有名人が逮捕されることなく不同意性交等などで書類送検!有名人だから逮捕されないの?容疑が微妙だから逮捕されないの?弁護士が解説します。

1.報道の概要

今年7月に東京都新宿区に止まっていたロケバスの中で、女性に同意を得ずに性的暴行を加えた疑いで、有名人が不同意性交等・不同意わいせつの容疑で書類送検されました。

この案件では、逮捕されることはなく事件が進んでいます。過去2018年に、著名人が女子高生にキスをした案件で、同じく逮捕されず、書類送検されたものがありました。一方で、2018年に、著名人がメンズエステで性交をして逮捕されたような案件もありました。

この記事では、この手の案件を犯したときに、有名人だから逮捕されないのかどうかについて解説します。

 

2.「有名人」だと逃走しにくい?

まず、逮捕するには、原則として、裁判官が出した逮捕状というものが必要になります。裁判官が逮捕状を出すための要件として、まずは罪を犯した疑いが必要です。ただ、逃亡するおそれがなく、証拠を隠したりするようなおそれがないことが明らかな場合は逮捕状を出せません。

有名人の場合は、仮にどこに逃げようが、見つかりやすいという特徴があります。そういう点で、他の人よりも、逃亡する可能性が低いという点で、逮捕されにくいということはいえるでしょう。

ただ、もちろん、証拠を隠したりすることが想定されるような犯罪(組織犯罪や薬物犯罪など)や、刑罰が重いことが想定されるような場合は、有名人でも逮捕されることが多いです。

とくに、単にキスをしたとかにとどまらず、暴行の上で性交を行ったような案件だと、逮捕されます。メンズエステの案件も、罪の重さの関係もあって逮捕されたのではないかと思われます。

 

3.想定される刑罰が軽微だったり、嫌疑自体が疑わしい場合も?

不同意わいせつ、不同意性交等については、かなり幅があります。

不同意わいせつには、キスも含まれれば、裸の写真を送らせるようなものも含まれます。不同意性交等にも、陰部への指入れから、口腔性交、そして通常の性交まで含まれます。また、「不同意」のなかには、暴行によって無理やりということもあれば、地位に基づく影響力をつかってのものも含まれます。当然、その幅に応じて、刑罰の重さも変わってきます。

キスや胸を揉む程度の不同意わいせつの場合、初犯であれば執行猶予つきの判決ですので、刑罰としてそこまで重いわけではありません。そういう点で、一般人でも、逮捕されない事案がそれなりにあるように思います。また、示談の意向があるかによっても変わってきます。

たとえば、2018年のキス事案では、書類送検の前に、既に示談が完了していた案件でした。通常、自分の犯行を認め、示談の意向があるということは、証拠を隠す意思がなく、逃亡の意思がないことの現れと見られます。また、不同意わいせつ(強制わいせつ)は示談できれば不起訴となることがほとんどですから、示談できそうな感触があるような場合には、証拠を隠したり逃亡する意思がないという理由で、逮捕される可能性は下がります。

一方で、今回報道された案件は、口腔性交が含まれています。今、不同意性交等は、初犯でも実刑の可能性が高い案件になっています。

そういう点では、逮捕されてもおかしくない案件といえます。しかも、被害者側の言い分と容疑者側の言い分が大きく食い違っています。容疑者側は同意があると思っていたし、被害者側は同意がないという主張です。一般的にいえば、そのような事案だと、証拠隠滅のおそれがあるとして逮捕されることも多いのです。ただ、暴行等がないということや、同意があると勘違いしても仕方がないような状況があったという要素、また示談交渉の状況などを加味して、逮捕されなかったという可能性はあるところです。

 

4.まとめ

不同意性交等については、近年、大きく幅が広がりました。捜査機関も、逮捕するかどうかについて、まだ安定的な運用がされていないように思われます。

もし、ご不安に思われる方がいらっしゃるならば、早めに弁護士のアドバイスを得て、対応を協議するのがよいのではないでしょうか。

 

 

 

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