タクシーの無賃乗車と運転手の財布を盗んだ疑いで男を逮捕との報道!?
1 報道の概要
住所不定・無職の男性が、詐欺や窃盗の疑いで逮捕された。
容疑者は山形市から郡山市まで、料金を支払うつもりがないのにタクシーに乗車し、料金5万2900円を支払わなかったうえ、乗車中に、現金2万円などが入った運転手の財布を盗んだ疑いがもたれている。
容疑者は、「金をとってくる」と言ってそのまま逃走したもので、警察の調べに対し、容疑を認めている。
本件報道の法律問題について検討します。
2 詐欺になる場合とは?
タクシーに乗って、お金を払う段階で財布を忘れたことに気が付いても、詐欺罪にはなりません。初めからだますつもりで、タクシー乗車という役務をだまし取った場合に詐欺罪になります。後からお金がないことに気が付いて、それで悪い気をおこして逃げたとしても、詐欺とはいえません。
ただ、お金を持たないで逃げ出したような場合、当初から支払う意思がなかったのではないかと認定されて、詐欺罪が認められる可能性が高いといえます。
3 無職で住所不定であることは、犯罪成立等に関係するか?
これらの事由は、犯罪の成否には直接は関係しません。しかし、無職で住所不定となると、最初からお金を支払う意思はなかったと、認定されやすくなることは間違いありません。
また、本件はいずれにしても逮捕さる案件ですが、逮捕勾留なども、住所不定の場合にはされやすくなることも間違いありません。身柄を確保しておかないと、住所不定の者の場合、呼び出し等による出頭が期待できないからです。
4 本件の弁護活動
被害者のいる犯罪なので、損害賠償からの示談が一番大切になってきます。
無職で住所不定の本人からは、示談金を期待できませんので、弁護士から親族などへ連絡して、賠償金を負担してもらえるようなアレンジを行うことも必要になってきます。
5 詐欺件や窃盗罪を起こした方は、すぐにご相談ください
弊所では、多くの詐欺事件や窃盗事件を扱っています。
被害者との示談交渉、病的な犯行の場合の入院、親族との連絡、検察官との交渉まで、あらゆる面でサポートをさせていただきます。