コンビニで万引きの疑いで市職員を逮捕との報道!?

1 報道の概要

コンビニで医薬品など約3900円相当の商品を万引きしたとして、市の職員が窃盗の疑いで逮捕されました。被害に遭った店舗からの届け出を受け、警察が防犯カメラの映像などをもとに捜査を進めた結果、容疑者の特定につながりました。

調べに対し、「間違いありません」と供述し容疑を認めています。

以上の事案をもとに、法的に問題となる点を解説します。

 

2 万引きは現行犯逮捕が常識だった

ほんの数年前までは、万引き事件の場合、現行犯でしか逮捕されないというのが常識でした。ひとたび店の外に出た場合、直ぐに現行犯逮捕されなければ、事実上犯人は見逃されていました。せいぜい、次に来店したときには店の側で十分に注意して、現行犯で逮捕しようとするしかなかったのです。

 

3 ビデオカメラの活用

かなり前から、店では万引きに備えて防犯カメラを設置していました。そのカメラの分析で、犯人は特定できたはずです。実際、コンビニのカメラを用いて、交通事故の様子を分析したり、路上での強制わいせつ事件の犯人を特定したりするようなことは昔からありました。当事務所でもそのような案件は、10年以上前から経験しています。

それなのに、万引き犯に対しては、警察はあまり本気で動かなかったのです。だからこそ、店舗によっては、万引きを記録したビデオの公開といった対抗策を取り、犯人の人権問題としてニュースにもなっていました。しかし、これは警察が怠慢で、事件化しないために起こった事案であるが、それについて解説したマスコミは聞いたことがないです。

 

4 ビデオ分析による万引き犯逮捕

ところが、ここ最近になって、万引き犯をビデオ分析で特定し、通常逮捕する事案が増加してきています。何故警察が方針を変えたのかはよく分かりません。しかしこれは万引き被害に苦しむ店舗にとっては朗報でしょう。

その一方、万引き犯としては、犯行後捕まらずに店を出たとしても、決して安心できない状況となったと言えます。

 

5 万引き事件を起こした方は、すぐにご相談ください。

弊所では、万引きを始めとした、多数の窃盗事案の弁護活動を行ってまいりました。

逮捕される前の自首同行、被害者との示談交渉、治療としての入院、雇用者や親族などとの連絡、今後の更生のための手助け、検察官との交渉まで、あらゆる面でサポートをさせていただきます。

 

 

執筆者・大山 滋郎の写真

執筆者情報

大山 滋郎Jiro Oyama

弁護士法人 横浜パートナー法律事務所 代表弁護士