一度破談になってから示談が成立した盗撮事件
解決までの期間:3か月
最終処分:不起訴
1、被害者との交渉
その事件は、ごくありふれた盗撮事件でした。
また、被害者も連絡先を開示してくれましたので、示談成立の可能性も高いのではない思っていました。
しかし、実際に話を聞いてみると、被害感情は強いもので、弁護人との連絡も、被害感情を素直に伝えたかったから、というものだったのです。
示談はしないという結論は変わらない中で、非常に厳しい話し合いでしたが、なんとか、再度交渉の連絡をさせてもらうことはできました。
2、検察官との交渉
検察官にも経過を踏まえ、交渉を行いました。
検察官としては、被害者が処罰を希望する限り、処罰せざるを得ません。
ただ、私からは、被害者が本当に処罰を望んでいるのかどうか、一時の感情で反射的に処罰を望むと話しているだけなのではないか、今回の見通しなどは理解しているのか、中立的な検察官の方で確認してほしい、と伝えました。
3、再度の交渉
当方からの意向を踏まえ、検察官の方で再度確認したところ、被害者から、改めて、当方と話したいとの連絡がありました。
被害者によれば、検察官からの説明を受け、かなり悩んでいるとの話でした。
私からは、私は加害者を守る「弁護人」という立場であることを説明しつつ、他方で、法律の専門家である「弁護士」という立場から、また一人の人間としての率直な意見を伝え、改めて考えてもらいました。
回答は、金銭での示談でした。
検察官からどのような説明があったのか分かりませんが、やはり色々な立場から、色々な意見、情報を伝え、しっかりと被害者に考えてもらうことで、よりよい結論を導けたのではないかという意味で、印象深い事件でした。