小学生に裸の画像を撮影させたなどの疑いで、元力士が逮捕されたとの報道!?
1 報道の概要
元力士の男性(20際)が当時11歳だった女子児童に裸の画像を撮影させたなどとして、児童買春・ポルノ禁止法違反(製造)の疑いで逮捕されたとの報道がありました。男性は、今年の3月ごろ、アプリ上で16歳の女性と偽って被害少女と知り合った上で、LINEを交換し「裸の画像を交換しよう」と要求をすることで、裸の画像を送らせた疑いがあるそうです。
今回は、この事件を題材に、児童ポルノ禁止法違反事件の弁護活動について解説します。
2 自分は写真をとっていなくても、児童ポルノ禁止法違反になるのか?
児童ポルノ禁止法は、18歳未満の男女を「児童」とした上で、児童の裸を写した写真のうち、性的刺激が強い画像などを「児童ポルノ」として取締の対象にしています。
今回の事件で、男性は、児童ポルノ禁止法の犯罪のうち、児童ポルノを「製造」したということで逮捕されています。実際に撮影を行ったのは少女自身なのに、「製造」したといえるのでしょうか。
児童ポルノ禁止法は、相手児童を撮影した人だけでなく、児童に写真を作らせた人も取り締まるようになっています。今回の男性も、児童ポルノ禁止法違反になる可能性があるのです。
3 逮捕と実名報道の可能性
児童ポルノを製造する行為は、児童ポルノ禁止法違反として、3年以下の懲役または300万円以下の罰金になります。刑罰からすれば、とても重大な事件であることがおわかり頂けるかと思います。
ですから、児童ポルノの製造は、逮捕される可能性が非常に高い犯罪です。また、逮捕に伴って、実名報道がされる可能性も十分にあります。今回の男性は、実名報道がされていました。身分が高い人、ある程度名の知れた人、公務員などは特に実名報道の可能性が高いです。今回も、男性が元力士であったことは、実名報道と無関係ではないでしょう。
4 児童ポルノ禁止法違反事件の弁護活動
今回男性は逮捕されています。逮捕された人は、外の世界と連絡がほとんど取れない状態になり、逮捕の段階では、基本的には家族ですら自由に会うことができません。
逮捕段階で弁護人がご依頼を受ければ、逮捕された本人に会って連絡や安否確認などをするだけでなく、少しでも早く外に出られるよう、できる限りの弁護活動をすることになります。事件を素直に認め、児童ポルノをきちんと提出していれば、早い段階で釈放できる可能性もあるところです。
さらに弁護人は、事件の結果を大きく左右する弁護活動をさせて頂きます。それが、示談交渉です。弁護人が本人の代理として、謝罪の意思を伝えるとともに、謝罪金を受け取ってもらえないか、被害者の方に働きかけます。その末に、事件を許してもらうような言葉を頂ければ、示談は成功です。
示談が成功すれば、不起訴になる可能性が十分あり、不起訴になれば、前科がついたり罰金になったりするのを防ぐことができます。
5 児童に裸の画像を送らせてしまった方はご相談下さい
刑事相談をしていますと、思春期の少年少女同士がSNS上で裸の画像などを見せ合ってしまう事件を、よく耳にします。
それらの事件には、逮捕されるまで行かないケースもあります。しかし、今回は、20歳の男性が16歳の女性と偽って写真をもらうというものであり、児童同士の見せ合いとはわけが違います。
児童たちの見せ合いが検挙されていないからといって、安心できるものではありません。
児童ポルノを製造してしまった方は、直ぐにでも弁護士に相談されることをお勧めいたします。
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