居住用と偽り契約したとして、詐欺の疑いで会社員が逮捕されたとの報道！？

１　報道の概要

オウム真理教の後継団体「アレフ」の施設として使う賃貸マンションの部屋を、実際は新規信者獲得を目的とした活動拠点に使うにもかかわらず、居住用と偽り契約したとして、神奈川県警公安１課は１０日、詐欺の疑いで、２９歳の会社員を逮捕しました。容疑を否認しています。

容疑者はアレフの在家信者で、会員制交流サイト（ＳＮＳ）や街頭などで若者に勧誘を行っていました。

マンションはヨガ教室として使用され、数人が出入りするところが確認されています。

以上の事案をもとに、法的に問題となる点を解説いたします。

２　何故詐欺罪となるのか？

カルト宗教が問題なのは間違いないが、本件が何故「詐欺罪」になるのか、疑問に思う人の方が多いと思われます。

確かに使用目的は正直に言わなかったにしても、家賃をしっかりと払っている以上、詐欺というのは不思議だというのが、一般人の感覚でしょう。

ただ、たとえ家賃は受け取っていたとしても、騙されなければ部屋の賃貸をしなかったという関係にあれば、詐欺罪は成立することになります。

３　ヤクザのゴルフ場利用

以前似たような事案で、ヤクザがゴルフ場を利用したことが詐欺罪に当たるとされたものがあります。

反社会的勢力に属する者には、ゴルフ場の使用は認めないとされています。

それにもかかわらず、ヤクザであることを隠して申し込み、ゴルフというサービスをだまし取ったのが詐欺に当たるという理由になります。

４　詐欺罪の不明瞭性

法律の専門家にとっても、何が詐欺に当たるのかどうかは、必ずしも明確ではありません。

居住用として家を借りて、その中で商売を始める人は沢山います。

しかし、それらの人が詐欺罪として、警察が動いたということはありません。

未成年者がお酒を購入することも、理屈から言えば同じように詐欺罪に当たるはずです。しかし、これまた立件したということはありません。

カルト宗教や反社会的勢力に該当する人が行ったときには詐欺罪になるというのが、現実の運用と考えられます。

５　詐欺件を起こした方は、すぐにご相談ください

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