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誠意とお金の話

刑事弁護の相談でいらした方に、私が最初に必ず言うことがあります。それは、「被害者がいる場合には、誠意をもって謝るとともに、損害を賠償することが一番大切です。お金が十分に無いのならば、弁護士を頼むのを止めても、被害者にお金を払う方が良いですよ」ということです。

 

実際、100人の有能な弁護士を付けるよりも、被害者に賠償した方が、はるかに弁護活動としての意味は大きいのです。被害者に賠償するときに、「金さえ払えばいいんだろう」などという態度をとっては、まとまる話もまとまらなくなることは言うまでもありません。誠意をもって謝る必要があります。しかし、いくら誠意をこめて謝っても、それをお金という形で現わさなくては、被害者に誠意が届かないことも事実だと思います。ただ単に「謝りたいので会って下さい」などといわれても、被害者としては良い迷惑に思うだけです。

 

損害を賠償し、金銭面でお詫びの気持ちをあらわすことによって初めて、被害者としても会って話を聞いても良いかなという気持ちになるのです。お詫びを受け入れても良いかなと思うのです。この辺のことは、世間智のある人なら、当然分かっていることだと思うのですが、意外なことに弁護士でも分かっていない人がいるようです。「誠意とお金は車の両輪」というのは、刑事弁護覚書の最初に持ってきても良い教訓だと考えています。

 

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