裸の写真をバラまくと元カノを脅迫したとして、男が逮捕されたとの報道!?
1 報道の概要
脅迫の疑いで住所不定無職の男性(39歳)が逮捕されたとの報道がありました。
男性は、過去に交際していた20代の女性に対し、LINE上で、その女性の裸の画像と「お前の裸の写真を全国にばらまくぞ」などのメッセージを送りつけたとのことです。女性が警察に相談したことで事件が発覚し、男性は、「好きだった彼女と連絡が取れなくなり、腹が立った」として、概ね容疑を認めているようです。
今回は、この事件を前提に、リベンジ・ポルノや脅迫事件の弁護活動を解説します。
2 リベンジ・ポルノにはどんな犯罪が成立するのか?
交際していた相手に対する腹いせや復讐のために、交際時に撮影した相手の裸等性的な写真や画像をネットの掲示板などに載せるというリベンジ・ポルノが、近年問題になっています。このような行為には、相手の同意が無ければ名誉棄損罪が成立しますし、同意があっても、わいせつ物頒布等の罪が成立します。
さらに、事件の増加に対応する形で、私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律(通称リベンジ・ポルノ防止法)が定められました。プライベートで撮った相手の性的な画像を、相手が誰か特定できる方法で公表すると、この法律にも反することになります。法律上の刑の重さは名誉棄損罪とあまり変わりませんが、相手の告訴がなくても罰することができ、逮捕の可能性も高い点が、異なります。
3 画像を載せなくとも犯罪になるケース
今回の事件では、男性は、ネット上に画像をアップした疑いで逮捕されているわけではありません。男性は、LINE上で、相手に対し「お前の裸の写真を全国にばらまくぞ」などのメッセージを送りつけたという理由で逮捕されています。
しかしながら、相手の名誉に害を加える旨を告知して人を脅迫した場合、脅迫罪が成立します。仮に今回のメッセージ送付が本当にあったとすれば、相手の女性が畏怖するのには十分ですから、脅迫罪が成立する可能性は高いのです。
それゆえ男性は、脅迫の疑いで逮捕されたというわけです。
4 リベンジ・ポルノや脅迫事件での弁護活動
今回の事件で、男性は逮捕されています。逮捕された事件の場合、まず身体拘束から被疑者を解放する弁護活動を行います。ただ、今回の事件の場合、男性は住所不定無職ということがあり、身体拘束をただちに解くというハードルは高いです。
また、早期の段階から相手の方と示談交渉をするという弁護活動は、リベンジ・ポルノに関する事件では、重要な意義を有しています。反省を示し、解決金をお支払いし、相手が「許す」という合意をしてくれるなら、不起訴処分を獲得できる可能性は高いですし、早期段階での身体解放もあり得ます。
ただし、リベンジ・ポルノなどの事件では、今後相手に一切近づかない、持っているデータをすべて消去するなどと誓約することが、示談を成功させる上では必要になってくるでしょう。
5 リベンジ・ポルノをした方や相手を脅してしまった人はご相談下さい
今回、男性は腹を立てて事件を起こしてしまったと容疑を認めています。リベンジ・ポルノは、交際相手との感情のもつれから、突発的にそのような行為をしてしまうケースが多いです。冷静になったときに、後から後悔される方も多いと思います。
弊所では、リベンジ・ポルノのみならず、様々な性的な犯罪事件を弁護してきました。
ご自身がされてしまったことの処遇に悩まれている方は、ぜひ弊所にご相談下さい。