オークションサイトで児童ポルノのDVDを販売、所持したなどとして、男性を逮捕したとの報道!?
1 事件の概要
報道によると、神奈川県警少年捜査課と厚木署は、令和3年12月1日~令和4年8月14日ごろ、オークションサイトで6回にわたり、東京都などに住む30~60代の男性6人に対し、児童ポルノのDVD計6枚を900~1400円で販売したほか、同様のDVD計5枚を所持したなどとして、児童買春・ポルノ禁止法違反(提供、提供目的所持)の疑いで、東京都江戸川区中央2丁目、無職の男(46)を逮捕したとのことです。
同容疑で逮捕された別の男の購入者リストなどから、この無職の男が判明したとのことですが、男は「生活費を稼ぐためだった。(販売したDVDは)児童ポルノではないと思っていた」と容疑を否認しているとのことです。
男は自宅で児童ポルノ動画を複製、販売し、令和3年4月~令和4年8月までに約1600万円を売り上げていたとみられており、男の自宅からDVD約4000枚と複製器2台などを警察が押収したとのことです。
2 本件で成立する犯罪について
児童ポルノはただ所持するだけでも「単純所持」といって刑事罰が科せられます。
単純所持の場合の罰則は、「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」です。
これが単純所持ではなく、誰かに児童ポルノを「提供する」場合や「提供するために所持する」場合には、児童ポルノを広める行為なわけですから、単純所持よりも重い罰則が定められております。
この場合の罰則は、「3年以下の懲役または300万円以下の罰金」です。さらに「提供する」等する相手が、不特定又は多数の者かどうかによってさらに罰則は重くなります。児童ポルノをネットにアップしたりした場合が考えられます。
この場合の罰則は、「5年以下の懲役または500万円以下の罰金」です。
このように目的や態様によって適用される罰則は異なりますが、本件では、報道を見るかぎり少数特定の者への提供と考えられますので、適用される罰則は「3年以下の懲役または300万円以下の罰金」と考えられます。
3 弁護方針について
報道されている男は、「児童ポルノではないと思っていた」として容疑を否認しています。
児童ポルノの提供や所持は故意犯ですから、児童ポルノと認識している必要があります。
ですので、「児童ポルノではないと思っていた」ということが裁判所で認められれば犯罪は成立しません。
しかし、発覚した経緯が別の男の購入者リストからということですので、児童ポルノであることを謳って販売されていたものを購入していた場合、ネットオークションでの宣伝文句やそのDVDの内容次第では、児童ポルノと認識していたと評価されてしまう可能性も十分にありえます。
仮に児童ポルノと認識していたことについて争いがない場合には、贖罪寄付などで得た収益を手元に残しておかないなどの反省の態度を示し、罰金刑や執行猶予付きの判決を求めることになります。
捜査機関に発覚する前であれば自首をするなどして、少しでも逮捕や実刑を回避するための方法がありますので、弁護士への早期のご相談をおすすめ致します。
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