見せ合いに関する法律相談
見せ合いに関する法律相談は、まずはこちらをご覧下さい。
弊所には、インターネット上で知り合った相手(特に未成年者)との間で、恥部や陰部を露出ないし撮影するなどして見せあう、いわゆる「見せ合い」のご相談が多く寄せられております。
いずれのご相談も、同様のお悩みや質問を頂くことが多岐にわたりますので、以下、仮想相談事例を念頭において、Q&Aという形で、弊所見解をまとめました。
まずはこちらをご覧頂き、下記回答をご覧になってもお悩みのご相談者様におかれましては、詳しい事情を含めたご相談が必要となりますので、有料相談(ご来所またはZOOMなどのチャット形式。平日営業時間1時間税込1万1000円)をご利用ください。
【ご相談者様からの仮想相談事例】
トークアプリで知り合った未成年の方と、トークアプリで(または他のSNSに移動して)、性的な話をするとともに、お互いの同意のもと見せ合いをしようということになって、未成年の方から胸のはだけた画像をもらい、私からは陰部の画像を撮影して送りました。
すると、数日後、未成年の方から『親にバレた、警察に相談する』などと言われ、連絡が出来なくなってしまいました。
なお、そのトークアプリなど、相手とやり取りしたSNSは退会しました。
私に前科はありません。
【Q&A】
Q1未成年の方から、胸や恥部の画像をもらったり、自分から陰部の画像を送ったりするいわゆる「見せ合い」に、どのような犯罪が成立しますか?
A1:①未成年から画像をもらう行為、②自分がわいせつな画像を送る行為、それぞれ分けて考える必要があります。
① 未成年の方から胸や恥部の画像をもらうことは、児童ポルノの禁止法違反(所持・製造)にあたる可能性があります。
自分がもらった画像が「児童ポルノ」にあたるかは、同法条文(2条3項各号)を引用しておきますので、ご確認ください。
一 児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
二 他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
三 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、でん部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの
ここで注意したいのは、相手が同意していたからといっても、同罪は成立するということです。
また、別途述べる通り、最近の刑法改正により、16歳未満の者に対する映像送信要求罪が別途成立する可能性があります。(Q5へ)
なお、相手が13歳未満か、13歳以上16歳未満であなた生年月日が相手の生年月日より5年以上離れている場合、相手の裸や自慰行為の画像を求めて受け取る行為が、不同意わいせつ罪として立件される可能性があります。
本稿で紹介するどの罪名よりも重たい犯罪類型となりますので、別途注意が必要となります。(Q7へ)
② 自分がわいせつな画像を送った行為には、わいせつ物頒布等罪(刑法175条)が成立する可能性があります。
よく、トークアプリなどで知り合った方とだけ見せ合いをしたので、『頒布』したとはいえなのではないか?という質問を受けます。
しかし、付き合ったわけでも、実際に会ったわけでもなく、数時間や数回程度チャットしただけの相手にわいせつな画像を送ることは、
「不特定人」への提供と評価される可能性があり、やはり上記の罪が成立する可能性があります。
Q2もし、もらった画像が、その相手自身の身体ではなく、どこかのネットの画像で拾ってきたものであった場合には、犯罪は成立しないのではないですか?
A2:確かにその場合には、かならずしも児童ポルノ禁止法の製造に当たらない可能性も出てきますが、ネットなどから拾ってきた画像を受け取ることで、児童ポルノ禁止法違反(所持)にあたる可能性はあります。
Q3未成年の方に、わいせつな話をしたり、下ネタなどを交えてエッチな話をしたりすることに、犯罪は成立しますか?
A3:各県が定める青少年保護育成条例違反(卑猥な言動を教える等)にあたる可能性があります。
Q4お互いに、画像を送り合ったわけではなく、ライブチャットでPCやスマホの画面越しに身体を見せ合っただけでも、何かの犯罪は成立しますか?
A4:画像・映像として送り合っていなくとも、関係性の希薄な相手はやはり「不特定人」になるため、相手に陰部や恥部を見せる行為に、公然わいせつ罪が成立する可能性がありますので、そのリスクは常にお含みおき下さい。
Q5見せ合いの際、画像を送ってもらうようお願いはしたのですが、結局相手からは画像は送られてきませんでした。それでも何かの犯罪は成立しますか?
A5:この場合、画像をもらっていない以上、児童ポルノ禁止法違反には該当しません。
しかし、相手が①13未満の場合または②13歳以上16歳未満で、あなたの生年月日が、相手の生年月日より5年以上離れた年上の場合には、映像を要求しただけでも、映像送信要求罪(刑法182条3項)に該当する可能性があります。
Q6見せ合いをした時点では、相手の年齢を知らなかったのですが、後から「16歳」と言われ不安になっています。年齢を知らなかった、成人だと思っていた場合でも、犯罪は成立しますか?
