名門大学の体育会系部活の部員が準強制性交で逮捕。準強制性交とは?どういう場合に逮捕される?
1 報道の概要
報道によると、容疑者4人は共謀し、2022年5月21日未明、京都市中京区のバーで女子大学生(20)と飲酒した後、容疑者の一人の自宅に連れ込み、午前4時35分~同5時25分の間、酒に酔って抵抗できない女子大学生に性的暴行を加えた準強制性交の疑いで逮捕されたとのことです。
この容疑者4人は、名門大学の体育会系部活の部員だったということです。
本コラムでは、弁護士が、準強制性交とは何か、どういう事例で準強制性交が成立するかを解説していきます。
2 準強制性交とは
準強制性交とは、ざっくり言えば、暴行または脅迫以外の方法で抵抗できないようにしたり、抵抗できないような状況を利用して性行為をする犯罪です。
抵抗できないような状態というのは、法律用語では「心神喪失」「抗拒不能」といいます。「心神喪失」とは、精神の障害(知的障害があり5歳程度の知能しかない場合など)や、意識喪失(熟睡、泥酔、失神など)によって、性行為が行われることについての認識をしていない状態を指します。
「抗拒不能」とは、物理的な理由(手足を縛られているなど)や心理的な理由(勘違いしたり、恐れたりして、抵抗できないものだと思っている場合)で抵抗できない場合を指します。
酒を飲ませて泥酔させて性行為を行うというのは、準強制性交の典型例だといえます。
3 飲酒による強制性交の場合、どのような事案が逮捕・有罪判決されているか
単に飲酒をして性行為に及んだだけでは、この犯罪に該当しません。たとえば、酒の勢いで肉体関係を持ったが、あとから後悔をしたとしても、この犯罪には該当しません。
いくつか裁判例が出ていますが、多くの事件で、被害者が嘔吐していたり、ほとんど意識がない状態であったということが認定されています。また、多人数で煽って被害者にお酒を飲ませていることを認定しているものも複数あります。
あくまで一つの指標にすぎませんが、被害者が嘔吐するような泥酔状態であることを認識して性行為に及んだ場合は、捜査対象になって逮捕のリスクが高まり、さらに集団で飲ませた場合は、そのリスクが格段に上がるものと考えられます。
今回の事案も、詳細はわからないですが、複数でお酒を飲ませていたでしょうし、おそらくは被害者の嘔吐の事実などがあるのではないかと推察されます。
4 もし泥酔状態の人と関係をもってしまったら
この手の案件は、逮捕されると報道のリスクが極めて高い犯罪です。
もし泥酔状態の人と関係を持ってしまったら、自分の地位を守るためにも、弁護士に相談し、対応を協議することをおすすめします。
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