タクシーでのトラブルで逮捕されたが不起訴となった事件
解決までの期間:1週間
最終処分:不起訴
依頼者:妻
酔っ払ってタクシーの運転手を殴ってしまった
「主人がタクシーの運転手さんを殴って現行犯逮捕されてしまいました」
電話口の奥さんの声は非常に慌てていました。
歓送迎会や忘年会などのシーズンになると、このような事件は多くなるのですが、この事件も、職場の懇親会の帰りということでした。
タクシーでの犯罪は大事件になりうる
タクシーでのトラブルというのはよくありますが、弁護士からするとかなり警戒します。
一歩間違うと、大事件になってしまうからです。
というのも、「道を間違えた」とか「遠回りされた」とか、運賃を巡って運転手と口論になることはよくある話ですが、酔っ払っていてつい殴ってしまうなどすると、場合によって強盗にもなりうるからです。
これで怪我でもすれば、強盗致傷で裁判員事件となってしまいます。
私は、一抹の不安を抱えながら、すぐに接見にいきました。
早期の示談
本人の話を聞くと、まさによくあるタイプの事件で、運転手と口論となり、かっとなって殴ってしまい、犯罪防止用の運転席と客席を仕切るボードを破壊してしまったとのことでした。
その時点では、器物損壊と傷害でしたが、今後どうなるか分からない事件です。
私は、早期の示談のために、すぐにタクシー会社に連絡し、被害弁償や示談交渉のために会社を訪問しました。
そして、本人がひどく酔っていて悪気はないこと、心から反省していること、今もまだ勾留されていること、ボードやなどよく説明したところ、運転手と会社社長は、むしろ本人に同情し、反省の気持ちは分かったので、早く釈放してほしい、という嘆願書までもらうことができました。
満期を待たず釈放
私は、嘆願書を持って検察官にかけあい、このような事件における被害者意思の重要性や、本人の仕事に与える影響をよく説明した上で、直ちに本人を釈放し、不起訴とするように求めました。
これを受けて、検察官も迅速に対応し、勾留の満期を待たずに本人は釈放され、最終的に処分も不起訴になりました。
早期の釈放となったことから、本人は職も続けることができ、無事、社会復帰もすることができました。
捜査段階の刑事弁護は、とにかくスピードが重要である。このことを再認識した事件でした。