不起訴を獲得した事例

1、 一般的な薬物事件の流れ

 薬物というと、覚せい剤に始まり、多種多様な合成麻薬など枚挙にいとまがありません。警察を始め至るところに啓蒙ポスターが貼ってあるように、とても身近な犯罪です。弊事務所で担当したケースでも、普通の会社員や学生など、いわゆる「普通」の方が多く、薬物の恐ろしさを実感します。
 薬物事件は、色々な犯罪類型がありますが、最も多いのは、単純所持や使用です(なお、大麻は自己使用が処罰対象になっていません)。
 自己使用の単純所持や、使用であれば、逮捕から、20日間の勾留を経て起訴された後、執行猶予付きの判決になるというパターンがほとんどです。一緒に吸っていたり、共同で購入したなど、共犯がいる場合には、勾留中の接見禁止がつきますが、しっかりと手続きを取れば、ご家族については接見禁止が解除される可能性が高いといえます。
 また、薬物事件は、基本的に、起訴後に保釈も認められます。保釈金は人によって違いますが、通常は、150万円から200万円が多いでしょう。
 判決については、通常の量であれば、懲役1年6カ月の執行猶予3年ですが、所持量が多いとより重い懲役刑が科されることになります。
 他方、営利目的所持(売人など、誰かに売るために持っていた場合)や、以前に薬物の前科がある場合には、基本的に保釈は難しいですし、判決も実刑になる可能性が高いです。特に同種前科については非常に厳しく判断される傾向があり、執行猶予期間が切れていたとしても、実刑になることが充分予想されます。営利目的輸入となるとさらに重く、裁判の手続きも、普通の裁判ではなく、裁判員裁判です。

 

2、薬物事件の証拠

 所持の場合、まさに持っているかどうかで、職務質問や、タレコミからの家宅捜索などから発覚することがほとんどです。職務質問の場合で試薬を持っていなかったり、試薬一回で証拠がなくなってしまう場合には、警察署で正式に鑑定するため、その場で逮捕されず、検出されてから、後日逮捕というパターンもあります。
 使用の場合、尿から出ればアウトです。毛髪については、必ずしも正確でないことや時間もかかるためそこまで多くはありませんが、当然、実施されることもあります。

 

3、薬物事件の否認

 上記のように、薬物事件の場合、所持であれば薬物そのもの、使用であれば尿という証拠が出るかどうかが決定的ですので、これらがあるにもかかわらず否認するのはかなり難しいというのが実情です。被害者がいないため、示談して不起訴を取ることもできません。なお、例外的に、所持物から薬物が検出されたとしても、その所持量があまりに少ない場合、鑑定によって、証拠である薬物そのものがなくなってしまうことがあり、警察が立件しなかったり、不起訴になることはあります。

 

4、薬物事件で不起訴となった事例

 上記にもかかわらず、非常に例外的ですが、不起訴を勝ち取ったケースもあります。

① 所持について不起訴となったケース

 このケースは、半年前に、友人の車両内にあるカバンの中から薬物が見つかったという事実で、逮捕勾留されました。
 なぜここまで時間がかかっているのかは分かりませんが、実際にカバンは自分のものであったため、警察は所持で逮捕したものと思われます。
 本人に確認したところ、確かにその車両の所有者は友人であるし、カバンは自分のものだと思うが、全く身に覚えがないということでした。
 一般的に、他人の家や車両であっても、別の者の所有物品(財布、カバン、トランクなど)から薬物が見つかれば、その所有者の「所持」と言われます。もちろん、勝手に入れられるケースもありますので、このような事件では冤罪に注意が必要です。
 このケースはまさにそのような状況であった上、所持から半年も経過しているということで、しっかりと否認を続けたところ不起訴となりました。

 

② 使用について不起訴となったケース

 尿から薬物が検出されている状況で、使用について不起訴と取るにはかなり難しいと言えますが、例外は、誰かに打たれた、とか、飲まされたというケースです。
 ただ、このような言い分は、誰でも後からできますので、典型的な言い逃れと判断され、不起訴になったり、無罪になることはほとんどありません。
 不起訴となったのは、無理やり打った、とするその第三者が本当に存在したケースでした。要は、「単に誰か分からないがやられた」「初めて行った知らない風俗店で、薬物と知らずに白い粉末を飲んだ」といった抽象的なものではなく、確かにその第三者が存在し、①その者が認めたり、②認めてないなくてもそのようなことをする動機がある、といったケースなどです。
 実際の事例では、本人と非常に険悪な関係にある第三者がおり、その第三者も別の薬物所持で逮捕されたというケースや、寝ている間に違和感を感じたため本人は警察に行ったものの、警察が第三者に接触しながら、その後第三者が行方不明になったというケースがあります。
 いずれにせよ、かなり例外的ですが、否認で不起訴と勝ち取ったケースもありますので、自白調書を取られないように早めの対応が必要です。

 

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