8年前の小学生への性的暴行で男が逮捕されたとの報道!?

1 報道の概要

8年前の当時小学生であった女児に対して性的暴行を加えたとして、52歳の男が逮捕されたとの報道がありました。男性は、女児に対し口止めをしていたのですが、去年、女児の家族が警察署に被害の相談をし、事件が発覚したとのことです。警察は、男性が犯行当時に携帯電話で撮影していた動画や画像を復元することで、男性を逮捕したそうです。

今回は、この事件を題材に、いわゆる強制性交等事件について、その弁護活動などを解説します。

 

2 男性にはどのような嫌疑がかけられているのか?

刑法には、強制性交等罪と、強制わいせつ罪が定められています。13歳未満の相手に性交や、いわゆる肛門性交、口腔性交を行うと、相手の同意にかかわらず強制性交等罪になります。そのような行為に至らなければ、強制わいせつ罪に問われることになります。

強制わいせつ罪は、公訴時効が7年であり、これが過ぎると、検察が起訴できなくなりますので、逮捕されることも普通ありません。一方で、罪がより重い強制性交等罪の公訴時効は、10年になっています。

今回の事件では、男性は8年前の女児に対する性的暴行という嫌疑で逮捕されています。このことからすると、男性が行ったとされる性的暴行は、強制性交等であるという疑いで捜査されている可能性が高いです。

なお、8年前の行為については、その当時の刑法が適用されます。ですから、男性に問われているのは、厳密には、強制性行等罪の前身の「強姦罪」(いわゆる姦淫に対してのみ成立)になります。

 

3 女児に対する性的暴行が発覚する経緯

女児に対する性犯罪事件は、性的な行為の意図や意味を、女児自体が理解できないことから、また、加害者による精神的抑圧がかかりやすいことから、発覚することが遅れるケースが多いです。今回の事件についても、女児は男性に口封じされていたことが報道されています。

そのような、女児からは自発的に事件が発覚しない状態から、ふと女児に物心がついたときに、「そういえばあんなことがあった」と家族に打ち明けたり、加害者が別の事件を起こし、記録媒体のデータなどが調べられることで、強制性交等事件の映像が見つかったりして、事件が明らかになります。

今回の事件では、男性の携帯電話のデータを復元し、撮影動画や画像が手に入ったことで、逮捕につながったと報道されています。男性から被害届に関する事情を聴取して携帯電話の任意提出を受けたか、警察が令状によって携帯電話を差し押さえたものと考えられます。

 

4 強制性交等罪や旧強姦罪の刑罰と弁護活動

強制性交等罪は、法律上、5年以上の懲役になると定められています。強制性交等罪は、平成29年法改正前は強姦罪という名前であり、法律上は3年以上の懲役になると定められていました。

時代はどうであれ、女児への性交行為は、示談がうまく出来なければ、公判請求で検察から懲役刑を求められるのが基本です。その場合、強姦罪だった頃は、まだ執行猶予を獲得しやすい状況でした。

しかし、強制性交等罪になって、5年以上が刑の標準になってしまったことから、執行猶予を取るためには酌量減刑が必要になり、相当ハードルの高い弁護活動になってしまいました。執行猶予が3年以下の懲役刑についてのみ付けることができるからです。

そういったこともあり、こういった事件での示談交渉は、ますます重要性を増しています。示談交渉が被害者家族とうまく行けば、事件によっては、不起訴処分になることもあり得るのです。

起訴されてしまったら実刑になって刑務所に行かなければならない可能性が高いことを考えると、弁護士に示談を依頼するかしないかで、事件の結果が180度変わってしまうこともあるのです。

 

5 いずれ明らかになるかもしれない過ちに、お一人で悩まれる前に

今は被害者自身が気づいていない、被害を告知していないような性犯罪事件でも、時を経て明らかになるということは、とても多いです。撮影行為などが伴っていれば、今回のように警察が粘り強く捜査することで、データを復元し、証拠を固められることだってあり得ます。

弊所は数多くの性犯罪事件を扱ってきました。

発覚していない事件には、自首同行などの、有効な弁護活動もあります。身体解放に向けた弁護活動にも実績があります。

まずは、弊所にご相談下さい。

 

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