建造物侵入罪・青少年育成条例違反の自首事例

罪名:建造物侵入罪

最終処分:建造物侵入罪が罰金

※青少年育成条例違反につき捜査不開始

 

建造物侵入で逮捕され建造物侵入、罰金処分の目前

ただ、それ以外に黙っていた青少年育成条例違反の疑いが・・・

今回は、ご相談を受けたのが、について、逮捕され釈放はされた。

しかし、既に検察庁で罰金処分となる目前という段階でした。

さすがにもっと早く相談に来てもらわないと思ったのですが、依頼者が懸念しているのは、建造物侵入罪が罰金になることではなく、それと別個に青少年育成条例違反に該当し得る行為を行ったという別の事件についてでした。

 

青少年育成条例違反の事件とは

既に捜査されている事件と全く別の日時に、カラオケ店内で、SNSで知り合った18歳未満のおそれのある少女に、お金を払いその身体を触ったというものでした。

年齢が曖昧ではありますし、性交渉又は性行類似行為を行ったものではないので、児童買春や青少年育成条例に必ず該当するかといえば、かなり微妙なものです。

ただ、少女が18歳未満であれば、青少年育成条例違反に該当する可能性があり、また、捜査機関からみた場合には、児童買春の「容疑」を掛けられ得る事実関係だと判断しました。

 

今後の不安を払拭するために自首(自己申告)

相談者様の懸念は、上記の青少年育成条例違反の疑いある事実で、処罰を避けたいというものではなく、「いつ警察から連絡がくるかわからない」「捜査された場合には、また、逮捕されて、身柄拘束されるかもしれない」このような不安感を払拭しておきたいというものでした。

私のほうからは、犯罪該当性自体も疑わしく、また、発覚可能性も低いものだよ、ということも充分に説明したのですが、相談者様は、上記のように、自分が行った疑わしい行為によって今後脅えて暮らすのが嫌なんだ、というお気持ちが強かったです。

そのため、検察官にも、このような事実がありますと、弁護士を通じて事実関係を申告し、また、事件のあったカラオケ店の警察署にも事実を申告し、弁護士同行の下、出頭して事実を自ら申告しました。

 

別件として処分もされず、出頭したが警察でも捜査不開始

今回、相談者様のお話を前提とすると犯罪該当性等は疑わしい、ただ、客観的な事実関係だけを前提とすると、児童買春すら容疑を掛けられないという非常に微妙なものでした。

ただ、自発的に申告することで、「黙っててもいいのに、わざわざ話すぐらいだから信用できるだろう。」という経験則によって、今回は、別件としても処分されず、出頭するも警察でも捜査不開始となりました。

 

弁護士から一言

実務についていて警察に感じるのは、正直に話すとやさしいが、嘘をついたり隠そうとすると非常に厳しくなるということです。

今回も、自らの申告ではなく、少女が現に補導されて発覚した、ライン等のやり取りから児童買春の容疑を掛けられていれば、こんなに簡単に終了することはなかったと思います。

発覚前に自ら、自分の過ちを申告するのは、勇気のいることです。

ですが、それが結果として、良い結末を導くことになりますので、「正直に」話すことというのは刑事事件において特に大事なことといえるでしょう。

 

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