大学教員が17歳に淫行をして逮捕。職業は逮捕の確率に影響する?

1 報道の概要

2022年6月18日午前11時ごろ、熊本県内のホテルで、SNSで知り合った相手が高校生と知りながら当時17歳だった県内の少女にみだらな行為をしたという熊本県青少年保護育成条例の疑いで、大学教員が逮捕されました。今年7月に少女が通う高校の教職員が県警に通報して発覚したとのことです。

この記事では、いわゆる淫行の事件で、職業が逮捕の可能性に影響を与えるかについて解説をします。

 

2 通常逮捕の要件

通常逮捕をするには、事前に裁判官に「逮捕状」という許可状を取得しなければなりません。

警察官が裁判官に逮捕状を発行してもらうための要件は、罪を犯したことが疑われる相当な理由があることと、明らかに逮捕の必要がないとはいえないことの2つになります。

逮捕の必要性は、容疑者の年齢、境遇、犯罪の軽重・態様その他の事情を総合的に考慮して、逃亡のおそれがあるか、証拠隠滅のおそれがあるかなどで判断されます。

 

3 SNSを通じた淫行の逮捕の可能性

SNSを通じた淫行の場合は、比較的逮捕されていることが多いように思います。

それは、淫行という比較的軽微な犯罪ながら、メッセージのやり取りが消されたりする可能性があることや、他の児童との関係でも余罪がある可能性が高いということが影響しているように思います。とくに被害児童が中学生の場合は、悪質性が高いということで、警察に発覚すれば高い確率で逮捕されるように思います。

 

4 きちんとした仕事をしている場合は逮捕の可能性が下がるが・・・

正社員などの場合、仕事を投げ出して逃亡する可能性までは低いということで、逮捕の可能性が下がるといわれています。とくに大学の教員などの場合は、一般論としては、採用枠もあって就職困難だということもあり、仕事を投げ出してまで逃亡することが考えにくい職種だということがいえますので、逮捕の可能性が下がる要素だといえます。

しかしながら、淫行というものが未成年者への性犯罪であるという性質上、教育者である大学教員がそれを行えば、大学を去らなければならない可能性が高いといえます。そのような点で逃亡の可能性があると判断され、17歳に対する淫行という比較的年齢の高い未成年者に対する淫行であっても逮捕に踏み切られた可能性があります。

職業によって、逮捕の可能性が下がることもありますが、犯罪の性質によっては、それが影響しないこともあるということをご理解いただければと思います。

もし淫行をしてしまった場合、逮捕を避ける上で弁護士とともに自首をすることは有効な手段です。

もしお悩みの方は、当事務所までご相談いただければと思います。

 

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