持続化給付金を詐取したとして、少年らが詐欺容疑で逮捕されたとの報道
1 事件の概要
報道によると、令和3年2月9日、新型コロナウイルス対策の一環である「持続化給付金」を不正に受け取ったとして、茅ケ崎市在住の無職の少年(19)と事件当時19歳の会社員の男(20)が、詐欺の疑いで逮捕されたとのことです。
2人は共謀し、実行役の少年3人に指示して、個人事業主と偽り、虚偽の売り上げデータを添付して申請し、3回にわたり計300万円の給付金を受け取ったというものです。
ただ、2人は「詐欺に当たるとは思わなかった」などと容疑を一部否認しているとのことで、警察は指示を受けた実行役の少年3人についても調べを進めています。
2 詐欺罪について
詐欺罪は、10年以下の懲役という重い罰則が定められています。
また、罰金刑はありませんので、起訴された場合は正式な裁判となります。
ですので、これらを避けるためには、起訴される前に被害者と示談をし、不起訴処分を得ることが最も重要となります。
本件であれば、中小企業庁が持続化給付金の不正受給に関するコールセンターを設けておりますので、問い合わせをした上で、返還の手続きを行うことになります。
3 本件について
ただし、本件のように被害金額が大きい場合、世間的な注目度が高い場合や組織的な犯行が疑われる場合には、仮に返還したとしても(示談ができたとしても)起訴されてしまう可能性が高いといえます。特に、主犯格の2人は容疑を一部否認しておりますので、起訴される可能性はより高いといえるでしょう。
起訴された場合は、刑務所に行かないよう執行猶予の獲得を目指しますが、返還手続きをしているかどうかは結論にも大きく影響いたしますので、早めに返還手続きをしておくのがやはり重要です。
4 19歳であることについて
本件は主犯格の2人が19歳(うち1人は犯行時19歳)であり少年法の適用を受ける年齢であることから、実名での報道はありません。
しかし、会社員の男については現在20歳ですので、大人と同じ刑事手続きになり、起訴される可能性が高いといえます。
また、無職の少年も手続きの途中で20歳になる場合、又は家庭裁判所が必要と判断した場合は、同じく刑事手続きになり、起訴される可能性が高いといえます。
5 弊所の弁護方針について
もし警察に発覚する前であれば、早急に返還手続きを行い、警察へ出頭することが最善となります。
実際、弊所で扱った事案では、警察発覚前の段階でご相談いただいたものについて、警察への出頭に同行し、弁護士が担当警察官と交渉したことにより、厳重注意で終了できたものが複数あります。
警察への連絡、出頭やその後の交渉は弁護士が間に入ることにより、スムーズに進むこともあります。また、万が一警察に発覚し逮捕勾留されてしまった場合でも、被害金額や担った役割など事案によっては返還手続きをして、弁護士が担当検察官と交渉することにより、不起訴となることもあります。
お困りのことがございましたら、早期にご相談ください。