痴漢事件の罪状と刑罰

痴漢事件は、服の上から触った場合は迷惑防止条例違反となり、神奈川県では1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられます。服の中にまで手を入れ直接体を触った場合は強制わいせつ罪となり、6ヶ月以上10年以下の懲役が科せられます。

事件発覚から弁護活動までの流れ

01.逮捕拘留された場合

身体拘束の期間は、通常21~22日間と法律で定められています。検察官はその期間内に処分を決する必要があり、 弁護士は同じ期間内に被害者へのお詫びや示談交渉を行います。

拘束期間が満了した時点で起訴されるかどうかが決まり、不起訴となればそこで事件は終了します。起訴された場合、略式起訴といって裁判官の書面審理で罰金刑になるか、正式裁判を受けるかのどちらかとなります。

02.身体を拘束されない場合

身体を拘束されない事件(在宅事件)の場合、事件の処理には相当の時間がかかります。警察から検察に事件が送られるまでに、通常は2~3か月程度を要します。その後、検察庁からの呼び出しがあり、事件についての処分が決められます。

在宅事件ではこの期間を、被害者側へのお詫びなどに充てることが可能となります。被害者側も、事件から時間が経った方が被疑者を許しやすくなる傾向にあるので、逮捕勾留されていない事件の方が、示談交渉もスムーズに進みます。

03.被害者への対応

痴漢事件で最も重要なことは、被害者に許してもらうことです。その際には、被害者の二次被害に気をつけなければなりません。自分達で被害者に接触するのは逆効果です。弁護士が相手の方が被害者も落ち着いた対応ができるため、弁護士が間に入ることでスムーズに話を進めることが可能になります。

被害者の話と、加害者の話が食い違うことはよくあることです。被害者の立場で被害者の気持ちを考え、被害者の主張が原則正しい(加害者側は勘違いしている)という態度で臨むべきです。

損害賠償は、最低でも罰金刑の金額を支払うのが通常(初犯・1件の場合は20~30万円)です。仮に賠償額が高額でも、将来のことを考えれば示談で終わらせるべきです。損害賠償のほかに、医療機関への通院、電車内での痴漢の場合は当該電車の不使用など、誠意を持った対応をすることも、示談を成立させるうえで重要なポイントです。

加害者・依頼者がとるべき行動

01.被害者との示談

痴漢事件で最も重要なことは、被害者に許してもらうことです。迷惑防止条例違反の痴漢事件(服の上から触って逮捕された)であれば、性犯罪の前科がなく被害者との示談がまとまれば、不起訴処分を獲得することができます。

強制わいせつ罪(服の中にまで手を入れ直接体を触って逮捕された)であれば、被害者が告訴を取消してくれたら、不起訴処分となります。強制わいせつ罪は親告罪なので、告訴が取り消されれば、性犯罪の前科があっても必ず不起訴処分になります。

02.クリニック等への通院

痴漢のような性犯罪の場合、常習的になっており、何度も同じような犯罪を繰り返してしまうケースが多く見られます。当事務所の依頼者にも、3回も痴漢事件を起こし最後には刑務所に入った方もいました。

そうならないためにも、当事務所では性犯罪を治療するためのクリニックに通うことを勧めています。こうした対応を取ること自体が、起訴をするかの判断や裁判に良い影響を与えることもあります。しかしそれ以上に、性犯罪の再犯防止という意味でもクリニックへの通院は非常に重要です。

「あんなクリニックに通ってもバカバカしいだけだからやめました」などという人が、再び痴漢で逮捕される事例は珍しいことではありません。起訴や裁判のことだけでなく、再犯防止のためにもクリニックへの通院は大きな意味を持っているのです。

03.被害者に不安を与えないための措置

痴漢事件の被害者は「再びこのような事件が起こるのではないか」「逆恨みされているのではないか」という不安を感じています。こうした不安を取り除くためにも、できる限りの方策をとる必要があります。

電車内での痴漢の場合、できる限り路線を変えるようにします。場合によっては、引っ越しまで検討する必要があります。路線まで変えられない場合は、電車に乗る時間や車両を指定するなどして、被害者に間違っても近づかないような配慮が大切です。

04.再犯の場合は逮捕の可能性が高くなるので、早急な対応を

電車内の痴漢事件では、衣類の中にまで手を入れる強制わいせつ罪は基本的に逮捕されますが、服の上から触る迷惑行為防止条例違反の痴漢行為は逮捕されない方が主流になってきています。しかし迷惑行為防止条例違反でも、再犯の場合には逮捕される可能性が大きくなります。

ひとたび逮捕され拘留されると会社に知られるリスクは高くなりますし、新聞などのメディアで報道される恐れも高まります。痴漢事件で逮捕された場合は、先の説明のように示談や被害者の不安を除く行為を早急に行うことで、身柄拘束からの解放を目指すことが重要です。

痴漢事件の弁護費用

初犯で身柄を
拘束されていない場合

追加請求一切なし

着手金 11万円 + 報酬金 44万円(税込)