A6:「相手のことを18歳以上と思っていたこと」をしっかりと立証できる証拠や手段があれば、場合によっては無罪を勝ち取れる可能性もあるかもしれません。しかしながら、仮に捜査にまで至った事件について、年齢の故意を争って処罰をまぬかれようとするのは、いばらの道になることが多いです。事案としては否認事件として扱われるため、逮捕等のリスクも出てくるでしょうし、最終的には、正式裁判を受ける可能性すら出てきます。
Q7事案は少し変わるのですが、画像を送ってくれたその相手が未成年ではなく、成人(18歳以上)だった場合はどうでしょうか?
A7:成人同士の見せ合い行為の場合、わいせつ物頒布等罪が成立する可能性は依然として残りますが、児童ポルノ禁止法違反には該当しません。
Q8「見せ合いが親にバレてしまい、警察に相談・通報する」と言われてしまいました。
①私は捕まってしまうのでしょうか?②また、捜査を受ける可能性はどれくらいでしょうか?
A8:まず、これまで見てきた通り、見せ合い事案はなんらかの犯罪に該当する可能性があります。
したがって、捜査を受ける可能性が全く無いとまでは申し上げられません。
① ただ、見せ合いは、お互いの同意のもとに行われることも多いですし、アカウントプロフィールに、お互いに誘い合うようなコメントを記載しておいて、コンタクトを取り合うケースも多いです。
そこで、未成年側から警察に相談するとしても、未成年の方にも、補導などのリスクが伴います。
相手側からも警察に相談しにくいという観点や、アカウント退会などの事情も併せれば、冒頭に挙げた設題のケースで、実際に自分に捜査が及ぶ可能性は、必ずしも高いものではありません。
② さらに、逮捕の可能性は、ご相談者様が少年(20歳未満)か、20歳以上か、どの程度の画像をどれくらいの頻度で貰い受けたか、前科を有しているか、などによって変わってきます。
例えば、成人が、17歳の未成年の同意のものと、児童ポルノを製造させて送らせた場合、初犯で事実を認めて反省していれば、逮捕リスクは高くないでしょう。
それに対して、①相手が13歳未満または②13歳以上16歳未満であって、あなたと相手の生年月日を比べて、あなたが5年以上年上となる事案については、相手から画像を受け取る行為を不同意わいせつ罪として立件する実務上の傾向があるため、注意が必要です。見せ合いにとどまらず、交際や実際の接触などがある事案では、捜査を受ける可能性は高まり、場合によっては逮捕される可能性もあるため、まずは弁護士に詳細を相談することをお勧めします。
また、少年が、12歳の子に児童ポルノを送らせたり、同じくらいの児童から画像をうけ、実際に交際にまで至って性的な行為までに及んだりするケースでは、少年事件として立件されるケースもあります。
弊所は、有料相談にて詳細の事情をお伺いすることで、その事案に沿ったよりクリアな見通しや、刑事事件の手続きなどをご解説しております。是非ご利用をご検討ください。
Q9見せ合いの後、未成年の相手から『警察に通報するかもしれない。示談金を払えば示談にしてあげる』と言われました。どうすればいいでしょうか?
A9:この手のご相談も一定数あります。もちろん、本気で示談の合意を、相手が求めている可能性もあります。
ただ、話合う相手が未成年本人の場合、未成年を理由に意思表示を取り消すことができてしまうため、確定的な私法上の合意(示談も含まれます)をすることができません。
また、昨今のネットでの相談事例をお伺いすると、幾分脅迫的な言動を伴っていたり、相手があえて見せ合いに誘い込んで金銭を要求したりしているように見える事案もあります。
そのような場合には、相手の未成年の方の行為にも、それなりの落ち度があり、相手が警察に相談するにもハードルがあります。
以上のような分析を参考にして頂き、相手の真意を検討し、またご自身の意思を踏まえたうえで、どうするべきか、ご判断されることになると思います。
Q10捜査を受ける可能性が全く無いとは言えない中不安です。自首をすべきなのでしょうか?
A10:なかなか悩ましい問題だとは思います。自首をしても、児童ポルノ禁止法違反は、示談などで不起訴にはしてもらえない可能性もあります。それは、この法律が、被害者の性被害というよりも、性規範や秩序を保護しているからです。
公然わいせつ罪や、わいせつ物頒布等罪も同様であり、自首をすると、自分に前科の付くリスクが出てきます。
そう考えると、ケースバイケースにはなりますが、静観をしておく方が望ましい場合もあります。
少しでも逮捕や急な捜査のリスクを下げたいという方、抱える事案がより重大な方は、自首をご検討頂くことになるかと思います。その場合、自首に向けて弁護士を付けるということも考えられます。
まとめ
以上のとおり、見せ合い行為には、なんらかの刑事リスクがつきまといます。
ただ、弊所での集計としましては、捜査を受ける前のご相談数の方が、捜査後でのご相談数よりも幾分多いというのが現状です。
今後リスクを抱えないような対策を立てて頂くため、このページでの解説が参考になれば幸いです。


