トレーニングジムでの強制わいせつ容疑で、消防士が再逮捕されたとの報道!?
1 報道の概要
兵庫県尼崎市で、自身がトレーナーを務めるトレーニングジムで、通っていた女性を全裸にさせ太ももを触ったとして、尼崎市の消防士が強制わいせつで逮捕されました。この消防士は、同じジムに通っていた別の女性に対しての強制わいせつで逮捕されていて、今回は再逮捕になるようです。
2 今後想定される刑事手続
強制わいせつは、6カ月以上10年以下の懲役という重い罪で、罰金刑はありません。したがって、起訴されるときは必ず正式裁判ということになります。また、被害者に対して脅迫するなどの働きかけがあり得ますので、ほとんどの場合で勾留されます。電車内での痴漢のうち、陰部まで触ったとして強制わいせつで検挙された場合は、在宅での捜査もあり得ます。
今回のように余罪がある場合には、最初の1件を起訴して、起訴後勾留を使いながら操作を続けていくパターンと、再逮捕を繰り返して、最後の事件でまとめて起訴するパターンなど、色々なパターンがあります。いずれにせよ、立件予定の全ての事件について捜査が終わらない限り、身柄の解放は難しいといえます。
他方で、全ての事件についての捜査が終われば、保釈も認められる余地が充分あります。ただ、保釈金は相当な金額になることが予想されます。
3 弁護活動
近年の法改正により、強制わいせつ罪は親告罪(被害者の告訴意思がなければ起訴できない罪)ではなくなりましたが、実務的には、被害者との間で示談が成立し、被害者が処罰を望まないという状況になれば、起訴猶予になる可能性が高いと言えます。
したがって、起訴されるまでの約20日間のうちに、迅速に被害者との間で示談交渉を行う必要があります。示談が成立すれば、勾留期限前の釈放もあるでしょう。
示談金は、具体的な事案の内容や当事者の資力によりますが、強制わいせつですと、一般的には50万円以上になることが多いと思われます。
なお、本件では、「水着にさせたのはトレーニングのビフォー・アフターを記録するため」「陰部には触れていない」と述べており、被疑事実を一部否認しているようですが、行為を携帯で撮影したという事情もあり、画像や動画の内容から、供述の信用性を確かめることになります。
否認するのであれば、少しでも自白の調書を取られないように、逮捕当初から、供述には注意する必要があります。
4 刑事事件を起こしてしまった方は、すぐにご相談ください
このように、早期に弁護人を付すことで、起訴猶予や早期の釈放を目指すことができます。
刑事事件を起こしてしまい、刑事処分が心配だという方は、すぐにご相談ください。
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