痴漢事件の解決事例

痴漢事件の
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痴漢事件のよくある質問

  • Q 勤務先に痴漢で逮捕されたことをバレないようにするには?
    痴漢事件の場合、基本的に警察等から会社に連絡することはまずありません。ただ、逮捕勾留されると、会社にバレる可能性が高くなります。逮捕されると新聞報道がされることもありますし、最近では報道をもとにネットにより個人情報等が拡散されるおそれが高いからです。また、勾留されると、数日間会社に行けなくなることになるため、事実上ばれてしまうという可能性もあります。
    そこで、まずは、逮捕勾留されないような弁護活動が大切になってきます。なお、10日程度の勾留であれば、体調不良、うつ状態ということで、会社に知られずに済んだ事例もあります。
  • Q 警察から呼び出しを受けた。逮捕されてしまう?
    すべての事件で逮捕されるわけではありません。多くの事件で、事後的に警察から呼ばれた場合は、単に取り調べをするだけで、その日のうちに帰してくれます。むしろ逮捕される案件であれば、事前の呼び出しの連絡なく、突然朝、あなたのご自宅まで来ることが多いでしょう。
  • Q DNA鑑定や繊維鑑定はどれだけ正確?証拠になる?
    DNA鑑定はかなり正確です。指からDNAが検出された場合、(DNAがつくような態様で触ったということになるので)痴漢していないと言い張ることは相当困難といえます。
    また、痴漢の場合、繊維鑑定がなされるのが特徴といえます。指に残った繊維片と、被害者の衣服・下着の繊維片が一致するかを調べるのですが、この精度も相当なものです。一致した場合は、基本的には痴漢を行ったことを基礎づける有力な証拠となります。
  • Q 夫(息子)が痴漢で逮捕されてしまった・・・どうすればいい?
    まずは、情報収集をする必要があります。逮捕されている警察署に問い合わせて、逮捕された時の状況や本人が罪を認めているのか否か等の情報収集をすることが大切になります。逮捕されている状態では、家族であっても自分では会いにいくことはできないため、出来るだけ早く弁護士に接見を依頼し、本人の状況を確かめてもらうことも必要です。
    本人が否認しているような場合、もちろん信じてあげることも大事ですが、それを鵜呑みにするだけでなく、被害者側の言い分も弁護士を通して収集し、判断することも大切です。謝罪や損害賠償をすることにより、早期の釈放、不起訴への道も開けてきます。
  • Q 泥酔しており、よく覚えていません。
    取調べの際、どのように話せばよいのでしょうか?
    泥酔していて、本当に覚えていないなら、そういうしかありません。
    ただ、それだけならば、否認しているということで、逮捕勾留される可能性が高くなります。
    目撃証人等がいるのならば、「覚えていませんが、皆さんが確認しているなら、間違いないです。申し訳ありませんでした」という回答が望ましいでしょう。
  • Q 第三者に取り押さえられている間に、被害者が立ち去ってしまいました。
    示談が出来ないのですが、何かできることはあるのでしょうか?
    被害者が立ち去って、被害届も出ていないなら、そもそも犯罪として立件されない可能背が高いです。
    犯罪になるのなら、被害者は警察と話しています。
    弁護士を通じて(当事者から直接ですと、被害者も警戒してしまいます)、警察・検察から被害者情報を教えてもらい、示談するのが一番です。
  • Q 電車内でよろけてぶつかってしまっただけなのですが、痴漢事件として扱われてしまうのでしょうか?
    単によろけてぶつかっただけなら、痴漢とされることは考え難いです。
    通常そのような事案では、よろけたのを利用した胸や臀部に触るなどの行為が問題となります。
    あとは個別の事案ごとに判断されることになります。
  • Q 電車の中で、いきなり手首をつかまれて、痴漢だと言われました。
    しかし私は全く身に覚えがありません。そういうときはどうすれば良いのでしょうか?
    痴漢行為をしていないのならば、罪を認めることはできません。
    ただ、逃げ出したりすると、かえって罪を認めたように思われます。落ち着いて無罪を主張すると共に、できるだけ早く弁護士に相談する必要があります。
  • Q 示談金や慰謝料の相場はどの程度なのでしょうか?
    1つの目安としては、少なくとも罰金刑の金額よりは多額であることがあげられます。
    初犯の場合、罰金刑は20-50万円程度であることがほとんどです。
    予め検察官と話して、大体の感触を得てから、罰金の額以上の金額で交渉することになります。
    相手のあることですから、さらに高い金額でしか示談ができないこともよくあります。
    (あまりに高い金額を言われたときには、検察官から被害者に一言話してもらうこともあります。)
  • Q 痴漢行為を複数回行った場合は、重く処罰されるのでしょうか?
    何回も痴漢行為を行っていても、初めて逮捕等されたときには、初犯という扱いになります。
    示談ができれば、通常は不起訴です。
    ただ、すでに何度も警察に事件が判明しているような場合には、重く処分されます。3回目には、起訴されて公判手続きとなるのが普通です。
  • Q いわゆる痴漢事件と、強制わいせつ事件は、何が違うのでしょうか?
    何回も痴漢行為を行っていても、初めて逮捕等されたときには、初犯という扱いになります。
    痴漢事件といわれるものは、通常迷惑行為処罰条例で処理されます。
    暴行・脅迫をもってわいせつ行為をすれば、強制わいせつ罪になります。

弁護士からのメッセージ

弁護士からのメッセージ

痴漢事件は、つい軽い気持ちで行ってしまうような犯罪類型です。しかし、後から大変な犯罪をしてしまったと気がつくことになります。特に逮捕され、新聞報道等された場合は、社会的にも非常に大きなダメージを受けます。
当事務所では、依頼者の立場に寄り添い、出来る限りの親身な弁護活動を行ってまいります。事件の当事者となってしまった方も、ぜひ安心してご相談ください。