検察がヤクザの味方? 大逆転の器物損壊事件
罪名:器物損壊
解決までの期間:6か月
請求金額:500万円→0円
依頼者:本人
事件の背景
器物損壊事件を起こした依頼者から弁護活動を依頼されました。違法駐車を繰り返す自動車に腹を立て、傷をつけてしまったということです。
器物損壊事件としては、単純なものとなっています。通常は、損害額を賠償し、ある程度の慰謝料を支払って告訴を取り下げてもらうことになります。告訴さえ取り下げてもらえれば、器物損壊罪は処罰されません。
桁外れの修理代金
しかし、本件では、相手方が請求してきた車の修理代が桁外れでした。自動車は高級車でしたが、相当古い車です。それに、ついた傷は小さなものです。それに対する修理費用として500万円も請求してきたのです。ご丁寧に、自動車修理工場発行の請求書まで添付してありました。あまりに桁外れな請求額です。弁護士の方で車を見ましたが、特に修理がなされているようには見えません。さらに、問題の修理会社に匿名で電話して確認したところ、その会社では高級車の修理は扱っていないとのことでした。
検察官のびっくり対応
以上の事実を、本件を担当する検察官にぶつけて、このような事情を考慮して、相手方の請求額全額を賠償しなくても、本件を不起訴処分とするように要請しました。ところが、これに対する検察官の回答は、「高級車なんだから、修理費用もその位するよ。賠償しないというんなら、こっちも考えがあるから。最悪逮捕もあるから、覚悟しておいて!」というものでした。社会の常識の欠如した、まさにお役人としての対応です。
警察に逆告訴
検察官にここまで言われて、当方としても打つ手に窮しました。そこで、今度は警察署に行き、器物損壊の被害者側が、修理会社発行の虚偽請求書を出して、損害賠償を請求したことに対して、詐欺罪で告訴を行うことにしたのです。通常警察は、このような財産犯については、なかなか告訴を受理してくれません。ただ、本件の相手方はかなりおかしな人たちに見えたので、何とか少しでも調べてくれるよう強く要請しました。警察が相手方を調べたところ、指定暴力団の構成員と判明。その後は、警察も真剣に対応してくれて、相手方を詐欺罪で逮捕までしてもらえました。
無事に解決
それによって、相手方が謝罪し、器物損壊の告訴を取り下げることで、本件は無事に解決したものです。検察官の非常識な対応に驚きましたが、何とか依頼者を守ることができた、思いで深い事件です。
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