不同意性交に該当することもあるでしょう。
一方で、メッセージのやりとりの中で、性交する真摯な同意があったということ、またはそれを勘違いして当然の状況があるならば、不同意性交が成立しない可能性も十分にあるのではないかと思われます。
なお、仮にこの女性が未成年者(17歳以下)の場合、未成年と関係をもったという理由で、別途青少年保護育成条例違反に該当する可能性が極めて高いですので、不起訴で事件が終わることは考えにくそうです。
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