女性になりすまし、男子高校生に裸の動画を送らせた教諭が書類送検されたとの報道!?
1 報道の概要
約7年前からツイッターで20歳代女性になりすまし、300人前後の男子中高生らに自画撮りさせ、裸の画像や動画を送らせたとして、大阪府警に児童買春・児童ポルノ禁止法違反(製造)容疑で小学校の教諭が書類送検された。パソコンなどに約1800点が保存されていた。小学校での被害報告はないという。教諭は容疑を認めている。
本件報道をもとに、児童買春・ポルノ禁止法違反事件についての弁護活動を解説します。
2 「なりすまし」自体は犯罪になるのか?
本件では教諭は、20代の女性に成りすまして、裸の動画等を送らせています。ただ、この点は児童ポルノの処分を考える上では、あまり大きな意味はなしません。仮に犯人が本当に20代の女性であったとしても、18歳未満の者の裸の動画等を要求していたならば、同じように処罰されることになります。
もっとも、なりすましという手段を使うことが、本件教諭の処分を決めるにあたり、情状面でマイナスに評価されることはありえます。
3 男子の写真でも児童ポルノといえるのか?
児童ポルノといえば、女子のものをいうと勘違いしている方もいます。しかし、法律上の児童ポルノは、たとえ男子のものであっても、18歳未満のものならば該当します。
実際問題、18歳未満の少年に対する性的犯罪は相当数あり、当事務所でも多くの事件を扱ってきています。
4 逮捕はされないのか?
今回の事件では、教諭は逮捕されていません。児童買春の場合は通常逮捕されるのが主流ですが、児童ポルノでの事件で、特に相手が自分でポルノを作っている本件のような事案では、逮捕はされないこともあり得ます。
弁護士が早期に入れば、自首をすることや、積極的に捜査協力することで、逮捕を免れることも可能となってきます。
5 本件の弁護活動
本件では被害者の数が非常に多いので、一人一人との示談等はかなり困難です。それでも、立件されている事案を中心に、粘り強く示談活動をすることには意味があります。
また、今後の性向を変えるための治療行為や、世間の人たちに不安を与えないための職業の変更なども積極的に行い、何とか不起訴とする可能性を探っていくことになります。
児童ポルノ法で捜査対象となる方は、ぜひ弁護士に相談するようにお勧めします。
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