動画配信サイトで有料配信したとして、男性が逮捕されたとの報道!?

1 報道の概要

女性の裸が映った無修正のわいせつ動画を動画配信サイト「FC2コンテンツマーケット」でわいせつ動画1本を有料配信したとして、警視庁保安課は、海上自衛隊員の容疑者(32)をわいせつ電磁的記録等送信頒布の疑いで逮捕したと発表されました。2020年10月以降、ネット上にある無修正動画を自ら編集し、50本程度を配信して1000万円以上を売り上げたとみています。

警察は、同様に無修正のわいせつ動画を有料配信したとして、他に男性6人を同容疑で逮捕したと発表した。合計の売り上げは4億7000万円超とみられます。

本件について、法律上の問題点を解説いたします。

 

2 わいせつ物と児童ポルノ

最近では、児童ポルノの製造売買について、逮捕されたという発表が多くなされています。

その一方、児童ポルノに該当しないポルノならのわいせつ画像等については、昔ほどは厳しい取り締まりはなされていないようです。児童ポルノでない場合は、ネットなどで多くの「わいせつ画像・動画」が出回っているが、事実上放置されているのが現状と言えます。

ただ、本件のように、わいせつ物などで多額の収益を上げている場合には、やはり警察が動くことが多いです。(児童ポルノの場合は、収益などに関係なく警察は動くと言えます。)

 

3 捜査対象となり、起訴されるのは一部のみ性犯罪事件の余罪

本件では、わいせつ動画1本の配信について逮捕されています。多くの類似犯罪の疑いがある場合でも、逮捕されるのは通常そのうちの1件のみである場合が多いです。

逮捕状を取るにしても、その後起訴するにしても、一つ一つの犯罪事実について詳細な事実確定と、証拠の準備が必要となります。そこで、かなり疑わしい事実が多数ある場合でも、確実なものを1-2件だけ立件するのが、通常行われている捜査方法なのです。

 

4 公表される基準

本件は総額1000万円ほど利益を受けた人が逮捕された旨公表されています。

しかし、合計7名の事案が発覚し、総額4億7000万円以上の利益がでているなら、本件以上に荒稼ぎをしているものが複数いたはずですが、その人たちは名前入りでの報道はされていないようです。本件の被疑者が名前入りで報道されたのは、ひとえにこの人が自衛隊員という公務員であったからと思われます。

実際、痴漢事件でも盗撮事件でも、通常の会社員などでは報道されない事案でも、被疑者が公務員の場合には報道される事案が多数見受けられます。

 

5 わいせつ画像動画配信で捜査されている方へ

児童ポルノの場合はもちろん、通常のわいせつ物の配信などでも、逮捕起訴される可能性は十分にあります。

性癖矯正のための治療・入院措置、検察官との交渉など、不起訴処分を目指したり、罰金刑で終わらせるための、多くの弁護活動が必要となってきます。

出来るだけ早く、経験豊富な弁護士に相談されることをお勧めします。

 

 

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