飲酒運転・人身事故・ひき逃げで罰金刑となった事例
罪名:道路交通法違反等
最終処分:罰金
1 事案の概要
本件は、飲酒して酒に酔った状態で車を運転し、道路わきの歩行者に接触して転倒させ怪我を負わせたものの、即座には救護等をせずに現場から逃走してしまったという事案です。
最終的には現場に戻り、臨場していた警察官に自身が加害者であることを申告したものの、犯罪としては、飲酒運転・人身事故・ひき逃げが成立するものでした。
一般的な処分傾向からは、公判請求及びその結果としての懲役刑は避けられないところですが、何とか罰金刑にできないかと依頼を受けました。
2 交通事故の処分傾向
飲酒運転やひき逃げといった交通事故では、厳しく処罰される傾向があります。
初犯であっても公判請求されることは珍しくなく、その結果として懲役刑を科せられる傾向があります。
保険会社による賠償が一般的であるため、他の事件に比べて、被害者への被害弁償が評価されにくいという点も特徴として挙げられます。
3 本件での弁護活動
本件でも、依頼者は任意保険会社に加入していたため、被害者への被害弁償は問題なく行われる見込みでした。しかし、先述のとおり、本件のような事案では被害弁償は評価されづらく、それのみでは処分軽減に向けた対応としては十分とはいえません。
そこで、被害者に対して、保険会社からの被害弁償とは別に、上乗せするような形での謝罪金支払を打診し、少しでも有利な情状を積み上げるよう努めました。
また、飲酒運転に至った事情や現場から立ち去ってしまったことについて、取調べでどう話すべきか、細かく助言をします。嘘を言うことはいけませんが、説明の表現方法であったり、自発的には話すべきでない点などを説明し、不利な供述を取られないように対応します。
4 本件での結果
上述の弁護活動を展開し、被害者への対応等を検察官に伝えた上で処分について交渉した結果、本件では罰金刑となりました。
事件の内容としては公判請求されるのが通常とも考えられるものであっただけに、罰金刑で終わったことは、弁護活動が奏功したものと考えられるでしょう。