強制わいせつ事件において、不起訴処分と早期の身柄解放を実現した事例
罪名:強制わいせつ
1.事案の概要
本件は、路上を通行中の女性に対して、背後から近づいて胸部などを触ったとして、強制わいせつの容疑で逮捕されたという事案です。
2.弁護方針の策定
早速本人と接見して話を聞いたところ、そのような行為をしたことは間違いないこと、その他に同じようなことはしていないこと(余罪のないこと)、これまでに前科前歴がないことが確認できました。
そこで、早期に被害者の方と示談の話を進め、不起訴獲得を目指す方針としました。
強制わいせつ事件における示談金の相場は50~100万と考えられています。余罪がある場合、複数の行為が立件されれば、数百万円の示談金が必要となることもあり得ます。
そのため、余罪がある場合、最終的にどこまで立件されるか分からない段階では、示談を進めるべきか難しい判断を迫られます。
本件では余罪がなかったため、速やかに示談締結に向けて動くべきと判断しました。
3.示談交渉
示談交渉は、被害者の方のお気持ち次第です。
そのため、当然ながら、示談金が用意できれば必ず示談していただけるということではありません。
一方で、十分な示談金が用意できなくとも、その他の条件を提示することでご納得いただけることもあります。
本件でも、被害者の方が希望された示談金額は用意できなかったものの、事件現場付近には近づかないこと、近い将来に引っ越しをして生活圏を変更するなどの約束をすることで、最終的には示談していただくことができました。
4.検察官との交渉
不起訴処分及び身柄解放のためには、判断権者である検察官との交渉が必須です。
実際には、示談交渉と並行して検察官との交渉も進め、内諾をとっておくことが常です。それにより、示談成立後には速やかに身柄解放に向けた手続きを進めることができます。
逆に、検察官が起訴するかどうかの判断までに示談が間に合いそうにない場合には、勾留延長を打診するなどして、判断時期を延ばしてもらうなどの交渉もします。
このあたりは、事態の進展に即した臨機応変な対応が求められるところです。
5.本件での結果
本件では無事に示談が成立したこともあり、逮捕から5日後には釈放され、その2週間後には不起訴処分が確定し、事件が終結しました。
早期に身柄解放できたことで、仕事などの社会生活への影響も最小限に抑えることができました。
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