会社の在庫30点を売却し、横領容疑で男性が逮捕されたとの報道!?

1 社員が会社在庫をリサイクルショップで売却した横領事件

北海道で、オフィス向けに電化製品などを貸し出す会社の男性社員が会社在庫30点を勝手に売却し、およそ170万円を横領したという容疑で逮捕されたという報道がありました。

男性は、2018年1月から12月にかけ、室蘭と倶知安の営業所長という立場を利用し、会社の在庫として保管されたいたエアコンやストーブなど30点を勝手にリサイクルショップに売却し、170万円を横領した疑いがあるそうです。

また、男性は、先月、同様の手口による別事件でも逮捕されていたといいます。

今回は、この横領事件を題材に、横領事件での弁護活動などを解説します。

 

2 単純横領罪と業務上横領罪

自分が保管や管理などを任された他人所有物を、勝手に処分などすれば、横領罪が成立します。一般的な横領罪を単純横領罪などと呼び、5年以下の懲役になると刑法で定められています。横領した人が、事務仕事の一貫で物の保管管理を任されていた場合には、業務上横領罪が成立します。事務として社会的責任が本来求められる分、その立場を使った業務上横領罪は、単純横領罪よりも重く罰せられ、10年以下の懲役と定められています。

男性は、会社のオフィス向け電化製品の管理を、会社から任せられていたのでしょう。それは、室蘭と倶知安の営業所長という立場と無関係ではないでしょうから、会社の事務として管理していたといえそうです。男性にかけられた容疑は、業務上横領の事実である可能性が高いです。

 

横領罪についての解説はこちらをご覧ください。

 

3 業務上横領罪の罰則など

横領罪には、紹介した通り、罰金の規定がありません。ですから、起訴されてしまえば簡単な手続で処分されることは無く、正式な裁判が開かれ、検察官から懲役刑を求められます。

相場としては、初犯で被害額170万円とするならば、2年弱の懲役刑と考えておいてよいでしょう。相場からすると、170万円の被害額であれば、執行猶予が付く可能性はありますが、200万円以上の事例では、執行猶予が付かない事例も散見されます。

しかし今回の場合、男性が既に100万円の同様事件の余罪で逮捕され、それも同時に起訴されることが予想されるため、執行猶予判決を得るためには、かなり高いハードルを超えなければならないでしょう。

 

4 業務上横領罪の弁護活動

男性は逮捕されてしまっています。そこで、身体拘束状態から開放するための活動を、まずはすることになります。

ただし、男性の場合、同様の手口による余罪で過去に逮捕されており、警察官は、同種の余罪が無いか更に捜査をすることでしょう。新しい被疑事実が見つかってしまえば、また逮捕されてしまうというリスクは、あり得るところです。

また、弁護人としては、示談交渉をして、なんとか情状面で有利な事実を積み上げて行き、裁判になっても、執行猶予判決がもらえるよう法廷で意見を述べ、弁護活動をします。弁償のみならず謝罪金をお支払いし、「許す」という趣旨の合意書を作ってもらえれば、200万円以上の事件でも執行猶予判決を得たり、規模が小さい事件については起訴されなかったりする可能性もありますが、業務上横領の被害者は会社であることが多いため、なかなか「許す」とまでは合意がとれず、裁判になってしまう可能性のほうが高いでしょう。

 

5 横領事件を起こしてしまった方は、ご相談下さい

横領事件は、会社に管理を任された財産などを対象としているケースが多く、会社が任せているばかりに、なかなか気づかれないで数年経ってしまうということもあり得るところです。

横領行為が積み重なれば、被害額も今回のケースのように、100万円以上の多額になってしまい、額が増えるほど、示談交渉や公判弁護も難しくなってきてしまいます。

多額になる前に、横領事実を認められ、弁護士とともに自首をするのも一つの手です。

コラムをご覧になり、自分は大丈夫か、、と不安になられた方は、まず弊所までご相談下さい。

 

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